本当に電力危機は来るのか?-実は電気は足りている。
- 2011年 6月 18日
- 時代をみる
- 山崎久隆
自家発電6000万キロワット。
「燃料代で毎月1000円増」は起こらない。
6月21日講演会のお誘い
イ. 何もしなくても、実は電気は足りている。別に今すぐ太陽光や風力が原発を代替する必要などは無い。特に今年夏に向けて急ピッチで建設されているガスタービン発電所は、あっという間に百万キロワット以上を確保できる見通しという。
休止火力の立ち上げも見込めるし、なによりも昨年までは電力会社の設備が余剰だったためコスト高になっていた自家発電全国6000万キロワットがフル稼働するだろう。自社の余剰分を高く東電などに売ろうと、各社は売り込みをかける。これで電気料金が高くなると言っても実際には東電などの火力設備の費用以上には燃料代はならないのだから、消費者にとってはたいした問題では無い。東電の利益が減るだけのこと。
ロ.まんいち、火力の燃料が市場で高騰するというのならば、90日分貯蔵している国家石油備蓄基地を開放すれば良いことで、「燃料代で毎月1000円増」などということは起こさないで済む。日本の石油消費量の増加を見込んだ先物取引市場への投機資金の流入くらいしか懸念材料は無いのだから、こんなものは石油備蓄の開放で解決する。高い石油を見込んだ投機資金は、価格が上がらないとなればすぐに逃げていく。為替介入などよりもずっと簡単だ。この場合にだけ、低価格(もちろん買った価格でということ)で電力会社と自家発電企業に国が売却すれば良い。
ハ.そして、本当に電力が逼迫するというのならば「緊急時調整契約」を発動すれば良いこと。「事前の連絡により、3時間以上継続して契約電力の20%以上または1000kW以上の調整をできる」のだから、何ら問題は無い。そのための需給調整契約なのだから。東電管内でも2003年などに発動したことがある。
東電管内だけで少なくても100万キロワットピークを下げることが出来るという。
ニ.省エネ家電もLED照明も売れている。省エネがビジネスチャンスになった企業もたくさんある。電気が使えなければ経済が冷え込むどころか、新たな課題を前に、それをビジネスチャンスに結びつけようと皆一生懸命考え始めている。一過性では無く、世界への投資となるからだ。一体どんな問題があるというのだろう。悲鳴をあげるように経団連などが騒いでいるが、彼らには巨大資本の上にあぐらをかき、さしたる技術も知恵も無いくせに政財界に大きな力を行使し、既得権益を維持してきたが、これの喪失を恐れているに過ぎない。そんな既得権益を破壊してしまえば、むしろ大多数の企業にとっては遙かに大きなチャンスの到来になるだろう。
ホ.このような実態に、6月21日(火)には迫ります。どうぞお越しください。
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6月21日(火)講演会のお誘い
★山崎久隆さん『今夏の電気は足りている!』
電力不足キャンペーンのカラクリ・ゴマ化しを斬る
原発推進側のデータをもとに説明します。
★横関彩子さん『ふつうの主婦が放射能を測定した』
日時:6月21日(火)19:00~21:00 資料代:1000円
会場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
主催:「スペースたんぽぽ」
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