カマラ・ハリス副大統領の役割に注目 ―バイデン米新政権
- 2020年 12月 30日
- 評論・紹介・意見
- アメリカカマラ・ハリス坂井定雄
バイデン米新政権のスタートが1月20日に近づいた。
前稿(12月26日)で書いた通り、新政権では重要ポストに、米国政治史上最多の女性が配置された。その女性たちのトップは、もちろんカマラ・ハリス副大統領(56)。
最近報道されたバイデン氏の屋外で行動する姿には、ハリスさんが一歩さがって、同行していることも多い。ハリスさんは、おとなしく後ろに従っているだけ。しかし、高齢(78)のバイデン氏は、自ら行動する場をある程度制限し、副大統領に前面に出てもらう場が増えるだろう。
ハリスさんは、米国のテレビや新聞で見る限り、笑顔の素敵な、知的だが、やさしそうな女性。その怖いまでの職歴の一方で、親しい女性の友人も少なくない。
▼母は1960年に米国に移民したタミール系インド人、カリフォルニア大学大学院で学んだ著名な乳がん研究者。父はジャマイカ系移民で1961年に渡米し、カリフォルニア大学大学院で経済学を学び、後にスタンフォード大学の経済学教授になった。
妹を加え、一家4人は両親が通う大学院があるカリフォルニア州バークレーのアフリカ系住民が多い地域に住んでいた。ハリスさんが7歳の時に両親は離婚、二人は母に育てられた。
ハリスさんは、ワシントンDCのハワード大学で政治学と経済学を専攻。卒業後、カリフォルニア大学ロースクールに学び、法務博士号を取得。1990年にカリフォルニア州の法曹資格を取得した。以後については、その、職歴だけ紹介しようー
1990-98年:カリフォルニア州地方検事補
2003―2008年:サンフランシスコ地方検事
2011年:初の女性・初のインド系としてカリフォルニア州司法長官に就任
2016年:カリフォルニア州民主党大会で、オバマ大統領、バイデン副大統領の支持の下、上院選挙公認候補となり、11月の選挙で当選。
▼副大統領の役割
ウイキぺデイアの「アメリカ合衆国副大統領」から、ごく短く抜粋させてもらうー
大統領の次席
アメリカ合衆国の行政府を代表する第2位の官職
大統領が死亡・辞任・免職などにより欠けた場合は、副大統領が大統領に昇格する。
上院議長
副大統領は上院議長を兼務し、可否同数の場合のみ、議長決済票を投じる。
国家的な儀式としての重要性の高い議長職務は、副大統領自身が務める。
位置付け
副大統領職は創設以来長らく閑職であり、初代副大統領のジョン・アダムズが「人類の作った最も不要な職」と嘆いたほどであった。政府の政策への関与は小さく、ハリー・トルーマンは副大統領から大統領への昇格時に初めて自国の原爆開発プロジェクトの存在を知らされたほどだった。
しかし近年では、行政の肥大化によって過剰になった大統領の職責を分担していく傾向にあり、1993年に就任したアル・ゴアは通信政策や環境政策などを担当した。(了)
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〔opinion10423:201230〕
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