“「利益相反」3教授への追及の場へと転化した「第6回ストレステスト聴聞会」”など―地震と原発事故情報 その297
- 2012年 1月 16日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
5つの情報をお知らせします(1月16日)
1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北電1基、
中電1基のの計5基、全原発停止へあと一歩
★1.保安院によるストレステストの「妥当」判断を許すな!!
「利益相反」3委員の即時辞任せよ!
18日の聴聞会に集まり、傍聴者排除による「ストレステスト」の幕引
きを許さない声を挙げよう!
★2.「利益相反」3教授への追及の場へと転化した
「第6回 ストレステスト聴聞会」
「保安院は事業者の報告を追認しているだけ」
★3.<テント日誌 1/13(金)>
あらゆる建築物と同様の扱いに。火元責任者の明示
―― 経産省前テントひろば 125日目 ――
★4.メルマガ読者から講演会、集会のご案内
◆松井栄介さん講演会「見えない恐怖、放射能内部被爆」
★5.新聞・雑誌から
◆ストレステスト安全評価 大飯2基、「妥当」判断へ
保安院 再稼働は見通せず
★1.保安院によるストレステストの「妥当」判断を許すな!!
「利益相反」3委員の即時辞任せよ!
18日の聴聞会に集まり、傍聴者排除による「ストレステスト」の幕引きを許さない声を挙げよう!
(「ちきゅう座」では、http://chikyuza.net/archives/18488 に掲載しました。)
★2.「利益相反」3教授への追及の場へと転化した
「第6回 ストレステスト聴聞会」
「保安院は事業者の報告を追認しているだけ」
糸色のぞむ
本日1月6日、通産省本館地下1階で「第6回 発電用原子炉施設の安全に関する総合評価に係る意見聴聞会(以下、『ストレステスト聴聞会』と略)」が開かれた。
聴聞会に先立ち、福島事故緊急会議を先頭として本館正門において「三菱重工から献金をもらった人が『三菱重工原発』を審査する???岡本、阿部、山口の「利益相反」3教授はストレステスト委員を辞任せよ!」と題したビラを経産省職員をはじめ、朝の霞が関の通勤途中の配る。聴聞会開始の時間に合わせ聴聞会に参加した我々は会場内においてもビラを配り、会場内はいよいよ熱気を帯びる。聴聞会開始に先立って、「不規則発言者は即退場」と前回の聴聞会で会場から浴びせられた正当な批判を封じるアナウンス。
9時ちょうどに聴聞会が開始。配布された資料を見ると、前回(第5回)の聴聞会の議事進行を教訓としたのか、あろうことに前回から継続議題となっている「ストレステストの審査の進め方について」の論議を議題の最後にもってきた。前回の聴聞会で井野・後藤料委員から、議事進行役をどの委員の了承も無しに勝手に、しかも恣意的に進める岡本委員による聴聞会運営の在り方のみならず、そもそもシュミレーションのみに頼るストレステストの在り方そのものが、国民から託された「発電用原子炉施設の安全に関する総合評価」とは程遠く、福島事故における事故原因の技術的知見に踏まえて行われるべきだ、という正当な意見に対して、保安院はそれは「他の聴聞会で行われている」ということを唯一の根拠とし、事故原因を全て細分・分断化した上で、総合的な評価を行わさせないという態度で臨んできている。そうした保安院の運営に異を唱える委員の発言を封じるために、保安院は前回継続論議を約束したにも関わらず、時間配分もあやふやなまま「ストレステストの審査の進め方について」の論議を最後の議題としてきたのだ。
第1議題である関電大飯原発3、4号機の只々業者の提出したレポートを読み上げる事を以って保安院の「評価」とする茶番に続き、同様に第2議題である北電泊1、2号機の「一時評価」の意見聴聞が繰り返される。なんら本質的な評価基準が指示されない中で行われるトリビアルな無意味なレポートの読みあげに、一体どのような意見の聴取を行えるというのか?しかも、保安院からは既に業者のレポートに対して、判を叩いた様に「問題ないことを確認した」と評価を下している。これが儀式でないとしたら一体何なのであろう。
2時間半無駄な儀式が続いた後、漸く「ストレステストの審査の進め方について」の論議として、前回聴聞会以降提出された井野・後藤両委員からの保安院に対する質問に対する質疑応答となった。
後藤委員は開口一番、過去の原発行政全般の審問にかかわった人間は今回の福島事故に対して責任を持っているとして、この間所謂「原発推進派」として様々な原発行政の審問に携わってきた岡本委員他の「推進派」委員の責任の所在を明確にした。更にその上で、1月1日の朝日新聞の報道にあるように審議対象である事業者から金銭的便宜を得ている事、従って「意見聴聞会委員の利益相反」に明確に反すものではないかと指摘した。続いて井野委員も「信頼されていない保安院」と自虐的に自ら評する保安院が、にも関わらず全く自らを反省することなく誤った委員の人選を行っていると批判。この人選では全く国民の信頼を得られないと喝破した。
堪らず、自己弁護を買って出た岡本委員は「金は私腹に入れておらず大学の管理下で使用している」と弁明、「名誉棄損」だと言いながら「ここでは技術的知見の観点でのみ批判が行われるべきだ」と「反論」したが、すかさず後藤委員から反論「岡本委員の運営方法こそ政治的。我々が国民から託されていることは政治的な判断ではなく、技術的知見に基づいた原発事故の防止策を探ることであり、それをシュミレーションによる確率論的におこなっては駄目だ。福島事故がどうして起きたのか、という事実から出発するべき」と「保安院や岡本委員の常識は国民の常識と大きくかけ離れている」と駄目だし。更に続けて「保安院は事業者の報告を追認しているだけ」と、このストレステストの本質を突き付けた。
予定を40分以上越えながら、両委員及び会場からの追及は更に続き本議題は更に次回にも持ち越されることとなり、当日の聴聞会を終了した。
追記
保安院は良心的委員と会場と一体となった、「利益相反」委員を防衛するため次回聴聞会をし審議室と聴聞室を別室化するという暴挙に打って出た。そればかりか、後藤委員の指摘通り、「保安院は事業者の報告を追認」する形で大飯3、4号機の事業者報告に「妥当」というお墨付きを与えようとしている。
こうした保安院の目論見を次回聴聞会に更に大衆的に取り組み、良心的委員と共に打ち砕こう。
★3.<テント日誌 1/13(金)>
あらゆる建築物と同様の扱いに。火元責任者の明示
―― 経産省前テントひろば 125日目 ――
4時起床。ローテーションで早朝を選ぶのは、朝のお掃除の補助のため。夜間座り込みがテント内に延長され、警備担当と座り込みのゲストとそれぞれの支援グループの誰彼が、囲炉裏なき囲炉裏端会議となる。会議の中心の「火」は人工太陽=原発。原発という総論は各論に分岐し、最終電車は反/脱原発に決まってはいるが、最終駅に到着せず、テントでの宿泊となる方もいる。
朝、激しい議論の残渣を掃除するのが、我々の仕事。午前6時、隣のテントの福島からの椎名さんがお顔を覗かす。「はあ…」と目を上げると、なんとすれちがいに、警官が顔を覗かす。「いやあ、寒いね!風邪引かないでね…」結局、火器火気厳禁を口実に、内偵しているのにちがいない。優しい言葉を聞きながら、テントの奥を覗き込む眼光の鋭さに傷つけられる思いがする。今度来たら、ここの火器より原発なくすほうの仕事してよ!と伝えねば、と思いつつ、黙ってあっけにとられている自分が情けない。今朝は一瞥一言で行ってくれた。
そうして、あらゆる建築物と同様、火元責任者を明確にすることになり、防火総責任者 正清太一、同代理、島田悦司となった。「火」にまつわることは、このお二方にお伺いしてからにしてほしい、ということになった。火の使用が、猿と人類の決定的分かれ目だが、火の始末が原発の始末となれば、人間は、猿以下に転落したことになる。公害と戦争は地球生態系の天敵。
この日、鎌田慧講演のキャンペインなどで、水道橋「タンポポ舎」に行かねばならず、舎は明日の脱原発世界会議でのディスプレイなどの準備でごったがえしていた。夜の鎌田慧講演会はびっしり」満員の大盛況!終わり頃到着したひまわりさんは、その後たんぽぽ舎のパソコンで、明日の脱原発世界会議でまくテントのビラ作成に遅くまで作業。ご苦労様です。
この夜、高性能の暖房用上着が届けられた。くわしくは、次回で。(Q記)
☆この間、全国の方々からメールが寄せられています。少しずつ紹介させていただきます。
尚、メールは tentohiroba@gmail.com 宛てにお送り下さい。
◎今の日本人の多くは「放射性物質は恐い」、しかし、「原子力ムラの問題点、どう変える べきか」が分からないのではと感じるのです。
(東京 30代 男性)
◎本日昼過ぎにテント村に行って、初めての「座り込み」を2時間余り体験して戻りました。私の左隣りには東久留米からマウンテンバイクを駆って一足先に来ていた私と同年輩の男性がいました。最初の30分程は、黙って「三陸海岸大津波」(吉村昭著)を読んでいたのですが、目が疲れたので話しかけたところ快く応じていただき、かれこれ1時間以上に亘って原発問題を中心にいろいろと意見交換ができました。彼は原発で被災した郡山の出身とのことでした。彼に会えたのが、本日最大の収穫でした。
(埼玉県上尾市から参加した<原発廃絶>をライフワークに決めた男。)
◎私は、岩手県で小学校の教員をしている者です。皆さんのがんばりには頭が下がる思いです。岩手は、昨年震災で甚大な被害を被りましたが、復旧復興に向けて心を一つにみんなでがんばっているところです。
原発は地震大国日本に本来作ることが無謀な物です。それは、戦後のアメリカとのつながりから原子力に手を出させられ、その惰性でやめるにやめられなくなっているものです。しかも、電力会社と政府との結びつきによりそこにお金が動き、過疎地域の弱みにつけ込んでお金で釣り、そこに住む人たちの人権などは少しも顧みないのです。犠牲者はいつも弱者。
こんな世の中は、変わらなければなりません。それには、あなた方のような草の根のねばり強い運動が絶対に必要です。明るい明日のために共に最後までがんばりましょう!
★4.メルマガ読者から講演会、集会のご案内
◆松井栄介さん講演会「見えない恐怖、放射能内部被爆」
放射性物質を体内に取り込んだ時、細胞内で何が起きるか、広島、チェルノブイリ、イラクでの内部被爆の現在の状況、ICRP批判、など。長年医師として環境問題に関わっていらした松井栄介さんの講演です。
日 時:2月12日(日)12:30開場 13:00開演
場 所:飯能市市民会館202会議室
入場料:前売・予約500円 当日700円
(定員90名ですので、できるだけ予約してください)
保育あります。(定員あり)
共 催:原発とめよう飯能
こどもの未来を楽しくする会
飯能市消費者団体連絡会
予約・問い合わせ TEL&FAX 042-977-1890(鈴木)
★5.新聞・雑誌から
◆ストレステスト安全評価 大飯2基、「妥当」判断へ
保安院 再稼働は見通せず
(東京新聞1月14日付けより抜粋)
(省略―「ちきゅう座」編集部)
───────────────────────────────
[編集部より]
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び内容をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
尚、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の都合上全てを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
───────────────────────────────
◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。
◆電子メール(Eメール)送ります
たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。
ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を「メルマガ希望」として送ってください。
登録できしだい発信致します(無料)。
たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net
◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。
───────────────────────────────
たんぽぽ舎 たんぽぽ舎は、月曜~土曜-
13:00~20:00のオープンです。
日曜・休日は、お休みです。
〒101-0061
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。