SJJA& WPO【西サハラ最新情報】600 国連未来サミットに未来はあるのか?
- 2024年 9月 28日
- 時代をみる
- バイデン国連未来サミット平田伊都子西サハラ
「彼らは地獄を経験している」と バイデン、米大統領は第79回国連総会一般討論で、まず、イスラエルの意向にそった人質問題を取り上げ、続いて、「ガザの無実の民間人も地獄を経験している。人道支援をしている人たちを含む数千人が死亡した」と話しました。
ええ~~!、マジですか?大統領!! イスラエルに殺されたガザ民間人の数は、9月25日で、41,495人に上っているのですよ! 一体、誰が原稿を作ったんですかネ?
バイデンは演説で、自らの「ガザ停戦」案を売り込みながら、裏ではイスラエルに大量の武器と現金を送っているのです。 このでたらめさは、日々殺されていくガザやレバノンの子供たちを思うと、とても受け入れられません!!
① 国連総会が採決した<国連未来サミット>って?:
イスラエルとアメリカによって、第三次世界大戦に巻き込まれようとしている危機に、国連は具体的な強い停戦行動を起こさない。それどころか、ガザとレバノンのジェノサイドから目を逸らさせるように、世界の首脳が集まる国連総会一般討論会のテーマを、<未来サミット>と採決した。刻々と、イスラエルはガザやレバノンに侵攻し、未来の象徴である子供たちを虐殺し続けている。空々しい<未来サミット>~~?イスラエル侵攻を謀議するアメリカと同様に、国連指導者も<共犯者>なのだろうか??
9月23日の国連事務総長定例記者会見で報道官は<未来サミット>について、「総会で決議されたこのテーマは、ハイレベル討論中に話すよう要請されている。:76人の国家元首。4人の副会長。2人の皇太子。42人の政府首脳。9人の副首相。54人の大臣。副大臣1名、その他6名(代表団の議長) の世界のリーダーによる声明で、宣伝される。9月22日、国連事務総長は加盟国に対し、多国間主義を瀬戸際から復活させるために我々はここにいると呼びかけた。一方、安保理は、より機敏な平和構築委員会の基礎を築き、彼らが直面する状況に適した平和活動を根本的に見直すという、約束をしている」と、説明した。
国連事務総長は資金源である、気候変動に関するパリ協定も忘れずに触れた。 さらに、国連事務総長は、世界中の人々が平和、尊厳、繁栄の未来を望んでいるとしたうえで、<国連未来サミット>は、国際協力の道筋を示すものだと、結論付けた。
しかし、イスラエルによるガザとレバノンでのジェノサイドを、国連もICJ国際司法裁判所もICC国政刑事裁判所も、本気で止めようとしない。ICC国政刑事裁判所でネタニヤフの逮捕を目指すカーン主任検察官は、アメリカによる裁判妨害を暴露し、批難した。
9月25日、国連安保理では米仏日が、イスラエルに21日間のレバノン攻撃停止を提案したが、ダノン・イスラエル国連大使は反撥し、翌26日にはカッツ・イスラエル外務大臣が、「勝利するまで戦う」と、正式に安保理の停戦提案を否定した。
第79回国連総会一般討論テーマ「国連未来サミット」のポスター
② 国連総会一般討論で、バイデン米大統領最後のでたらめ演説:
世界のトップが演説を競う一年一回の<国連カラオケ大会>で、<国連未来サミット>なるうたい文句を唱えさせようとする国連事務総長の思惑は外れ、各国代表はアメリカとイスラエルが仕掛けるガザ戦争とレバノン戦争を非難し、国連安保理の不条理を糾弾し、安保理改革を叫んだ。
エルドアン・トルコ大統領は、「国連はここ数年、設立時の使命を果たせず、機能不全に陥っている」と指摘したうえで「国際的な正義を特権的な5か国の意思に委ねるわけにはいかない。その最たる例がガザ地区で350日間続く戦争だ」と述べ、アメリカなどによる拒否権の行使で戦闘を止められない状況を批判した。また、ブラジルのルーラ・ブラジル大統領は、「南米とアフリカの国が常任理事国に入っていないのは植民地時代と変わらず、受け入れがたい」と批判し、シエラレオネのビオ大統領も、「安保理は創設から80年近くたつが、その不均衡な構成は不当で現実にそぐわない」と、常任理事国を現在の5か国から増やすことを求めた。
9月24日、ヒズボラとハマスを支援するペゼシュキアン・イラン大統領は、「この地域や世界に火の粉が拡大する前に、国際社会はできるだけ早く恒久的な停戦を確立し、イスラエルの残虐行為を止めなければならない」と訴えた。イスラエルに対し、「罪のない人たちを殺害したこの数日間の犯罪行為は報いを受けるのが当然だ。その結果責任は悲劇を終わらせようとする国際的な努力に逆らう政府にある」と、アメリカを非難した。
9月25日に国連本部で、20カ国外相会合が開かれ、国連安全保障理事会や国際金融体制の改革に向けた行動を要請する文書を採択した。各国は安保理改革の必要性を訴え、常任理事国の特権である拒否権や常任理事国拡大も討議された。採択文書は地域バランスを考慮して安保理を拡大するよう訴えている。米国や英国はアフリカと中南米の国々、日本とインド、ドイツの常任理事国入りを支持した。
カナダは非常任理事国の拡大の方が<現実的な改革>と主張し、常任理事国の増加と拒否権の付与に反対した。中国の王毅外相は「発展途上国の発言力を強化すべき」と日本の常任理事国入りに反対し、ロシアのラブロフ外相はこの問題に触れなかった。
③ <未来サミット>に背を向け、過去の植民地支配に目を向ける国々:
国連総会一般討論で、複数の国家元首と代表団のリーダーが西サハラ民族自決権に対する自国の強い支持を表明した。
ナンゴロ・ムブンバ・ナミビア大統領は、西サハラの人々が自決権を否定され続けていることは、国連憲章、その目的、原則に対する侮辱であると強調した。彼は、この状況を変えるためにもっと多くのことをするよう促した。
シリル・ラマポーザ南アフリカ大統領は、西サハラ民族自決の実現を強く呼びかけた。モハメド・ウルド・シェイク・エル・ガズアニ・モーリタニア大統領は、西サハラ紛争に対するモーリタニアの確固たる姿勢と、持続可能で広く受け入れられる解決策を見出すための国連の取り組みや、関連するすべての安保理決議への支持を表明した。
フレデリック・マカムレ・シャバ・ジンバブエ外務・国際貿易大臣は、西サハラ民族自決権を支援するという自国の立場をあらためて明言し、口先だけで<民族自決権>を唱える時代は過ぎ去ったと、国際社会を𠮟咤激励した。
イヴァン・ギル・ピント・ベネズエラ外務大臣は、自決権、完全独立、そして自らの運命、領土、資源に対する不可侵の権利を求めて闘っている全ての人々に連帯と支持を表明した後、西サハラの兄弟姉妹の願望が実現される時が間もなく来ると、明言した。
シデイ・オマル西サハラ難民政府国連代表は、国連本部でジャン・ピエール・ラクロワPKO国連平和維持軍トップに会い、西サハラPKOであるMINURSO(国連に西サハラ人民投票監視団)の現状を報告した。1991年に発足したこのPKOは、名前の通り、西サハラ国連人民投票を監視するために創設されたのだが、33年経った今も投票活動をしていない。10月31日にMINURSOの一年期限が切れるのを前に、オマル博士は、西サハラ民族自決権を行使する国連人民投票の早期実現を促した。が、、
ニューヨークに到着したネタニヤフ・イスラエル首相の第一声は、「目的達成までヒズボラを全力で攻撃する」と、安保理停戦案の拒否でした。
そして、日本時間27日夕刻の国連総会一般討論で、シオニスト・イスラエル首相は、「国連総会も国連安保理もICC(国際刑事裁判所)も、アンチシオニズム一色だ」と、こき下ろし、「We are willing!我々は勝ちつつある、、それ以外の道はない!、「Be strong!強くあれ!!」と、イスラエル人を叱咤し、ガザ・レバノン・ジェノサイド続行を叫びました。
シオニスト・イスラエル首相のパフォーマンスは、第79回国連総会一般討論の中でダントツに迫力がありました、、まるで、ナチのヒットラーでした。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年9月28日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5771:240928〕
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