「福島第一2号機で再臨界の可能性」など 地震と原発事故情報 その219
- 2011年 11月 2日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
5つの情報をお知らせします(11月2日)
◇ 日本の脱原発度は82%。(2011年10月現在)、日本の原発・全54基のう
ち、現在44基が地震故障や定期検査で(82%)が停止、稼働しているのは
10基(18%)のみ。今後、再稼働を防げれば、2012年春頃には全原発停止
が実現する。電気はだいじょうぶ。
★1.福島第一2号機で再臨界の可能性
緊急時避難準備区域も含めて、安全のために退避すべき事態
★2.2号機 局所臨界か
福島第一 キセノン?検出
★3.テントひろば日記 「恕(じょ)福島」から
10/31(月)【原発いらない女たち 2日目】
【経産省テントひろば51日目】
★4.メルマガ読者からの講演・デモのお知らせ
レイバーネットTV第22号は特集「福島の女たちのたたかい」
★5.セシウム「放出量 推計の3倍」
福島第一 欧州チーム指摘、検証へ
セシウムの海洋流出量
「東電発表の20倍」
★1.福島第一2号機で再臨界の可能性
緊急時避難準備区域も含めて、安全のために退避すべき事態
○11月2日、東電が2号機の建屋内の気体を分析した結果、キセノン133
と135を検出した「可能性がある」との発表をした。との報道が一斉に流れ
た。東電は既に核分裂反応を抑えるホウ酸水を冷却水に混ぜて投入しており、
かなりの確度で再臨界が起きているものと思われる。
○ところが報道はほとんどベタ記事、再臨界という言葉も使っていない。核分
裂が起きたことは間違いなさそうなのだが、それが連鎖的に継続する臨界状態
にあるかどうかは、判断不能ということらしい。
○再臨界で爆発的に放射性物質が拡散する可能性は低いと思われるが、このよ
うに制御不能な状態で溶融燃料が臨界状態になるとしたら、到底接近など出来
ないし、遮蔽の無い状態で臨界に達し、そこからの中性子線に被曝すればJC
O臨界事故と同じ重大被曝事故を引き起こす。そんな場所に入っての作業など
出来ない。さらに2号機は格納容器が破壊されているため、1、3号機よりも
遮蔽、密閉性が損なわれており、条件が悪い。放射性物質は容易に外に出てし
まう。再臨界を引き起こす可能性が7ヶ月以上たった今でも依然として残って
いることが、今回の原発災害の深刻さを表している。
○周辺住民の帰還どころか、緊急時避難準備区域も含めて、安全のために退避
すべき事態であろう。
★2.2号機 局所臨界か
福島第一 キセノン?検出「1・3号機でも可能性」
○福島第一原発の事故で東京電力は二日、最新の計測データから2号機で核分
裂が連続する「臨界」が局所的に起きた可能性が高いと発表した。核分裂を抑
えるホウ酸水を2号機の原子炉格納容器に注水した。(略)
○一日に採取した格納容器内の気体から、微量の放射性キセノン133と同1
35とみられる核種が検出された。どちらにも自然界には存在せず、核分裂に
伴って生成されるため、臨界状態の証拠とされる。(略)
○臨界状態になるのは一定量のウラン燃料とウラン燃料の間に、反応を維持す
る役割を果たす水が入っているときだ。京都大原子炉実験所の山本俊弘准教授
(原子炉物理)は「核燃料ペレットが崩れ落ちて固まっているような場所があ
れば、ペレットの隙間に水が入って臨界の条件がそろうことも考えられる」と
指摘する。(略)
○京大原子炉実験所の三沢毅教授は「炉内で燃料がどんな形状になっているの
か分からないので(臨界の)原因が分かりにくい。1号機や3号機でも起こり
得る。それが心配だ」と話す。(略)
東京新聞11月2日夕刊より抜粋
★3.テントひろば日記 「恕(じょ)福島」から
10/31(月)【原発いらない女たち 2日目】
【経産省テントひろば51日目】
蔵屋敷 有紀
原発いらない福島の女たち」に「原発いらない全国の女たち」が続いた。
最近、福島みずほさんが、経産省前テントひろばの風景に溶け込んでいる。
山本太郎さん、温川れい子さん達、著名人の方々も激励にいらして、原発いら
ない!と経産省前に集まった面々は大きな一体感と共にある。日曜の朝9時か
ら開始された座り込みは、「デモはちょっと」と言う方も「座っているだけな
ら」と参加してくださり、編み物や縫い物をしながらおしゃべりをして始終和
やかな雰囲気でした。27日からたくさんのお差し入れがあり、特に甘いもの
は食べきれず、ダンボールに入れて誰でもつまめるようにしましたが、今もお
店が開けそうです。しょっぱいものが食べたくなり、また、栄養を考えると糖
質の大量摂取は控えるべきであり、お手製のから揚げをいただいた際には、た
いへんありがたかったです。
31日を時間の経過と共に振り返ってみよう。座り込みは09:00から開始さ
れた。「原発いらない全国の女たち」は昼時に出入りする役人に狙いを定めて
ランチタイムアピールをした。経済産業省は別館が飲食店街に近いため、11:
30に移動してトラメガで声を上げるのだ。チラシを受け取ってくれるひと、少
数の、応援の言葉を返してくれるひと、無視して足早に過ぎるほとんどのひ
と、反応はさまざまだが、訴えることを諦めてはならない。
夕方は官邸前で開催される日本とベトナムの首脳会談に合わせて、原発輸出
反対のアピールをしました。女性を中心に50人ほど集まり、官邸前の交差点
に横断幕を持って抗議活動。日本語で「原発反対!」と声を上げた後、同じく
ベトナム語で「「ファンドイハッニャン!」と続けたのは、18:00頃、通過し
たベトナム首相に聞こえたでしょうか。制服の警察官が10名ほど立会い、私
服の公安のひとびともいて随分警戒されているなと感じるものの、帰宅中の通
行人はあっけないほど無関心に見えました。翌11月1日の東京新聞には写真
付きの記事がありました。しかし撮影していたNHKは映像を仕舞い込んだよ
うです。私たち「原発いらない!」側が感じている放射能汚染に対する危機感
と、感じていないようにみえる世の中の多くのひとびとの意識の格差を、どう
したら小さく出来るのか。放射能は危険であり、現実の危険を認めない姿勢は
未来を失うと、わかって欲しい。「原発いらない福島の女たち」の座り込みと
デモで掲げられたのぼりに大きく「恕」とあった。自他への愛と尊重とともに
ありたい。「北風と太陽」の北風ではダメだ。攻撃するのではなく、歩み寄
り、ことばをつくそう。怒りに酔うのではなく、怒りを原動力にして、社会を
変えたい。過去と他人は変えられない。自分は変わる。自分が変われば周囲も
変わる。一人ひとりが変われば、やがて社会が変わる。死ぬ前に後悔しないよ
うに、息抜きしながら、粘り強く「原発いらない!」を貫きたい。
経産省前のテントは全ての原発が廃炉になるまで在り続けます。お差し入れ
は 郵便番号100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 経済産業省気付 テント
まで
★4.メルマガ読者からの講演・デモのお知らせ
レイバーネットTV第22号は特集「福島の女たちのたたかい」
感動的だった経産省前の福島の女たちの3日間座りこみ行動。11月3日の
レイバーネットTVでは、佐藤幸子さん、佐々木慶子さんを福島からお招き
し、いま一番訴えたいことを存分に語っていただきます。
日時 2011年11月3日(木曜日) 20:00~21:30
*特集は20時20分~21時10分の予定。
視聴アドレス http://www.labornetjp.org/tv
配信スタジオ バンブー(地下鉄「新宿三丁目」駅近く)
キャスター 松元ちえ 土屋トカチ
【特集:福島の女たちのたたかい】20.20ごろから
ゲスト=佐藤幸子・佐々木慶子(経産省前座りこみ呼びかけ人)
福島から100名以上、県外から連日500名以上の女性たちが参加し、
「子どもを守れ」「原発を停止しろ」と経済産業省に訴えた。女たちの怒りと
願いと訴えを届けます。
【原発御用大賞】
いよいよ原発御用大賞コンテストの候補者発表。視聴者から集められた御用
候補の投票がはじまります。
関連ブログ http://goyotaisyo.exblog.jp/
連 絡 先 レイバーネットTV 090-9975-0848(松元)
★5.セシウム「放出量 推計の3倍」
福島第一 欧州チーム指摘、検証へ
セシウムの海洋流出量
「東電発表の20倍」
セシウム「放出量 推計の3倍」
福島第一 欧州チーム指摘、検証へ
【ワシントン=共同】東京電力福島第一原発事故に伴う放射性セシウムの放出
量は、日本の原子力安全委員会による推計の3倍近くに達し、チェルノブイリ
原発事故の4割を超すとの論文をノルウェーの研究者らが27日までにまとめ
た。大気物理学の専門誌に投稿され、結果が妥当かどうか専門家らが検証して
いる。
研究チームは、日本国内のデータや、核実験を監視するために世界中に設置
された観測網を利用し、事故発生から4月20日までに大気中に放出された
セシウム137は約3万6千テラベクレル(テラは1兆)と推計。原子力安全
委員会は8月、全ての放射性物質57万テラベクレルのうち約1万1千テラベ
クレルをセシウム137が占めると推計しており、これを大幅に上回った。チ
ェルノブイリの放出量は8万5千テラベクレル。
放出量の19%が国内に、残りの大部分は海に落ちたとみている。また、日
本政府の見方とは異なり、4号機の使用済み燃料プールから大量の放射性物質
が漏れたとの見解を示した。その理由として、4号機に放水を始めた直後か
ら、放射性物質の量が大幅に減ったことを挙げた。
同原発を津波が襲う前から、放射性キセノンが漏れていた証拠があると強
調。地震の揺れで原発の放射性物質を閉じ込める機能が壊れた可能性を指摘し
た。
東京新聞10月28日夕刊より抜粋
セシウムの海洋流出量
「東電発表の20倍」
【パリ=時事】フランス政府系の放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は
27日、東京電力福島第一原発事故後の3月21日から7月半ばまでに海に流
出した放射性セシウム137の総量は2.71京ベクレル(1京は1兆の1万
倍)で、東京電力が6月に発表した推計値の20倍に達すると推定した調査報
告書を公表した。
単独の事故によるものとしては過去最大規模という。このうち82%は事故
が起きた原子炉を冷やすための放水によって4月8日までに流れ出たとされ
る。
福島原発付近の海水のセシウム濃度は、3月末から4月上旬に1リットル当
たり数万ベクレルに達したが、4月11日から減少し始め、7月半ばには検知
限度の1リットル当たり5ベクレルを下回った。
報告書は、海流で放射能濃度が薄まることを考慮し、沿岸部での測定結果か
ら、今年秋以降には海洋生物への影響が小さくなると予想。ただ、沿岸部は汚
染された土壌を通過して放射性物質が海に流れ込むため、海水の汚染が続く可
能性があると警告した。
東京新聞10月28日夕刊より抜粋
───────────────────────────────
[たんぽぽ舎 編集部より]
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字
以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び内容
をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
尚、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の都合上
全てを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
───────────────────────────────
◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。
◆電子メール(Eメール)送ります
たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。
ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を
「メルマガ希望」として送ってください。
登録できしだい発信致します(無料)。
たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net
◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。
───────────────────────────────
たんぽぽ舎 たんぽぽ舎は、月曜~土曜-
13:00~20:00のオープンです。
日曜・休日は、お休みです。
〒101-0061
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
HP http://www.tanpoposya.net/
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。