原節子の執筆一覧

原節子の戦争と平和(5)   ―伊丹万作版『新しき土』の物語―

著者: 半澤健市

『新しい土』はファンク版と伊丹版の二本が作られた。 映画史家貴田庄(きだ・しょう、1947~)が近著『原節子物語―若き日々』(朝日文庫、朝日新聞出版・2016年3月刊)でその事情を述べているので、それに従い経緯を簡単に紹

本文を読む

原節子の戦争と平和(4) ― 伊丹万作と家城巳代治 ―

著者: 半澤健市

 「原節子の戦争と平和」から、十五年戦争に関する映画人の戦争責任の問題にたどり着いた。しつこいようだが、映画が―今ならテレビが―、百万人規模に影響を与えるから考察しておきたいのである。 GHQによる1946年1月の公職追

本文を読む

原節子の戦争と平和(3) ―俳優は「着せ替え人形」なのか―

著者: 半澤健市

 「原節子の戦争と平和」を書いていると関連する幾つかのテーマに導かれる。 一つは、俳優は職業の社会的な意味をどう考えているのか。 二つは、日本の映画人は戦争と平和をどう考えてきたのか。 三つは、映画観客はそういう問題をど

本文を読む

原節子の戦争と平和(2) ― ナチスのアイドルとなった美少女 ―

著者: 半澤健市

 原節子の戦争は『新しき土』(1937年)から始まった。 日独合作の日本最初の本格的「国際映画」である。1920年生まれの原節子が、横浜高等女学校をやめて女優になったのは1935年である。家庭の経済的事情と義兄の映画監督

本文を読む

原節子の戦争と平和 ― 小津は「大東亜戦争はなかった」と考えたか ―

著者: 半澤健市

 ドイツの日刊紙『ディ・ヴェルト(世界)』は映画女優原節子の訃報記事に「日本人に対しては西洋的な美を、西洋には理想の日本人女性を体現した」と書いた(『東京新聞』、2015年11月27日夕刊、「共同」)。これは多くの日本人

本文を読む