【大憤怒!】続々報・山下俊一への「朝日がん大賞」を撤回させよう!
- 2011年 9月 24日
- 時代をみる
- 「朝日がん大賞」山下俊一杉原浩司
東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)です。
山下俊一への「朝日がん(にさせる)大賞」撤回要求の続々報です。本当はもっと以前に投稿する予定でしたが、所用にかまけて、遅くなってしまいました。
やや長いので、お時間のある時にでもご一読いただけるとありがたいです。
なお、昨日9月23日(金)付の朝日新聞朝刊の教育面「大学サバイバル 国立編」に長崎大学が取り上げられ、山下俊一を「朝日がん大賞」に推薦した片峰茂学長のインタビューが掲載されています。彼はその中で「(3月)15日には(大学)病院の国際ヒバクシャ医療センターのチームが福島で活動を始め、被曝医療の山下俊一教授が7月に福島県立医大の副学長になった。福島との連携は今後も続ける」「チェルノブイリで原発事故後の放射線の影響のデータを集め、世界保健機関(WHO)や国際原子力機関(IAEA)とも連携してきた蓄積が生きた。現場に強い、危機に強い、行動する、という大学の特長が発揮された」と誇らしげに語っています。要するに、山下俊一を「一貫して科学的に正しい発言をしている」(後掲資料を参照)と強く擁護する片峰学長の事実上のPR記事になっています。またしても朝日は、被曝の強要に加担したと言えるでしょう。同時に、長崎大学の被曝強要責任も問われなければいけません。
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9月5日(月)夕方、朝日新聞科学医療グループと日本対がん協会に電話して、山下俊一への「朝日がん大賞」授賞に関し問いただしました。その後、6日(火)夕方に改めてそれぞれに電話しました。以下は応答の概要です。
◆朝日新聞・科学医療グループ(TEL 03-5541-8631)
<上田俊英エディター(部長)が「朝日がん大賞」の選考委員!>
[9月5日]
【私】上田俊英さんとお話したい。
【辻(科学医療グループ)】あいにく帰社した。その件は「お客様オフィス」に伝えてほしいとしか言えない。
【私】せめて上田さんがいつから選考委員をしているか、他の選考委員は誰かという事実関係だけでも教えてほしい。
【辻】私は今事実関係を把握していない。
【私】本当は授賞に対する上田さん自身の見解も聞きたいが、少なくとも今伝えた2点を確認して、明日また電話した際に回答してほしい。
【辻】伝えておきます。
[9月6日]
【私】辻さんはおられないか。
【かつうら(科学医療グループ)】お客様オフィスにつなぎます。
【私】昨日辻さんにご返事をうかがうよう確認している。
【かつうら】回答は全部お客様オフィスにつなぐことになっている。
【私】2点の質問に対する回答をもらう約束をした。回答内容がどうあれ、辻さんに直接対応してほしい。
【かつうら】辻がそういう話をしたか私は知らない。(以下、延々と不毛な対応)
【私】辻さんが戻られたら私までご連絡をお願いしたい。
【かつうら】伝えます。
※現在に至るまで、電話なし。説明責任などどこ吹く風のひどい対応です。
◆日本対がん協会(TEL 03-5218-4771)
[9月5日]
【私】先日何度かお電話とファックスで山下俊一への「朝日がん大賞」授賞について尋ね、折り返しの回答を依頼したが、連絡がない。
【合志(ごうし/協会賞・朝日がん大賞や厚労省の委託業務の事務方)】今回の授賞の主要な理由は、被爆二世として被爆地長崎の長崎大学で被爆者の臨床や甲状腺がんの諸研究をされてきたことと、91年からチェルノブイリ事故の現地で子どもたちの臨床などをされ、甲状腺がんを科学的に明らかにされたこと。選考委員会としては、長崎での原爆医療とチェルノブイリでの実績をもとに、低線量の慢性被ばくのリスク評価に関して、今後どのような結果になるのかを調査・研究されていくことを注視していくことになったが、主たる授賞理由は被爆地長崎での研究とチェルノブイリでの調査研究が評価されたということ。
【私】ただ、協会のホームページを見ると授賞理由で福島での県民健康調査についてもふれられているが。
【合志】推薦と選考理由はあくまでも長崎とチェルノブイリの調査・研究。
【私】推薦理由の文書は見られないのか。
【合志】内部文書であり見られない。
【私】協会ホームページや朝日新聞の記事にも、長崎とチェルノブイリを踏まえて現在は福島での健康調査に携わっていると書かれていて、彼自身が朝日の「ひと」欄で「福島で力を尽くしたい」とコメントしている。朝日の読者のほとんどが、福島での活動も含めた授賞だと受け止めている。先ほど授賞理由の説明の最後に話された、山下による低線量被ばくのリスク評価(注:「年100ミリシーベルト以下なら大丈夫」)に関して、福島の少なからぬ人々が怒っている。チェルノブイリ事故時には強制避難や避難の権利区域となったような高濃度汚染地域で、今なお子どもを含む多くの人々が暮らし、被ばくを強いられている。その大きな要因の一つが山下の言動だ。それは、予防原則や「がん予防」とはまったく逆ではないか。今回の授賞は賞が本来持っている意義を裏切る形で与えられている。あなたはどう考えるか。
【合志】賞は過去の研究結果のみに対して与えている。個人として見解を表明するのはさし控えたい。原発事故や東日本大震災の被災者にはお見舞いを申し上げるしかない。
【私】選考委員に関してはホームページ等にはあがっていないのか。
【合志】去年の分はあがっているはずと思うが、今回の分は現時点では公表できない。
【私】出せない理由は何か。褒め称える賞なのだから、むしろ堂々と選考委員を明らかにするのが自然ではないか。
【私】朝日のカンムリの意味を具体的に教えてほしい。
【合志】21世紀を迎えてがん大賞を作った際に朝日の協力を得た。朝日が選考に関わっているわけではない。
【私】朝日の科学医療グループのエディター(上田俊英)が選考委員に入っているのはなぜか。
【合志】朝日に協力していただいているので入っている。
【私】選考委員の人数は何人か。
【合志】授賞は選考委員の総意で決めた。人数は教えられない。
【私】朝日の資金援助の中身を具体的に教えてほしい。
【合志】寄付をいただいている。金額は協会としては公開していない(注:後日に「協会ホームページで公表している」と回答あり)。
【私】なぜ公開していないのか。
【合志】積極的には公開していない。
【私】選考委員の人数と名前、朝日による寄付の金額について情報を明らかにするよう、教会にはかってほしい。明日改めて電話するので、回答を求めたい。
【合志】伝えて検討させていただく。
[9月6日](合志さんよりTELあり)
【合志】公益財団法人として求められるもの、必要とされるものは原則公開する。寄付の金額は協会のホームページで公開している。
[注]
ホームページでは07年度の寄付が公開されているものの、それ以降のものは見当たらない。http://www.jcancer.jp/endowment/kifu/kifupaper07.pdf
また、「寄付をされた主な法人」(あ行)
http://www.jcancer.jp/endowment/houjin/index.html#01a を見ると、朝日新聞、朝日広告社、朝日サポートセンター、朝日新聞出版社、朝日新聞総合サービス、週刊朝日編集部など朝日系の法人がずらりと名を連ねている。
【合志】選考委員は会長を含めて7人。名前については現時点での公表は差し控えている。先年度もこの時点ではオープンにしていない。通例では、次回の大賞募集の際に公表していると思う。いずれ、必要とされるものについては順次公表していく。
【私】通例というのが未公表の理由ならば、今回については公表を前倒しして、1週間ないしは10日後くらいには公表してほしい。この要望をきちんと伝えてほしい。要望される先は具体的に協会のどこになるのか。
【合志】広報を含めて協会の中に報告します。
【私】報告の結果を教えていただくのはいつになるのか。
【合志】当面会議が重なっていて忙しいので、今月半ば以降にお電話する。
[15日頃](合志さんよりTELあり)
【合志】いつになるかは未定だが、選考委員の名前は必ず公開する。
★今後も可能な方法で情報公開を求め、責任追及を続けたいと思います。対がん協会や朝日新聞は、私たちの怒りが薄れ、諦めるのを見越していま
す。ぜひできることを粘り強く続けていきましょう。
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<資料>
【長崎大学ホームページ】
◆山下俊一教授が朝日がん大賞を受賞:山下俊一教授のコメント(9月2日)
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/info/news/news743.html
<山下俊一教授のコメント>
第11回朝日がん大賞を受賞して
片峰茂学長のご推薦、ならびに日本対がん協会賞選考委員会の各位に、心より感謝とお礼を申し上げます。
受賞の理由は、『チェルノブイリにおける調査研究』の業績ですが、これは長崎大学ならびに教室員のみならず、旧ソ連の共同研究者をはじめ多くの協力者のお蔭であり、私が代表して「放射線と発がん」の分野で受賞したものです。更に、東京電力福島第一原発事故後の県民健康管理調査事業の円滑な推進が期待されています。微力ですが、低線量被ばくの健康リスク解明と同時に、新たな放射線医療科学の世界拠点づくりに、長崎と福島の関係を強固にすべく、更なる努力を重ねる所存です。特に、被ばく者の健康見守り事業を国内外でも種々展開し、国際機関と協力しながら、本分野における人材育成に努める所存です。
福島の再生・復興に向け、地域対応と国際化対応にも関係各位と協力しながら尽力しますので、引き続きのご支援とご協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
長崎大学教授
福島県立医科大学副学長
山下 俊一
◆福島県における放射線健康リスク管理活動について
(片峰茂・長崎大学学長メッセージ、6月23日)
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/message/katamine/message97.html
「福島県に赴き、現場が抱える問題に直接接しながら、専門家として福島の原発事故による健康影響について一貫して科学的に正しい発言をしているのが山下教授であると、私は思っています」(長崎大学長 片峰茂)
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<参考:ぜひご一読ください>
【報告】「鹿児島市での山下授与式抗議アクション 報告」
(脱原発の日のブログ:9月3日)
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11006533402.html
※15人で1000枚のチラシを配布されたそうです。
【弱い文明】(9月2日)
山下俊一「朝日がん大賞」に抗議を
http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/ddf644f5730ee031114cb64dc4649c5b
【日刊ゲンダイ】(9月3日)
朝日新聞「ひと」欄また問題人物登場~トンデモ教授に「朝日がん大賞」は驚愕
http://gendai.net/articles/view/syakai/132462
【重要資料】IAEA-WHO協定(1959年)仮訳(真下俊樹さん)
http://2011shinsai.info/node/722
※山下俊一もかつて専門科学官として派遣されていた世界保健機関(WHO)は、原子力の「平和利用」を推進している国際原子力機関(IAEA)との緊密な協力を約束する協定を1959年に結んでいた!
◆抗議・要請先はこちらもご参照ください!
【怒!】山下俊一への「朝日がん大賞」を撤回させよう!(9月1日)
http://2011shinsai.info/node/716
【憤怒!】続報・山下俊一への「朝日がん大賞」を撤回させよう!(9月2日)
http://2011shinsai.info/node/721
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1630:110924〕
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