テレビでイヌワシの生態を紹介した番組を二度見た。最初に見たのは日本のイヌワシだった。二つの卵から先に孵化した幼鳥が、遅れて孵化した弟か妹を巣から追い落とす。 二羽育てるには十分な餌がないと判断して、親鳥が遅れて孵化した幼
本文を読む藤澤豊の執筆一覧
西郷さんとハチ公
著者: 藤澤豊荒川区町屋で生まれて育って、子供の足で歩いても五六分の区立第七峡田小学校に入った。校庭の端の大きな壁の向こうは河川敷もない蛇行した隅田川。斜めに引いても五十メートル走がやっとという狭い校庭だった。 水がでるから、辺りの建
本文を読む詐欺メールとチラシ
著者: 藤澤豊パソコンを使わない日はない。最近はWordを使っての作業が多いが、なにかしらのメールを受け取って、何らかのメールを送るのが日常生活の一部になっている。何か作業をしていて、気の向いたときにメールのゴミ箱をチェックすることに
本文を読むゆっくりした世界もいいけれど
著者: 藤澤豊流れの速い渓流では自浄作用で常に水がきれいに保たれる。流れの遅い、あるいはほとんどないところでは、水が淀み汚れたままになる。きれいな水にしか棲めない生き物もいるし、淀んで、(人間の目には)汚れた水を好んで棲む生き物もいる
本文を読む善意が善意で終わらない
著者: 藤澤豊もしかしたら、何かできること、お役にたてることもあるかもしれない。「グローバリゼーションに対抗する。。。」とまで銘打った草の根活動の集まりに行けば何かあるのではないか、きっかけだけでもと期待半分、期待しすぎてはという抑え
本文を読む武器輸出のための改憲
著者: 藤澤豊雑誌『世界』が六月号で「死の商人国家になりたいのか」と題して、武器輸出の問題を取り上げていた。特集記事を読む限りでは、日本の軍需産業は大まか次のような状態にある。限れた経験から感じていたことと同じなのに、そうなのかと思い
本文を読む利権と理念、選挙と政治
著者: 藤澤豊参院選はおおかた予想していた通りの結果になった。結果だけを見れば、改憲派が護憲派に勝ったということなのだが、改憲か護憲かがどれほど投票に影響を与えたかを考えると、一概にそうとも言えない気がする。有権者は、いつものように、
本文を読む格好だけはつくPowerPoint
著者: 藤澤豊いつの頃からかプレゼンテーションというカタカタ表記の英語が日本語になった。あまりに卑近で好きにはなれないが、長すぎるので、略してプレゼン。プレゼンという言葉を頻繁に耳にするが、昔ながらの説明や発表会もきちんと使われ続けて
本文を読む国家のエゴと民衆の反乱
著者: 藤澤豊国民投票でイギリスのユーロ離脱が僅差で決まった。投票日直前に、それまで形勢の悪かった残留派が優勢になったと聞いていた。イギリス経済だけ考えても、ユーロ全体から世界の経済を考えても、留まるべきという残留派の主張には十分な説
本文を読む資本や権力が恐れるもの
著者: 藤澤豊2010年頃、グローバルに事業を展開している巨大コングロマリットの一事業体の日本支社で先の見えない仕事をしていた。同じ業界に長かったこと、かつての同僚が転職していたこともあって、知らない会社ではなかった。入社するとき、ま
本文を読む食の擬きから
著者: 藤澤豊若いとき、先輩に神田にある日本蕎麦の名店に連れて行かれたことがある。有名私立大学の経済学部出身で、職工さんとは違う世界の人という雰囲気を振りまいて、女性陣には人気の人だった。女の子二人と先輩でゆくはずだったのに、どういう
本文を読む計画性-自己束縛の悪癖
著者: 藤澤豊計画性やそれと似たような気持ちは、いつももっている。巷の常識に照らして、これは計画と呼んでいいだろうと思うものもある。それでも、多くはぼんやりしていて、計画と呼ぶのをためらう。 雲を掴むような話でもないし、期限内に達成し
本文を読む本社の意向-寂しい人たち
著者: 藤澤豊六月十日付けのヤフージャパンのニュースにマイクロソフトの上意下達の企業文化がにじみでていた。 Windows 10へのアップグレードのごたごたを見ていると、何度も似たような立場にいたことがあるだけに、日本マイクロソフトの
本文を読むモータリゼーションのツケ
著者: 藤澤豊七十二年に就職して四年ほど独身寮にお世話になった。安月給だったが、寮住まいのおかげでエンゲル係数は低い。まるで餌じゃないかと文句を言いたくなるメシだったが、安いから文句も言えない。一人ものの寮生活、大した額ではないにして
本文を読む格差が人を活かす
著者: 藤澤豊経済的に恵まれた社会層が豊になる一方で、本来なら中間階級を構成するはずのフツーの人たちが貧しくなっている。大企業(豊かな社会層)が利益を求めて、働く人たちの雇用も賃金も抑えてきた結果、ワーキングプアという言葉を奇異に感じ
本文を読むパンを焼いてみて
著者: 藤澤豊留守をいいことに、娘が買ってきたパン焼き器をオヤジが専用している。パン焼き器?いちいち自分でパンなど焼くか?めんどくさいと思っていたが、一度使い出したら止められない。使ってみるまで、こんな便利なものがあることを知らなかっ
本文を読む結果は大して変わらない
著者: 藤澤 豊へアカットだけの床屋も増えて、昔ながらの床屋のお世話になる人も随分減ったのではないかと思う。初めて行ったのは、七十七年にニューヨークに駐在したときだった。何を言われてもピンとこない。その度に聞
本文を読む軍需と雇用一反対から関与へ
著者: 藤澤豊Webで知って、川崎市で開かれた武器輸出反対の集まりに出かけた。学者や研究者の集まりにありがちな、単調な話もなく、主催者の人柄なのか明るい。明確な論点と簡潔な主張、それを形にする行動力に感動して帰ってきた。ひと月ほどして
本文を読む節約は経済犯罪-ドイツの問題
著者: 藤澤豊「節約は美徳」と言われると、どうもその道徳的な絶対善に近い響きのせいで反論しがたい。それでも多少は経済学をかじったからなのか「そうです」と言い切れずに、「そうではない」と言いたくなる。 可処分所得が減り気味のなかで、富裕
本文を読む臭い消しの匂いは、-はみ出し駐在記(追補)
著者: 藤澤豊赴任した晩からひと月ほど泊まったモーテル、Howard Johnsonでアメリカの匂いの洗礼を受けた。部屋は言うにおよばずフロントから廊下、Howard Johnsonにいる限り、どこに行っても鼻に付く匂いがあった。アメ
本文を読むWindows 10拒否設定—緊急速報
著者: 藤澤豊PCのユーザーが思うようにならないことにしびれをきらしたマイクロソフトが、ろくでもないことを始めた。 Windows 10へのアップグレードで世界中で阿鼻叫喚といっても言い過ぎでないパニックが起きている。 これまでWin
本文を読む舛添-襟を正せるか
著者: 藤澤豊東京都知事舛添の公費の濫用には目にあまるものがある、と多分ほとんどの人が思っている。市井のフツーの人たちの感覚では、ちょっと度が過ぎるをはるかにこえている。そりゃないだろうというのが毎日のように出てくる。あまりにぞろぞろ
本文を読むケチが高じてタカリ
著者: 藤澤豊東京都知事舛添のニュースを聞いて、似たようなことの当事者でもあり、関係者だったころのことを思い出した。程度の差はあるにしても、今も当時と何も変わらないことが日々繰り返されていると想像している。舛添の私的流用は誰にでもあり
本文を読む否認不諦
著者: 藤澤豊就職して間もないころ、新聞くらい読まなければと思ってとり出した。隅から隅まで読もうと意気込んではいたが、目を通すだけで、ろくに読まなくなるのに時間はかからなかった。時々のニュースに時事解説や社説、読んだところで、書いてあ
本文を読む博愛の善意はいらない
著者: 藤澤豊どのような人たちが集まっているのか気になって、善意の人たちの集まりに出かけてみた。そこでの話の中心に「博愛」やそれに似たような精神を表した言葉があった。言葉の端々に自分たちがしていることが、「博愛」の精神に基づいた高潔な
本文を読む人種差別-小学校四年生の宿題
著者: 藤澤豊「人種差別はなぜあるのか?」と訊かれれば、何をいまさらと思う方が多いだろう。実は、これ、ボストン郊外のレキシントンという町の公立小学校四年生にだされた社会科の宿題だった。 もう十五年ほど前になるが、ボストン郊外にあるアメ
本文を読むクレジットカードだらけ-はみ出し駐在記(追補)
著者: 藤澤豊下宿から二十分も走れば、Roosevelt Fieldという大きなショッピングモールがあった。そこに行けば、スーツやジャケットにジーンズ、下着や靴も、スパナやレンチなどの工具にしても、なんでもそろった。郊外によくある大き
本文を読む人にやさしい日本語
著者: 藤澤豊住まいの近くに身障者の学校と付設のキャフェテリアがある。毎日のように前を通るのだし、そのうちキャフェテリアにはと思いつつ、もう五年以上経ってしまった。何かきっかけでもなければ、このまま行くこともないかもしれないと思い立っ
本文を読む署名と文字認識-『天声人語』
著者: 藤澤豊三月二日付けの朝日新聞をいつものように斜め読みしていて、『天声人語』にひっかかった。ざっと目を通しているだけなのに、必ずといっていいほど何かにひっかかる。たかが新聞、いちいち気にしてもしょうがない、といつもは流してしまう
本文を読むあるようでないアメリカ土産-はみ出し駐在記(追補)
著者: 藤澤豊出張でも観光旅行でも海外に行けば、親しい同僚や知り合いからなんらかの土産を期待された。今ほど海外が身近でなかったから期待も大きかった。遊びじゃない、仕事で来ているだけなのだから、期待など知ったことかと開き直ればいいのだが
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