岡田 充の執筆一覧

海峡両岸論 第141号 2022.08.13発行 - 「一つの中国」、米日との対立が先鋭化 ペロシ訪台と「第4次海峡危機」 -

著者: 岡田 充

 中国はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問(8月2~3日)=写真 総統府HP=の報復措置として、8月4日から7日まで台湾を包囲する6カ所の演習区域で、ミサイル発射を含む「重要軍事演習行動」を行った注1 。演習には中国空

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海峡両岸論 第140号 2022.07.12発行 - 「脅威にならない」の日中合意を 安倍対中外交の意外な「突破力」 -

著者: 岡田 充

 安倍晋三元首相が7月8日銃撃され死去した。(写真 死去を報じる新聞号外)首相退任後は「台湾有事は日本有事」など「親台湾」の本音を公言してきたが、首相在任中には二度にわたり日中関係を改善へ導き、意外な「突破力」を発揮した

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海峡両岸論 第139号 2022.06.04発行 - 「実利重視」のアジアは踊らず 「実利重視」のアジアは踊らず -

著者: 岡田 充

 バイデン米大統領が5月20~24日、韓国と日本を公式訪問し首脳会談を行った。東京では新たな経済枠組みの「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)=23日=を創設、日米豪印の対中枠組み「クアッド=QUAD」首脳会合も開いた。

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海峡両岸論 第138号 2022.05.06発行 - 政権に取り込まれたリベラル派 翼賛化する日本の政治・世論 -

著者: 岡田 充

 日本の政治と世論の翼賛化が急速に進んでいる。強国化する中国への反感をベースに、ロシアのウクライナ侵攻が、翼賛化に決定的役割を果たした。約1年前の日米首脳会談の共同声明は、日米安保の性格を「地域の安定装置」から「対中同盟

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海峡両岸論 第137号 2022.04.09発行 - 対米協調するが拭えぬ相互不信 中ロ同盟は復活しない -

著者: 岡田 充

 ウクライナ危機で国際政治の文脈から注目されるのは、対ロ経済制裁によって地球規模の経済が分断され、ブロック化していくかどうかだ。バイデン政権は中国とロシアを「グローバルな世界秩序の変更」を目指す「専制国家」として同一視し

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海峡両岸論 第136号 2022.03.12発行 - 見えなかった多極化を可視化 ウクライナ危機と世界秩序 -

著者: 岡田 充

  ロシアのプーチン政権はウクライナ東部の親ロシア派支配2地域の独立承認(2月21日)に続き同24日、ウクライナへ全土への軍事侵攻を開始した。(写真 南部マウリポリで爆撃された子供・産院で立ちすくむ女性 TV朝日画面から

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海峡両岸論 第135号 2022.02.02発行 - 戦争シナリオを放置していいのか 戦争シナリオを放置していいのか -

著者: 岡田 充

 台湾有事を念頭に、日米共同「戦争シナリオ」が出来つつある。(写真 グアムで島嶼防衛のため米軍と共に合同演習する自衛隊=2012年10月13日)日米両政府は1月7日の外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(「2プラス

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海峡両岸論 第134号 2022.1.10発行 - 米中対立、「現在地」からみた形勢 矛盾目立つバイデン外交の3論点 -

著者: 岡田 充

 米国のトランプ前政権が2018年7月、貿易戦を皮切りに始まった米中の戦略対立は、2022年で4年目に突入した。トランプを引き継いだバイデン政権は、「民主か専制か」のイデオロギー二元論を煽り、新冷戦の“迷路” に誘って、

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海峡両岸論 第133号 2021.12.16発行 - 分断と対立煽る冷戦思考の舞台 「帝国の落日」際立たせた民主サミット -

著者: 岡田 充

 米中対立を「民主主義vs専制主義」と位置付けるバイデン米大統領は12月9,10の両日、米政府が選んだ約110カ国・地域の首脳らとともに、オンラインで「民主主義サミット」(写真 サミット開幕式 米国務省HP)を開いた。台

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海峡両岸論 第132号 2021.11.11発行 - 王毅外相の「一線超えるな」の真意 岸田「友台」の背後に安倍の影 -

著者: 岡田 充

 岸田政権初の衆院選挙(10月31日)で、自民、公明与党が計291議席と国会運営を主導できる絶対安定多数(261)を獲得、岸田(写真 英グラスゴーのCOP26首脳級会合で演説する岸田 首相官邸HP)は信任を得た。「自民苦

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海峡両岸論 第131号 2021.10.14発行 - 対中同盟の再編強化は成功するか 米外交は「対話」と「包囲」の両にらみ -

著者: 岡田 充

 バイデン米政権は、中国への圧力一辺倒路線を修正し、対話と同盟再編による包囲強化という「両にらみ」外交に転換した。米国、英国、オーストラリア3国が9月に創設した新軍事同盟「オーカス」(AUKUS)=写真 「オーカス」創設

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海峡両岸論 第130号 2021.09.13発行 - 脱新自由主義で共通する米中両国 「共同富裕」は文革再来ではない -

著者: 岡田 充

 台湾や新疆ウイグル問題などあらゆる領域で対立する米国と中国が、経済政策では、格差拡大を加速した「新自由主義経済」から脱却し、国家主導を強める路線を共有。バイデン政権はグーグル、アマゾンなど「GAFA」(写真)を、中国も

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海峡両岸論 第129号 2021.08.03発行 - 自説を「国際社会」とすり替えるメディア 中国の孤立という虚構をあばく -

著者: 岡田 充

 「国際社会は国安法撤廃を求める声を上げ続けたい」注1  「中国共産党は世界との溝埋める努力を」注2 。  香港、台湾問題や中国を論じるメディアが、「国際社会」や「世界」という言葉を使って中国を批判する文章が目立つ。自己

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海峡両岸論 第128号 2021.07.04発行 - 民主の「魔力」に寄りかかる危うさ 「自己正当化バイアス」で曇る目 -

著者: 岡田 充

 2年ぶりに対面で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット6月11~13日)=写真円卓で協議する首脳 「G7UK」HP=は、米中関係を「民主主義vs専制主義」と見なすバイデン米大統領の主導で、「専制中国」に対抗して民主主

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海峡両岸論 第127号 2021.06.09発行 - 「竹やり」で中国と戦争するつもりか 「台湾有事」 日本に求める軍事協力 -

著者: 岡田 充

「台湾有事」が起きた場合、米国は日本にどんな軍事的役割を求めるのか―  日米首脳会談で台湾問題を半世紀ぶりに明記し、菅政権が「台湾有事」への日米防衛協力を約束して以来、リアリティのあるテーマになった。台湾防衛で日米が軍事

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海峡両岸論 第126号 2021.05.10発行 - 虚構の「台湾有事」切迫論 武力行使は一党支配揺るがす -

著者: 岡田 充

 「専制主義が未来を勝ち取ることはない。勝つのは米国だ」。バイデン米政権の誕生から3か月。4月28日のバイデン議会演説は、世界のトップリーダ―からの転落を容認できず、外に敵(中国)を作ることによって国内を団結させようとす

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海峡両岸論 第125号 2021.04.09発行 - 米中対立の「当事者」になった日本 岐路に差し掛かる日中関係 -

著者: 岡田 充

 来年(2022年)、国交正常化から半世紀を迎える日中関係が岐路に差し掛かっている。バイデン米政権誕生後初めて東京で開かれた日米外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)=写真 外務省HP=は、中国を初めて

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海峡両岸論 第124号 2021.03.17発行 - 中国包囲色薄めたQUADサミット インド参加で不安含みの同盟強化 -

著者: 岡田 充

 米中関係は、破天荒なトランプ前大統領が「大立回り」を演じてきたイメージから、米同盟・友好国が「束」になって中国に対抗する構図に変わった。中国とはそれほど、我々の存在を脅かす「邪悪な覇権国家」なのだろうか。バイデン米大統

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海峡両岸論 第123号 2021.02.15発行 - 海警法で「尖閣奪われる」は曲解 「ダブスタ」で中国をみる曇った目 -

著者: 岡田 充

 中国は、我々の鏡だ。香港問題、新疆ウイグル族への「民族浄化」に海警法制定など、「隣の覇権国の横暴」を非難する時、すっぽり抜け落ちている視点がある。トランプ支持者が米連邦議事堂に乱入した時、「民主主義の死」と非難したメデ

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海峡両岸論 第122号 2021.01.06発行 - バイデン政権下の米中関係の展望 「同盟強化」から「不安な平和」まで -

著者: 岡田 充

 2021年1月20日に誕生する米バイデン新政権の外交・安保・通商政策を担う主要布陣が固まった。国際政治の基調になる米中関係(写真 副大統領時代のバイデンと習近平・副主席 多維新聞HP)については、まだ断片的な発言や情報

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海峡両岸論 第121号 2020.12.09発行 - 王毅外相の「正体不明船」を報じないわけ 「対中弱腰」批判恐れるメディア -

著者: 岡田 充

 中国の王毅外相が2020年11月24,25日の両日、日本を公式訪問した。茂木敏充外相との共同記者会見(24日 写真 外務省HP)で尖閣諸島(中国名 釣魚島)をめぐり「正体不明の日本漁船が敏感な海域に侵入している」と、中

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海峡両岸論 第120号 2020.11.15発行 - 「新冷戦」思考のリセットは必至 バイデンの対中政策を読む -

著者: 岡田 充

 米国大統領選(11月3日)で、民主党のジョー・バイデン候補(77)が7日勝利宣言(写真 TBSニュースの速報)した。トランプ大統領(74)は敗北を認めず法廷闘争で争う構えだが、逆転は困難だろう。トランプ政権のこの4年、

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海峡両岸論 第119号 2020.10.11発行 - 「米中バランス外交」は至難の業 始動した菅外交を読む -

著者: 岡田 充

 菅義偉内閣は、トランプ米大統領(9月20日)、習近平・中国国家主席(9月25日)との電話会談に続き、10月6日には対面による日米豪印の4か国(QUAD)外相会合(写真 =カメラに向かいポーズする4か国外相=外務省HP)

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海峡両岸論 第118号 2020.09.06発行 - 米中の軍事衝突はあるか 南シナ海で「擦槍走火」の危険 -

著者: 岡田 充

 台湾海峡で「第4次海峡危機」とでも呼ぶべき軍事的緊張が走っている。中国の軍事能力の大幅な向上と、トランプ米政権が台湾という中国の「核心利益」に手をつけたのが背景。台湾海峡と南シナ海では、米中双方が大規模な軍事演習を展開

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海峡両岸論 第117号 2020.08.02発行 - 衰退ニッポンに響いた「戦略的親日」 両岸緊張させた「プリズム政治家」 -

著者: 岡田 充

< 台湾の李登輝元総統(写真「李登輝より日本へ 贈る言葉」表紙)が7月30日、97歳で死去した。国民党の一党支配に幕を引き、民主化を進めた「民主の父」と絶賛の声がメディアでは目立つ。しかし米中、日中対立に乗じ、日米

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海峡両岸論 第116号 2020.07.04発行 - 「新冷戦論」の落とし穴にはまるな コロナ後の世界の2潮流を読む -

著者: 岡田 充

 新型コロナ・パンデミックが続く中、二つの潮流が国際政治を覆っている。第1は米国のグローバル・リーダーからの退場。第2に弱体化した国家の復権である。いずれも以前からあった流れだが、コロナ禍がそれを加速させている。グローバ

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海峡両岸論 第115号 2020.6.11発行 - 主権防衛に「レッドライン」引く 国家安全法は「反分裂法」の香港版 -

著者: 岡田 充

 北京で開かれていた中国全国人民代表大会(全人代=国会)=写真 多維新聞=は28日、香港独立や政権転覆、外部勢力の介入を禁じる「国家安全法」(国安法)の制定を採択して閉幕した。貿易戦争、台湾、香港、新型コロナウイルスなど

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海峡両岸論 第114号 2020.5.13発行 - 新型コロナめぐる情報操作の実態 支離滅裂なトランプの陰謀論 -

著者: 岡田 充

 トランプ米政権の新型コロナウイルスに対する言動は終始、一貫性を欠いてきた。コロナ禍をめぐる対中国姿勢を振り返れば、トランプ(写真「武漢起源に自信」と記者会見で協調=テレビ東京)と政権幹部がいかに支離滅裂で、デマに満ちた

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海峡両岸論 第113号 2020.4.3発行 - 強権政府待望する時代が始まった 五輪を全てに優先した安倍失政 -

著者: 岡田 充

 コロナ・パンデミックは、世界を1929年の世界大恐慌以来の不況に陥れた。ポスト・パンデミックの時代には、閉じられた国境が再開され、破断されたサプライチェーン(部品供給網)の再構築が始まる。だが、グローバル化によって弱体

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海峡両岸論 第112号 2020.3.18発行 - 安倍政権下では難しい日中改善 習訪日延期と腰定まらぬ対中政策 -

著者: 岡田 充

 新型コロナウイルス肺炎「COVID19」の感染はイタリア、イラン、米国に一気に広がり、世界保健機関(WHO)=写真 テドロスWHO事務局長=は3月11日、「パンデミック」宣言をした。トランプ米大統領は、英国を除く欧州各

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