<はじめに> 日本の政局は波乱含みではあるが、停滞の感は否めない。既成政党は保革を問わず、磨滅し老衰の印象すら受ける。それゆえ岸田内閣が支持率20%を切ろうとも、与野党内から反撃ののろしはどこからも上がらない。労働組合
本文を読む野上俊明の執筆一覧
ミャンマー軍事政権、ますます中国依存深める
著者: 野上俊明https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2024/07/e44bbfa473207617dc541133cbf09b42.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https:/
本文を読むGlobal Headlines: ジャワは天国、ビルマは地獄、生きて帰れぬニューギニア
著者: 野上俊明<はじめに> 上の表題は、アジア太平洋戦争での激戦地を自嘲気味に形容した一種の戯歌(ざれうた)である。ビルマの地獄は、旧日本軍指導部が侵略戦争で無謀な作戦を遂行したために招来したものである。ところがこの間まで「アジア最
本文を読むGlobal Headlines: 欧州選挙、右派政党の勢いが増す
著者: 野上俊明<はじめに> 欧州連合(EU)の加盟27カ国で6月6日~9日、5年に一度の欧州議会選挙(定数720)の投票が行われた。開票の結果、EUに反発する右派・極右勢力がやや伸長したが、全体としては親EU勢力3会派が過半数を維持
本文を読むミャンマー、雨季攻勢で各地の戦線いっせいに躍動
著者: 野上俊明雨季に入って、ミャンマーの反政府抵抗勢力はふたたび戦闘を活発化、支配地域を拡大し続けている。雨季は悪天候が続くため、もっぱら空爆に頼る政府軍には不利とされている。10月の雨季明けまでに反政府抵抗勢力は支配地域を最大限拡
本文を読むGlobal Headlines:状況に関与するフランス哲学者
著者: 野上俊明<はじめに> フランス思想は明晰判明を旨とすると、デカルトの哲学講義で教えられた。とりわけ啓蒙思想は戦闘性と明晰判明さが特徴だとも言われた。そうだとすると、こちらの勉強不足を棚に上げて言うのもなんだが、現代の輸入フランス
本文を読む【7月27日(土)】第17回ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明前回で「市民社会」の章を終え、今回から「国家」の章に入ります。優れた古典というものは、個々人の問題意識に応じて様々な答え方をしてくれるものなので、単純な割り切り方は禁物です。ただ学習の便宜のためという条件付きで、「市民
本文を読むGlobal Headlines:現下のヨーロッパ危機について語る代表的ドイツ人
著者: 野上俊明<はじめに> EUヨーロッパは、近年の気候変動危機をベースに、ウクライナ戦争やガザ紛争、そしてドイツのAfDをはじめとする極右勢力の抬頭に苦しめられて、危機意識を募らせている。そういうなか、EUの盟主ドイツにおいて、か
本文を読むGlobal Headlines:グローバル・サウスの盟主インド総選挙の結果
著者: 野上俊明<はじめに> ミャンマーと西に国境を接する大国インドは、いまや人口世界一であり、経済力GDPもここ数年で日本やドイツも抜き去るという。ミャンマーと北東部で隣接する人民中国とは異なり、新興国としては珍しく、独立以来一貫し
本文を読むGlobal Headlines:権威主義国家における政治と宗教 ――ミャンマー内戦は武力解放とともに、タブーからの精神的解放をめざす
著者: 野上俊明ミャンマー反体制ポータルサイト「イラワジ」の主幹であるアウンゾー氏は、6/7号で「不浄な同盟:ミャンマーのメルセデス僧侶と緑の男たち」と題する論評を発表した※。かのスタンダールの「赤と黒」が軍服と僧衣を表していたように
本文を読むGlobal Headlines:日緬関係―極右勢力の暗躍
著者: 野上俊明<はじめに> 数十年にわたりミャンマーの辺境地帯の現地取材を続けてきた、著名なスウェーデンのジャーナリストであるバーティル ・リントナー氏の、2年前の論評記事である(イラワジ紙)。今日軍事政権を支える役割の大半は中国に
本文を読む【6月29日(土)】第16回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明私的所有と営業の自由の原理に立つ市民社会の主要な矛盾、つまり原理的に解決不可能な問題が、貧困問題、富と貧困の格差問題であることをヘーゲルは見抜いています。それゆえ、市民的原理(市場原理)を補完すべく社会政策――ポリツァ
本文を読むGlobal Headlines:旧東ドイツの視点から
著者: 野上俊明<はじめに> 人はいざ知らず、私にとって「プロ独(プロレタリア独裁)」という言葉は、血にまみれたおぞましい言葉でしかない。「パリ・コンミューン三原則」だの、レーニンの「国家と革命」だの、「(ドイツ)レーテ革命」だのとい
本文を読むGlobal Headlines:ラテン・アメリカ革命の挫折
著者: 野上俊明<はじめに> 我々68世代には、キューバ革命やチリ・アジェンデ政権はじめとするラテン・アメリカの反米反植民地闘争は、先進資本主義における資本に買収された労働運動、少数民族、女性や障碍者などの社会的少数者への抑圧に対する
本文を読むGlobal Headlines:カントの不朽の功績
著者: 野上俊明<はじめに> ドイツ古典哲学の双璧であるカントとヘーゲル。マルクス主義がかつての栄光を失ったせいか、マルクスが引き継いだとされる弁証法の父、ヘーゲルの声望も落日の感がある。それに比して、カントはその認識論をもって二十世
本文を読むGlobal Headlines: ミャンマー内戦についての欧米の論調
著者: 野上俊明<はじめに> ミャンマーの民主派抵抗勢力を支持する人々にとって、大いに不満を感ずる論考であろう。DW(ドイツ公共放送「ドイツの波」)特派員やインターナショナル・クライシス・グループなど、以前から民主派に対して点が辛かっ
本文を読む【5月25日(土)】第15回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明先の研究会で、出席者の一人から、ヘーゲルの「法哲学」市民社会論の叙述は、プロイセン等ドイツの現実を述べているのか、あるいは理想化した現実・あるべき現実を述べているのか、そのどちらであろうか、という疑問が提出された。これ
本文を読むGlobal Headlines:世界の動き、西と南から
著者: 野上俊明<はじめに> 環境先進国ドイツにおける、原発の廃止=代替エネルギーの開発や生産構造の高度化に向けての国としての努力は、あきらかに日本の先を行く。私の関心にあるまちづくり、都市計画の分野でもドイツはうらやましいほど先進的
本文を読むGlobal Headlines:それでも日本よりましなドイツ
著者: 野上俊明<まえがき> ドイツはGDPで日本を抜いて世界第三位になった。しかし、これは落ち目の程度が日本より少しましである結果にすぎないようである。社民党や緑の党などとの連立政権であるショルツ政府は、内憂外患状態にある。「愚図」
本文を読むミャンマー、軍事政権の弱体化急速に進む ―タイ首相、だれも知っていることと会見で言及
著者: 野上俊明昨年10月に始まった、シャン州コ―カン地区での同胞同盟(三つの少数民族武装組織で構成)による攻勢によって政府軍は大敗北を喫した。次には中国との中継貿易基地であるラショーも包囲され陥落まじかと思われたが、そこで中国が政治
本文を読むGlobal Headlines:ウクライナ戦争のもたらすもの
著者: 野上俊明<はじめに> ゴルバチョフのペレステロイカのはじまる少し前の頃だったろうか、雑誌「世界」にソ連経済はほとんど石油などの天然資源の切り売りで持っている経済で、早晩行き詰まりくるであろうという趣旨の論文を読んだ記憶がある。
本文を読む【4月27日(土)】第14回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明前回に続き、金子武蔵「ヘーゲルの国家観」についての追加的な感想を述べる。この書のテーマは、当然ながらヘーゲルの生涯にわたり国家観、国家論の成立・成熟過程を追跡し、ヘーゲルにおける近代的法治国家の法哲学的な体系構想を明ら
本文を読むGlobal Headlines:ウクライナ戦争とロシア
著者: 野上俊明<はじめに> ウクライナ戦争をめぐっては、リベラル派の内部で見解の不一致が露呈している。これは日本だけの現象にとどまらず、おそらくは西側各国で共通してみられたものと思われる。我々の世代にとって忘れもしない、尊敬すべきベ
本文を読むGlobal Headlines:ドイツにおける反ファシズム運動
著者: 野上俊明<はじめに> 1月に始まった極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」反対デモは、またたくまにドイツ全土に広がった。ベルリン、ミュンヘン、ケルン、フランクフルト、ハンブルク、ミュンヘンなどの主要都市に、また抗議行動は旧
本文を読むGlobal Head Lines:習近平体制の試練
著者: 野上俊明(1) 成長の危機とアイデアの欠如:北京は活路を模索する(ドイツ日刊紙Tageszeitung3/5) ――中国は全国人民代表大会(全人代)を目前に控え、経済問題を含む大きな課題に直面している。習近平国家主席への圧力は
本文を読むGlobal head Lines:気候変動と脱成長論
著者: 野上俊明<はじめに> ウクライナ戦争とガザ・ジェノサイドの様を見ていると、戦争こそ(自然的社会的)環境の最大の破壊者だという思いを強くする。人間の生命を犠牲にすることを厭わない戦争は、当然ながら生態系としての自然、生きとし生け
本文を読む【3月30日(土)】第13回「ヘーゲル研究会」のお知らせ
著者: 野上俊明時空の制約を超えて、現在の我々をなお感動させて止まないものを古典というのなら、80年前「アジア太平洋戦争」最中に刊行された金子武蔵著「ヘーゲルの国家観」は、ヘーゲル研究書の古典中の古典といえるであろう。総力戦という当時
本文を読むGlobal Head Lines:欧米の中国論
著者: 野上俊明<はじめに> 長く東南アジアで暮らしていて、その間日本の出版物に触れる機会はごく限られていた。それで昨年、遅まきながら中国人作家余華のベストセラー小説「兄弟」(文藝春秋2008年)を繙く機会ができた。序破急でいえば、序
本文を読むGlobal Head Lines:ロシアの暗黒政治
著者: 野上俊明はじめに ロシア社会の現状についてはつまびらかではないが、この国の政治文化がツアーリやスターリンの時代とさほど遠くはないことを思わせる、反体制政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄死である。状況証拠からみて、99.99%権
本文を読むミャンマー、国民統一政府NUGと3つの革命グループが共同声明を発表
著者: 野上俊明ミャンマーの軍事政権は、2021年2月1日のクーデタから3年目にあたるこの日、5度目の非常事態宣言の延長を発表した。非常事態宣言を延長した場合でも、憲法の規定では、2023年8月1日までに総選挙を行なわねばならなかった
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