TPPに反対する国会議員の方が与野党ともにかなり多い

著者: 中田安彦 なかたやすひこ : 評論家
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2011年 10月 26日
アルルの男・ヒロシです。

 TPP推進派と反対派が議論を始めているが、テレビなどでも推進派の近藤洋介衆議院議員(党PT)に対して、反対派の山田正彦前農水大臣が理路整然と反対論を展開している。フジテレビの報道2001ではこのTPPを特集していたが、推進派が話せば話すほど、彼らには自分の頭で理解した論理で推進論を展開できないということが明らかになりつつある。

 こういう国運を左右する問題は国際舞台で議論する前に国内の政策論争をしっかりやっておくべきで、明確な国益を定義した上で、何が必要で何が不要なのかを詳細に議論した上で取り組むべきものである。

 疑問点が多いうえに、すでに交渉入りしているニュージーランドからは多国籍企業重視の「規制調和」の合意文書案なども出ており、ベネフィットよりもリスク・コストが多い交渉であることが明らかになっている。ここは慎重に踏みとどまるのが国益である。

PRELIMINARY ANALYSIS OF THE DRAFT TPP CHAPTER ON DOMESTIC COHERENCE*
http://web.me.com/jane_kelsey/Jane/TPPA_files/JK%20Memo%20on%20Reg%20Coh.pdf

以下のとおりTPPに関してはこれほどの議員が反対している。合計356人。過半数は361である。

(貼り付け開始)

あなたの街の議員はTPP反対?賛成?
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20111025-854714.html
 自民党の「総合農政・貿易調査会」(会長・加藤紘一元幹事長)は25日、党本部で開いた初会合で環太平洋連携協定(TPP)について「国内農業を崩壊へ導く」として参加に反対する決議を採択、谷垣禎一総裁に提出した。

 一方、中川秀直元幹事長や川口順子元外相ら推進派でつくる研究会は27日に賛成の報告書を公表する予定。党は最終的に「外交・経済連携調査会」(会長・高村正彦元外相)でTPPへの対応を決定する方針だが、意見集約が難航するのは必至の情勢だ。

 農政調査会には約30人の党所属議員が出席。「TPPは売国条約だ。体を張ってでも止める」(西田昌司参院議員)、「執行部は反対方針を決めるべきだ」(江藤拓衆院議員)などと反対意見が続出した。

 これを受け「TPP参加は断じて容認できない。国民に開かれた議論が必要で、拙速に結論を出すべきではない」との決議をまとめた。

 また農水関係議員らでつくる「TPP参加の即時撤回を求める会」(会長・森山裕元財務副大臣)も会合を開き、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で野田政権が交渉参加を表明することに反対する緊急決議を採択した。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)が25日公表した環太平洋連携協定(TPP)反対請願の紹介議員は次の通り。

 ▽衆議院

【民主党】相原史乃、赤松広隆、石井章、石関貴史、石田三示、石津政雄、石原洋三郎、石森久嗣、石山敬貴、今井雅人、内山晃、大泉博子、逢坂誠二、太田和美、大谷啓、岡島一正、岡本英子、奥野総一郎、梶原康弘、勝又恒一郎、加藤学、金子健一、川島智太郎、川内博史、川口博、川口浩、川村秀三郎、木内孝胤、菊池長右エ門、京野公子、工藤仁美、熊谷貞俊、黒岩宇洋、黒田雄、桑原功、小泉俊明、古賀敬章、小林興起、小林正枝、小山展弘、斎藤恭紀、坂口岳洋、阪口直人、佐々木隆博、階猛、篠原孝、杉本和巳、瑞慶覧長敏、首藤信彦、空本誠喜、高野守、高橋英行、高松和夫、橘秀徳、田中美絵子、田名部匡代、玉置公良、玉城デニー、玉木雄一郎、中後淳、道休誠一郎、中井洽、永江孝子、中川治、中島政希、中津川博郷、中野渡詔子、仁木博文、野田国義、萩原仁、橋本清仁、橋本勉、畑浩治、樋口俊一、福嶋健一郎、福島伸享、福田衣里子、松野頼久、水野智彦、三宅雪子、宮崎岳志、宮島大典、三輪信昭、村上史好、矢崎公二、谷田川元、柳田和己、山岡達丸、山崎摩耶、山田正彦、山田良司、横山北斗、鷲尾英一郎、和嶋未希、渡辺浩一郎、渡部恒三、渡辺義彦

【自民党】逢沢一郎、赤沢亮正、秋葉賢也、阿部俊子、石田真敏、伊東良孝、稲田朋美、井上信治、今津寛、今村雅弘、岩屋毅、江渡聡徳、江藤拓、遠藤利明、大島理森、大野功統、小里泰弘、小野寺五典、小渕優子、梶山弘志、加藤勝信、加藤紘一、金子一義、金子恭之、金田勝年、河井克行、川崎二郎、河村建夫、北村茂男、北村誠吾、木村太郎、高村正彦、古賀誠、後藤田正純、斎藤健、坂本哲志、佐田玄一郎、佐藤勉、塩崎恭久、柴山昌彦、新藤義孝、菅原一秀、高市早苗、高木毅、竹下亘、武田良太、武部勤、竹本直一、橘慶一郎、田中和徳、棚橋泰文、谷公一、谷川弥一、谷畑孝、田野瀬良太郎、田村憲久、徳田毅、永岡桂子、長島忠美、長勢甚遠、中谷元、二階俊博、西野陽、丹羽秀樹、額賀福志郎、野田聖子、野田毅、馳浩、浜田靖一、林幹雄、平井卓也、福井照、古川禎久、古屋圭司、細田博之、保利耕輔、町村信孝、松野博一、松本純、三ツ矢憲生、宮腰光寛、村上誠一郎、村田吉隆、望月義夫、森英介、森喜朗、森山裕、山口俊一、山本公一、山本幸三、山本拓、山本有二、吉野正芳

 【公明党】石井啓一、石田祝稔、稲津久、井上義久、漆原良夫、江田康幸、遠藤乙彦、大口善徳、斉藤鉄夫、佐藤茂樹、高木美智代、高木陽介、遠山清彦、東順治、古屋範子

【共産党】赤嶺政賢、笠井亮、穀田恵二、佐々木憲昭、志位和夫、塩川鉄也、高橋千鶴子、宮本岳志、吉井英勝

【社民党】阿部知子、重野安正、照屋寛徳、中島隆利、服部良一、吉泉秀男

【国民新党】亀井静香、下地幹郎

【たちあがれ日本】園田博之、平沼赳夫

【新党日本】田中康夫

【新党大地】浅野貴博

【無所属】石川知裕、小泉龍司、中村喜四郎、鳩山邦夫、松木謙公、横粂勝仁

▽参議院

【民主党】植松恵美子、大河原雅子、大久保潔重、小川敏夫、川上義博、川崎稔、小西洋之、小見山幸治、今野東、佐藤公治、高橋千秋、武内則男、田城郁、谷岡郁子、徳永エリ、友近聡朗、外山斎、平山幸司、舟山康江、増子輝彦、松浦大悟、水戸将史、米長晴信

【自民党】愛知治郎、青木一彦、赤石清美、有村治子、石井準一、石井浩郎、石井みどり、礒崎陽輔、磯崎仁彦、猪口邦子、岩井茂樹、岩城光英、上野通子、宇都隆史、衛藤晟一、大家敏志、岡田直樹、岡田広、加治屋義人、片山さつき、金子原二郎、岸宏一、岸信夫、熊谷大、小泉昭男、鴻池祥肇、小坂憲次、佐藤信秋、佐藤正久、佐藤ゆかり、島尻安伊子、末松信介、鈴木政二、関口昌一、世耕弘成、高階恵美子、伊達忠一、谷川秀善、塚田一郎、鶴保庸介、中西祐介、中原八一、西田昌司、二之湯智、野上浩太郎、野村哲郎、橋本聖子、長谷川岳、林芳正、福岡資麿、藤井基之、藤川政人、古川俊治、牧野京夫、松下新平、松村祥史、松村龍二、松山政司、水落敏栄、溝手顕正、宮沢洋一、森雅子、山崎力、山崎正昭、山谷えり子、山田俊男、山本一太、山本順三、吉田博美、義家弘介、若林健太、脇雅史、渡辺猛之

【公明党】秋野公造、加藤修一、木庭健太郎、白浜一良、竹谷とし子、谷合正明、西田実仁、山本博司、横山信一、渡辺孝男

【共産党】市田忠義、井上哲士、大門実紀史、紙智子、田村智子、山下芳生

【社民党】福島瑞穂、又市征治、山内徳信、吉田忠智

【国民新党】亀井亜紀子、森田高

【たちあがれ日本】片山虎之助、藤井孝男

【新党改革】荒井広幸

【無所属】糸数慶子、大江康弘、長谷川大紋

(共同)

 [2011年10月25日21時36分]
(貼りつけ終わり)

参考・全中の反対議員リスト:http://www.zenchu-ja.or.jp/release/pdf/1319543828.pdf

 今の執行部の路線には賛成できないとブログで書いていた、馬淵澄夫前国交大臣や慎重派の小沢一郎民主党元代表、鳩山由紀夫元首相などもおり、野田内閣の主流派である仙谷グループや野田グループ、みんなの党の方が劣勢である。(みんなの党の川田龍平議員はおそらく反対に回るだろう)

  ただ、何が起こるかわからないのがここ数年の日本の政治。油断はならない。交渉参加を閣議決定で強行に決めてしまう可能性もある。党内は前原政調会長がこの反対派の数をどのように受け止めるか。折しも11月上旬にCSISと日経主催の講演会が行われるし、27日はアーミテージが来日する。

 特に自民党の重鎮である森喜朗元首相なども反対派。民主党の統治能力の低下は、官僚からの抵抗や米の妨害という側面もあるが、まともな民主党議員を黙らせて、そういった政治家たちを有力な地位につけたという官僚・米の責任でもある。その根源はやはり小沢一郎に対する国策捜査にあったわけだから、政権交代にたいしてよほど官僚・アメリカが既得権をおかされたくなかったのだと推測できる。

 上の356人+αの政治家たちの中には思惑もあろうが、「松下政経塾の内閣ごっこ」にはもううんざりという点では共通しているのだろう。 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1683:111027〕