原発作業員の告白―衝撃的な現場状況
- 2011年 8月 26日
- 時代をみる
- 生方卓
明治大学で「映像・フォトジャーナリストは戦争(構造的暴力を含む)をどのように伝えてきたか」という講座が開かれています。テレビ・写真・映画等の媒体でどれほど真実が伝えられたか、何が伝えられなかったか、何がねつ造されたか、ということを斯界の第一人者たち、とりわけフリーランスのジャーナリストにオムニバス形式で論じてもらう講座です。原発の問題は、とりわけ「原子力村」が支配するマスメディア媒体では、批判的に扱うことがタブー化されており、まさしく構造的暴力の典型として当初から講座の中に組み込まれておりました。そして今年の3月11日がありました。担当した講師の多くが福島に入って取材に取り組みました。放射能の危険に一番さらされたのは原発作業員です。そして近隣住民であり、福島県住民であり、東日本人民であり、そして南は沖縄から北は北海道に至るまで、更には地球全体の全生物に福島原発の放射能は降り注いでおります。
担当講師の一人は綿井健陽氏でした、氏は原発作業員の実態に肉薄し、Tさんのインタビュー映像を流し、スカイプでのインタビューをライブで見せてくれました。Tさんは大熊町で生まれ育ち、東電で働き、東電を愛してきた方です。Tさんは後日、別枠で学生とのスカイプを通しての対話の時間も取ってくださり、われわれは彼のリアルタイムでの意見を知ることができました。驚いたことは、体験と生活の積み重ねによって、Tさんの考え方が少しずつ変わっていくことです。おそらくこれからも新しい立ち位置、考え方に変わっていくのでしょう。綿井さんは徹頭徹尾聞き役に回り、ひたすら耳と目になろうとしているかのようです。私は綿井さんのこの姿勢からも沢山学びたいと思っております。
「事故前、私は超原発推進派でした」~作業員Tさんの思い
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1209
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これまでOurPlanetTVで継続的にお伝えしてきた福島第一原発作業員のTさん。
7月から8月にかけては同原発周辺での「後方支援業務」に携わってきた。
今回のインタビューでは、福島第一原発敷地内で8月に計測された「10シーベルト」という高濃度汚染の問題、政府と東電が発表した工程表の作業内容に対して現場ではどのような反応があるのか、そしてTさん自身の原発に対する考え方の変化と今後についてお話を聞いた。
聞き手:綿井健陽(フリージャーナリスト/JVJA)
収録:2011年8月10日
※Tさんの希望により、音声を変えてあります。
Tさん関連番組
6月21日配信
「現場は戦争」~福島第一原発の作業員Tさんインタビュー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1125
5月6日配信
「福島原発に入って2週間」~原発作業員・続報
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1036
3月26日配信
「明日から入ることになりました」原発作業員・続報
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/942
3月22日配信
「覚悟はしています」福島原発・作業員の証言
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/921
3月19日配信
【福島原発】放射能による内部被ばくへ警告~緊急現地報告
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/912
http://www.youtube.com/watch?v=yEn3Of7149s
*綿井健陽氏の許可を得て転載いたします。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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