ミャンマーのクーデタ―に抗議する 世界平和七人委がアピール
- 2021年 2月 9日
- 評論・紹介・意見
- クーデタ―ミャンマー世界平和七人委岩垂 弘
世界平和アピール七人委員会は2月8日、「ミャンマーのクーデターに抗議し、原状回復・民主化促進を求める」と題する緊急アピールを発表した。
アピールは、七人委として、ミャンマー国軍が2月1日にアウンサンスーチー国家顧問、ウィンミン大統領らを拘束し、国家権力を掌握したことを認めることができないとした上で、ミャンマー国軍にすべての拘束者の釈放や報道の自由の保障を、日本政府にはミャンマーの民主化に向けての最大限の努力を、日本企業に対しては国軍系企業との提携をやめるよう求めている。
世界平和アピール七人委は、1955年、ノーベル賞を受賞した物理学者・湯川秀樹らにより、人道主義と平和主義に立つ不偏不党の知識人の集まりとして結成され、国際間の紛争は武力で解決してはならない、を原則に日本国憲法擁護、核兵器禁止、世界平和実現などを目指して内外に向けアピールを発してきた。今回のアピールは145回目。
現在の委員は武者小路公秀(国際政治学者)、大石芳野(写真家)、小沼通二(物理学者)、池内了(宇宙物理学者)、池辺晋一郎(作曲家)、髙村薫(作家)、島薗進(上智大学教授・宗教学)の7氏。
アピールの全文は次の通り。
ミャンマーのクーデタ―に抗議し、原状回復・民主化促進を求める
世界平和アピール七人委員会
ミャンマー国軍は、2月1日朝 アウンサンスーチー国家顧問、ウィンミン大統領らを拘束し、国家権力を掌握したと宣言した。この日は、2020年11月の総選挙で、スーチー氏らが1988年に結成した国民民主同盟(NLD)が大勝し、国軍系の連邦団結発展党(USDP)が大敗したあと初めての国会の召集日だった。
国軍とUSDPは選挙に不正があったとして調査を求めたが、選挙管理委員会は国軍の申し立てを却下した。海外の選挙監視団体も選挙がおおむね公正だったと評価したと報じられている。
私たちは ミャンマー国軍が選挙結果を認めずに大統領、国家顧問たちを拘束し、報道の自由を否定し、報道規制を強化していることを認めることができない。
1 ミャンマー国軍が、すべての拘束者を直ちに無条件で釈放することを求める。
2 ミャンマー国軍は、すべての報道規制を撤廃し、報道の自由を保障すべきである。
3 日本政府は、ミャンマー国軍にミャンマー総選挙結果の尊重と原状回復を求め、ミャンマーの民主化促進に向けて最大限の努力をすべきである。
4 経済支援を進めてきた日本の企業は国軍系の企業と提携している場合、提携先を変更して民主化に貢献すべきである。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
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〔opinion10539:210209〕
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