“放射能「新基準値」説明会 遺伝的影響は無視と厚労省”などー地震と原発事故情報 その303
- 2012年 1月 21日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(1月20日)
1月14日、四国電力伊方2号機が定期検査で停止。
四国の全原発が停止状態。残るは東電2基、関電1基、北海道電1基、
中国電力1基の計5基、全原発停止へあと一歩
★1.放射能「新基準値」説明会
遺伝的影響は無視と厚労省
NPO法人 食品と暮らしの安全基金 丸田 晴江
★2.たんぽぽ舎に届いた年賀状から・その2(3人の方、敬称略)
◇小出 裕章
◇菅井 益郎
◇今井 俊政
★3.<テント日誌 1/17(火)>
再稼働阻止へ、経産省との日々のせめぎ合い
―― 経産省前テントひろば 129日目――
★4.新聞・雑誌から、1つ
◇杉並区・東電所有地購入構想
区議の社員が監査委員に 利益相反の恐れ
★1.放射能「新基準値」説明会
遺伝的影響は無視と厚労省
NPO法人 食品と暮らしの安全基金 丸田 晴江
◇遺伝的影響は無視と厚労省
1月16日、都内で「食品中の放射性物質対策に関する説明会」がありました。食品中の放射性物質の新たな基準値について、国の見解を聞けるので、会場は満席です。今回、新たに基準を見直すことになったのは、「放射性セシウムの検出が下がった」ことで、基準を引き下げても「わが国の食糧供給上、問題がなくなったから」だそうです。「健康影響を考慮して」という理由ではないので驚きました。
4月から、食品の基準は500から100ベクレル/kgに下がる予定ですが、参加者からは「100ベクレルでもまだ高い!なぜもっと下げられないのか」という意見が多く出ました。放射性物質による健康影響についての説明がありましたが、ガンについてのリスク評価ばかり。低線量域での影響は「よくわからないので、影響は無いものとしている」ように感じました。遺伝的影響についても「ヒトでの調査では見られていない」として無視。役人にとって面倒なことが起こる内容の文献は「被ばく線量の推定が信頼できない」「調査研究手法が不適切」などと理由をつけて、参考にしないのです。
◇食品と暮らしの安全基金からパブリックコメントへ意見を提出
食品の放射性物質の新たな基準値について厚生労働省がパブリックコメントを求めたので、私たちは、遺伝的な悪影響を防ぐため、1月17日に意見を提出しました。放射能の遺伝的な影響には閾値がないこと、日本人という集団への影響を最小限にするため、食品も飲料もすべて1ベクレル/㎏にして、基準を超えた食品の補償を東京電力にさせるべきと主張する内容です。
安全基金のホームページ(http://tabemono.info/)に、全文を掲載しています。
皆さんも意見を寄せてください。
◆厚労省/食品衛生 パブリックコメント
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(食品中の放射性物質に係る基準値の設定)(案)等に関する御意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110333&Mode=0
★2.たんぽぽ舎に届いた年賀状から・その2(3人の方、敬称略)
◇迎春 2012年元旦
昨年3月11日、福島第一原子力発電所事故が起こりました。41年間、こんな事故を起こしたくない一心で生きてきましたが、私の夢は叶いませんでした。悪夢が続き、私にとっては戦争のような毎日です。みなさんからは様々な励ましやお心遣いをいただきましたが、それをお礼を言う余裕すらなく、ご無礼を続けてきました。お許しください。それでも、時は確実に流れ、年が明けました。きっと春も来るでしょう。
滔々と流れる歴史の中で、お元気でお過ごしください。
大阪府泉南郡 小出 裕章
◇昨年は3.11東日本大震災と東電福島第一原発の重大事故が発生したとんでもない年でした。とくに3+1基の原発が全電源喪失から炉心溶解事故に発展し、水素爆発とともに大量の放射性物質を放出したことは、天災が引鉄になったとはいえ、明らかに東電が引き起こした人災です。これまでも政・官・財・学・マスコミ・司法・民間大労組の七位一体の推進構造をきびしく批判してきましたが、事故対策はうまく行って数十年から百年は覚悟する必要があると思います。足尾・水俣・アスベスト公害などを教訓として取組み、一刻も早く全原発の停止と廃炉を実現すべく頑張りましょう。本年も宜しくお願いいたします。
いろんな人たちが次々と来てたいへんでしょう。にぎやかでよし。
2012年 元旦
埼玉県さいたま市 菅井 益郎
◇あけましておめでとうございます
昨年はみなさま東奔西走の毎日だったのではと思います。名古屋からみなさまの更なる発展を祈念しております。
愛知県名古屋市 今井 俊政
★3.<テント日誌 1/17(火)>
再稼働阻止へ、経産省との日々のせめぎ合い
―― 経産省前テントひろば 129日目――
不寝番の担当時間は深夜の2時30分前まである。それから眠りについたのは3時だったが冷え込む中であれこれ自問していた。が、堂々巡りを脱しえない。一体、脱原発は可能か(?)今の運動に足らないものは(?)俺はどうしてここにいるのか(?)消灯の時間までの話(雑談)なども含め反芻していた。が、これという答えはない。答えがないのが答えという一種の矛盾に置かれるのが体制や権力に対抗する側がいつも強いられるところである。これは経験的に分かる。ここでの耐え方、凌ぎ方がどんな運動でも難しいのであろうがここをどう乗り越えていくのか。それがテント広場の運動にもあるのだろうと思う。
経産省側はこの間、毎日のようにテントの監視を強め、隙あれば介入しようとしている。彼らの張った鎖で転倒し怪我した事件の責任の追及に対しては答えず、火器の使用についてうるさく写真を撮るなどしている。今日は先の事故の責任と鎖を取り除けという要求への答を前川審議官が持ってきた。もちろん、事故の責任には答えず、要求は拒否であるが帰りがけに火器の使用についてテント側と論争になった。我々がテント内で使用するものは安全で最低限のものであり、防寒上避けられないものだ。我々はここで日常を形成している面があり、防寒上で不可欠の範囲の物しか使用していないのであり、こういうトリビアルなところでのイチャモンを拒否する。彼はテント側の批判に答えられずに引きあげた。
この経産省では18日(水)第7回目のストレステストに対する専門家意見聴聞会がある。この会を経て保安院は大飯原発の安全確認をする予定と報じられている。23日には国際原子力機関(IAEA)の調査団を来日させてお墨付きを得ようと準備している。ストレステストを経て再稼働というレールに乗った行動である。福島第一原発震災は未だに収束をせずまたその事故の検証もなされていないのに再稼働戦略は進められているのだ。「今まで安全と評価してきた人たちが再び評価したところで、結果は同じである」という声が強い中での進行である。今回の意見聴聞会では傍聴を排除し《傍聴は別室で映像をみるだけにする》、しかも三菱重工から多額の金銭を受け取った岡本孝司・山口彰・阿部豊の三委員を残したままである。保安院の密室性と原子力ムラとしての癒着構造を露骨に証明している。
経産省や原子力ムラは福島第一原発震災の直後から、原発再稼働に戦略を定めてきた。その準備をやってきたのである。保安院は東電に福島第二原発の再開の準備に入るように促したと報じられているが、彼らは4月に日本の全原発の稼働が停止する段階からの反撃の対応《戦略》を練ってきたのであり、ストレステスト→安全宣言→再稼働を道筋にしている。政府が政局で身動きの取れない間も官僚主導で事を進める準備をしているのだ。経産省のこういう動きを監視し、不断の抗議や異議申し立てをすることがテントの重要な役割であるが、経産省は隠れた密室的に原子力行政を進めてきた従来のありようを反省し公開的に事を進めるべきだ。前で述べたようにトリビァルなことでテントに介入するのではなく、公開の討議に応じたらどうだ。
やはりまだ寒い。寒さに耐えながらのテント維持であるが、テント周辺での行動はテントを支える力が厚みを増したことを実感させてくれる。再稼働の動きに対決しつつ、ミニコンサート、舞踏、それぞれの方法でのアピール活動をやっていただきたい。防寒具の寄付をお願いしたところヒートテックスの下着などが届いている。紙面を借りてお礼を申し上げたい。我々は有形無形の励ましに元気づけられている。
(M/O)
★4.新聞・雑誌から、1つ
◇杉並区・東電所有地購入構想
区議の社員が監査委員に 利益相反の恐れ
(東京新聞1月20日付け「こちら特報部」より抜粋)
(省略します―「ちきゅう座」編集部)
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[編集部より]
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