「冬の三十日荒れ」 高い山に雪のおとずれがきかれ、人のはく息も白く、荒涼とした日本海のうえを渡り鳥が北の国から南へやってくる秋十一月も末。陽気な三味線や太鼓、四つ竹で賑わしていた渡り芸人達が「では来年までお達者で」と言葉
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哀愁の漂う小話一つ二つ――「流れ勧進」と「冬の三十日荒れ」に涙して(上)
著者: 石塚正英研究の一環として私が石仏調査のフィールド・ワークを始めたのは、ちょうど昭和から平成にかわった頃であるが、この調査というのは民俗学の手法にならったものであって、農村をはじめ各地の日常生活者に聞き書きをする機会が多くある。ま
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