刑事司法の執筆一覧

祝! 袴田事件再審決定の確定。「再審格差」を乗り越えて諸事件の救援を。

著者: 澤藤統一郎

(2023年3月21日)  死刑確定囚の袴田巌さんは、冤罪を雪ぐために再審を求めて闘ってきた。  紆余曲折経て再審を認めた3月13日東京高裁決定への特別抗告の期限が昨日20日。この日、東京高検は最高裁への特別抗告断念を弁

本文を読む

朝に「プーチンに逮捕状」と聞き、夕に「トランプの逮捕」を耳にする。

著者: 澤藤統一郎

(2023年3月19日) 昨日(3月18日)は奇妙な日だった。早朝のニュースで「プーチンに逮捕状」と聞き、深夜就寝前のニュースが「来週火曜日にトランプ逮捕」と言った。いずれも寝床でのラジオが語ったこと。東と西のゴロツキが

本文を読む

おめでとう・袴田巌さん!! 《死刑台からの生還》

著者: 澤藤統一郎

(2023年3月13日) 人の世の悲劇の形はさまざまだが、冤罪ほどの悲惨は稀であろう。ましてや、冤罪による死刑宣告の確定は悲劇の極みである。その悲嘆、絶望、恐怖、神への呪い、社会への憎悪、近親への慮り…、いかばかりであろ

本文を読む

中国共産党の野蛮が、香港の文明を制圧している。

著者: 澤藤統一郎

(2023年1月2日)  新年にふさわしい明るい話題ではない。それでも、野蛮な大国の現実について警鐘を鳴らし続けねばならない。  我々は、香港についての報道を通じて、野蛮と文明との角逐を垣間見ている。残念ながら、そこでは

本文を読む

この社会の高学歴層には、無数の「葉梨康弘」が溢れているのではないか。

著者: 澤藤統一郎

(2022年11月11日)  葉梨康弘という政治家が話題の人となった。本日辞表提出とのことで、メディアを賑わせている。これまで知らなかったお名前だが、彼の望み通りに、突然に有名政治家となった。「失言」によってではなく、「

本文を読む

旧憲法から新憲法へ。法体系転換の狭間における「プラカード事件」判決

著者: 澤藤統一郎

(2022年11月3日)  本日は、「日本国憲法」公布記念日である。日本国憲法の冒頭に、「上諭」という天皇(裕仁)の文章が、目障りな絆創膏みたいにくっ付いている。下記のとおりの内容だが、これに1946年11月3日の日付が

本文を読む

賭博は不幸を作る犯罪である。IRを作らせてはならない。オンライン賭博を起訴せよ。

著者: 澤藤統一郎

(2022年5月21日)  山口県阿武町の4830万円「誤送金」事件。容疑者は誤入金があった4月8日から19日までに、34回にわたって当該口座から計約4633万円を出金。振込先は決済代行会社3社で、このうち27回の計約3

本文を読む

「乳腺外科医・冤罪事件」判決 ー 最高裁は、差し戻しではなく無罪とすべきだった。

著者: 澤藤統一郎

(2022年2月21日)  先週の金曜日2月18日、最高裁第二小法廷は、「乳腺外科医・えん罪事件」において、懲役2年の実刑とした原審の東京高裁判決を破棄した。この点において、心配された最悪の結果は回避され一応は安堵させら

本文を読む

「弾圧を受けた弁護士の弁護士が有罪とされ、そのまた弁護士までが資格剥奪の通告を受けた」

著者: 澤藤統一郎

(2021年10月25日)  今は昔のこと。中国司法制度調査団などというツァーに参加して、何度か彼の地の法律家と交流したことがある。  そのとき、裁判官の独立も、弁護士の在野性も、検察官の罪刑法定主義もほとんど感じること

本文を読む

いまなお、ニホン刑事司法の古層に永らえている《思想司法=モラル司法》の系譜

著者: 澤藤統一郎

(2020年8月5日) 関東学院大学に、宮本弘典さんという刑事法の教授がいる。 この方が、紀要「関東学院法学」(第28巻第2号)に、「ニホン刑事司法の古層・再論 1:思想司法の系譜」という論文を掲載されている。貴重なもの

本文を読む

「法務・検察行政刷新会議」は、官邸の守護神・黒川弘務の政権との癒着の実態を検証せよ

著者: 澤藤統一郎

(2020年7月26日) 昨日(7月25日)の朝日が、「検察刷新会議 開く以上 本気の議論を」という社説を掲載した。なかなかのトーンの高さである。 正確な名称は、「法務・検察行政刷新会議」というようだ。森雅子法相の私的諮

本文を読む

有罪認定に合理的疑いの余地が残れば、無罪としなければならない。

著者: 澤藤統一郎

(2020年7月24日) 話題の、民医連柳原病院・乳腺外科医師「冤罪」事件。一審判決は予想のとおりに無罪だったが、控訴審で意外の逆転有罪となった。しかも、執行猶予のない実刑。愕然とせざるを得ない。 7月13日、東京高裁第

本文を読む

河井夫妻起訴。公判では、その背後にある「真の主犯」の洗い出しを。

著者: 澤藤統一郎

(2020年7月8日) 本日(7月8日)、東京地検は河井克行・案里の夫妻を、東京地裁に起訴した。起訴罪名は、公職選挙法違反(運動員買収)である。 この二人に関しての運動員買収の構成要件は、「当選を得、若しくは得しめ(る)

本文を読む

切られた尻尾のうごめきに目を奪われることなく、トカゲのアタマを押さえねばならない。

著者: 澤藤統一郎 

(2020年6月28日) 河井克行・案里の運動員買収の実態がほぼ明確になりつつある。検察のリークだけではなく、メディアによる追及もめざましい。何より、世論の糾弾が厳しく、被買収者が否定しきれない空気を作っている。そのこと

本文を読む

30万円の現金授受に添えられた『安倍さんから』の強烈なインパクト

著者: 澤藤統一郎

(2020年6月26日) 昨日(6月25日)の中国新聞の報道が、「克行容疑者『安倍さんから』と30万円 広島・府中町議証言」というものだった。これは、強烈なインパクト。 この証言をしたのは、案里容疑者の後援会長を務めたベ

本文を読む

朝日社説「『森友』再調査 この訴えに応えねば」を評価する。

著者: 澤藤統一郎

(2020年6月25日) 本日(6月25日)の朝日社説が、「『森友』再調査 この訴えに応えねば」と訴えている。その姿勢を大いに評価したい。 「森友再調査」の必要は、亡くなられた赤木俊夫さんの手記が遺族によって発表され、こ

本文を読む

通常国会閉会後には、速やかな河井克行・案里両議員の徹底捜査と起訴を。

著者: 澤藤統一郎

(2020年6月12日) 今国会(第201通常国会)の予定された会期終了が近づいている。野党は攻勢的に「この非常時に国会を閉じるな」とスローガンを掲げているが、与党側は徹底した逃げの姿勢である。国会での追及に自信を喪失し

本文を読む

「黒川検事長定年延長閣議決定を可能とした検察庁法解釈変更は、どのようになされたのか」 ― これを問い質す、情報公開訴訟を提起。

著者: 澤藤統一郎

本日(6月1日)、上脇博之さん(神戸学院大学法学部教授・憲法学)が原告となって、注目すべき情報公開請求訴訟(開示・不開示決定取消請求訴訟)を大阪地裁に提訴した。被告行政庁は、法務省法務大臣、人事院事務総局給与局長、内閣法

本文を読む

官邸の守護神(黒川弘務検事長)失脚の日に、安倍晋三の刑事告発。

著者: 澤藤統一郎

ときに、思いがけないことが起こる。本日(5月21日)、東京高検の黒川弘務検事長が辞表を提出した。時の人の、突然の表舞台からの退場である。 はからずも、この日に全国の弁護士・法学者659名が、「桜を見る会・前夜祭」問題につ

本文を読む

「黒川弘務法案」今国会では無理でも次期国会で。それが無理でも、黒川検事を検事総長に。

著者: 澤藤統一郎

ワタクシ、アベ・シンゾーで、ごじゃます。 例の「黒川弘務法案」の件でごじゃますが、国民の皆様には、いくら丁寧にご説明してもですね、もはや国民の皆様には、理解してはもらえない。まさに、まさにですよ、ここはですね、いったん引

本文を読む

官邸の検察官定年人事介入法案は、「法の支配」にかかわる重大事。

著者: 澤藤統一郎

Q おじさん、専門家でしょう。「#検察庁法改正案に抗議します」が大きな話題になっているけど、いったいどんな法案で、何が問題なのか教えて。 A 現在衆議院で審議中の検察庁法改正法案は、検察官の定年延長の法案なんだけど、検察

本文を読む