小出先生、被曝線量基準緩和について「身勝手な国だ…」
- 2011年 10月 6日
- 交流の広場
- 原発事故小出裕章松元保昭被曝線量基準
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」、10月4日分と5日分をあわせて転送させていただきます。
両日とも、福島の子どもの甲状腺異常が話題になっています。
被曝線量基準緩和?…国家は犯罪をひろげています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====以下、4日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。
原発関係のニュース、玄海原発4号機で復水器に異常があり停止、放射能漏れ話です。通常、内部は真空なのに、この度合いに異常があり、タービン停止になりました。バルブの点検を10分前に開始し、それとの関係を調べています。玄海は4基あり、2,3号機は再稼働停止です。
福島の子供10人甲状腺に異常です。日本チェルノブイリ基金ほかの調査で、福島から避難した0~16歳の子供130人の検査をして、一人は甲状腺ホルモンが基準を下回り、合計10人に甲状腺の異常で、原発事故との関係は不明、長期的な経過監視が必要で、2人は被曝の可能性があります。
原発シンポジウムで、やらせをやった6人を経産省は処分しました。しかし、やらせの本人は戒告で済んでいます。これは、大甘の処分で、本来免職に値し、上に軽く下に重い処分なのです。こんな小手先の処分ではだめなのです。
それで、小出先生の原発事故解説、リスナーの質問で、玄海原発の停止について、復水器の故障について、正確な情報がないが、加圧水型で、復水器は2次系(放射能を含まない水)、タービンの蒸気を水に戻すもので、3次系(海水)で水に戻すのです。なぜ2次系があるかは、沸騰水型は東電が使い、1次系(炉心を冷やす水)が直接タービンを回し、放射能の水が回すので保守管理が大変であり、加圧水型は、放射能を含まない水でタービンを回す(装置は複雑だが、保守管理は楽)ところでトラブル、放射能の心配はないと思うが、原子炉は1~3次系全部順調でないと大変であるのです。
トラブルの時に、原子炉は自動停止すると思っていたのですが、停止したらリスクがないのではない、福島も停止しても崩壊熱が出て、それを冷やせないと壊れる、玄海は復水器で、電気はあり、ポンプも動くので、原子炉は冷やせて大丈夫であったのです。
トラブルに敏感になり、しかし、それまでは気に留めなかった、こうしないといけない、国も、電力会社も事故を小さく見せようとするので、我々が気に留めてチェックするのは必須なのです。
電力会社は事故と言う言葉を使わず、トラブルと言うのですが、政府も、福島の事故で、建屋が吹き飛んでも「事象」といい、小出先生笑われて、困ったことなのです。
子供たちの問題、健康調査で、甲状腺に変化のある子供がいて、これについて、放射能が漏れて、ヨウ素があり、甲状腺を被曝させる、これがどの時点でどれだけ漏れたか計算するためのプログラムがSPEEDIであり、開発者は計算したものの、その結果は政府が秘密にして、半月後公表、広範な範囲で子供が被曝しており、本来ならヨウ素剤を飲ませないといけなかった、この結果、実態が明らかになったのです。
水野さん、10年たってわかるかと思っていたのですが、小出先生、5年後に甲状腺がんが出る(チェルノブイリもそう)と思われ、甲状腺がんの前触れを調べたわけです。福島だけでなく、他の地域にも放射能が飛んでおり、福島だけでなく、もっと広範な調査が必要だが、膨大な数の子供を調査しないといけない、福島から東京の一部まで管理区域にしないといけない汚染であり、子供だけで膨大だが、やらないといけないのです。
避難準備区域の小中学校再開なのですが、2時間でも子供を出すべきではないかと平野さんが問うと、ここでは、20ミリシーベルト/年にならないところだが、小出先生納得できない、子供は逃がしてほしいが、それも難しい、政治がきっちり対応すべきなのです。
今日も、小出先生のお話をお知らせいたしました。
=====以下、5日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。
原発関係のニュース、被曝線量基準を検討している委員会が、年間1ミリシーベルト達成は当面困難と判断していることが分かったのです。基準を緩和して、年間1~20ミリの中間を認めることを決めました。つまり、結果が2ミリか、19ミリかはわからないのです。日本では緊急時の対策がなく、しかし国民の健康を無視しているのです。近藤さん、数字の出し方でがん患者の数が変わると批判していました。
南相馬市の緊急時区域が解除され、学校が再開されますが、子供は16人しか戻っていません。放射能の不安や、仮設の位置などの問題で帰っていない(学校は12校、5校は本来の校舎なのですが、2200人のうち、1000人以上避難であり、戻るのは16人しかいないのです。)
そして、小出裕章先生の原発事故解説、先の住民の被曝線量基準緩和(放射線審議会基本部会)について、年間1ミリシーベルトを変えることについて、小出先生、ため息をついて「あきれた」、福島は1ミリを守るなら膨大な土地を放棄しないといけない、現実の中で国が国民に被曝を強制しているのです。広大な土地を捨てないといけないと小出先生事故から言っておられ、しかし年間1ミリを守らないのは法治国家でないと言ってきたのに、法律を守れないので、法律を変えてしまう、それが法治国家のやることか、身勝手な国だと言う所感です。
もし、20ミリを限度にしたら、被曝時のリスクについて、アメリカのゴフマンさんの評価をいいと思い、1ミリだと、1万人被曝で4人ががんで死ぬ、20ミリなら、80人がんで死ぬ、0歳の子供は大人より4倍危険であり、0歳児なら320人死ぬのです。小出先生、子供には事故の責任はない、何としても子供を守りたい、こんながんでの死を容認できないのです。
近藤さん、科学ではなく政治の世界であり、科学者の云々ではないレベルの話とのことです。しかし、政治は国民を守るのが責務であり、おかしいのです。水野さん、経済的な問題と疑っておられて、除染をする際に、当初5ミリ以上を除染するとして、福島も反発し、細野大臣が1ミリから除染すると言うものの、これが吹き飛ぶのではないかであり、小出先生、除染はいらないと言い出す可能性があるとの判断で、1ミリまで除染すると多額の金がかかる、福島ではどんなに除染しても1ミリを守れないところがあるのです。
近藤さん、原発では政治と経済が一体化し、国策である、原発をどう守るかに政治がなっているとの指摘がありました。しかし、将来の子供たちのリスクが大きくなるのです。
プルトニウム検出で、核実験のものと政府が言っていて、これも、近藤さんひどい理屈であり、核実験のものでリスクがなくなるのではないのです。
水野さん、1ミリ見直しがショックで、小出先生、これだけのリスクしか与えないと決めたのに、事故を起こして責任のある国家が法律を変えることに、国民がこんなことを許していいのか、原子力を許していいのか、なのです。
民主党、前原氏が政調会長でこの人がウンと言わないと進まない、エネルギー政策見直しの座長が大畑氏、経産省、日立出身で原発推進の人であり、これについて小出先生、前原氏は原発推進で、前原氏の意向で推進する、松下政経塾出身、幸之助氏が泣いていると小出先生コメントされました。
本日のお話は以上です、これを、お伝えいたしました。
(以上、転送終わり)
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。