作家の北杜夫さんは不惑にさしかかる年頃の一九六六(昭和四一)年春、躁病をいきなり発症した、という。 ――躁が来る時は、自分でもわかる。口数が多くなって、陽気になる。仕事をなんでも引き受け、ふだんは嫌いなテレビ出演なん
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私が出会った忘れ得ぬ人々(41) 「斎藤一族の人々」――超個性的な面々がずらり
著者: 横田 喬私は『朝日新聞』記者の振り出しが仙台在勤だった。今から六十年ほど前の一九六〇年代初めのこと、夏場の休日に東北の霊山・蔵王山へ日帰り登山を試みた。気が立っていたせいか、最高峰・熊野岳(一八四一㍍)に思いのほか容易に登頂で
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