小出先生、「日本という国は恥ずかしい国だ」
- 2012年 2月 18日
- 交流の広場
- 中西光子井野博満原発吉野裕之小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」2月16日分の転送です。
あわせて、15日の「福島の子供たちを放射能から守ろう」サミットの事務局長吉野裕之さんのお話、16日は避難受け入れをしているカントリーファーム事務局長中西光子さんのお話、そして17日は老朽原発について、東大井野博満教授のお話がありましたので、いっしょに転送させていただきます。
小出先生、「子どもたちを全力で守らなければならない」のに、「日本という国は恥ずかしい国だ」といい、「私は(食品などの)規制には反対」、「規制値を超えたものを排除しようとは思わない」とも述べています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====小出先生、16日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の近藤伸二さんの案内で放送されました。
原発のニュース、2号機の温度以上、温度計の故障と東電は保安院に報告で、冷温停止「状態」を残りの温度計で確認すると言うのですが、新しい温度計の設置は困難、1~2年開発にかかると言っています。高温・湿気で断線した模様です。
食品のセシウムの規制値、厚労省の案がOKで、米・肉は100ベクレル/kg、乳児用10ベクレルと、暫定規制値より厳しくなり、100ベクレルでも安全と言っていますが、消費者団体は厳しくと言っています。
小出先生のお話、文科省が乳児用100ベクレルで大丈夫と言いつつ、厚労省の基準も認めていますが、毎回委員よりもっと緩くと言い、「日本は恥ずかしい国」、国際機関がどういったとか言うが、日本が子供たちとどう向き合いたいか、そういう基準がないのか!原子力を選択して事故を起こし、子供たちを守るために基準がいるのに、それに文句がなぜ出るのかと言うのです。
基準を厳しくすると福島の復興に支障が出ると意見があり、小出先生は規制には反対で、みんな避難してほしいが、この人たち(国家から見離された)が生きているなら、作ってくれるものは受け入れるしかない、福島のものは子供に回してはいけない、大人は受け入れないといけないといい、小出先生怒られているが、排除には反対なのです。
リスナーの質問で、小出先生は大阪維新の会の瓦礫の講師に呼ばれたということについて、来てくれと言うものの、とても行けない(1分1秒を争う)ので、維新の人が小出先生のところに来て、30数名来て、この人たちにお話したのです。維新の会より、今の日本政府のやり方は正しくなく、今ある焼却施設で燃やして埋めたらアカンといい、膨大な瓦礫で汚染地の子供が危ない、福島のどこかに猛烈なものを処理するものがいり、やむなく、全国での受け入れがいるが、現有の施設ではなく、フィルターを付けて、焼却灰は埋めたらダメ、福島第1,2に返せと言ったのです。これで、維新の会、どうして国が現地に作らないか聞く、大阪のあちこちに受け入れないと言っていたと言うのです。
近藤さん、大阪の独自の基準があると言うことについて、この話、食品同様反対で、猛烈な汚染のものも引き受けて、しかしそれを周辺にばらまいてはいけない、ちゃんとした施設が要る+焼却灰は福島第1へ、なのです。
リスナーより、4号機の燃料を来年か再来年に移すと言うものの、大丈夫かについて、輸送開始前にプールが潰れたらおしまい、しかし今の形状を保つなら、移送はしてほしい、プールの中に輸送用のキャスクを入れて、それを自ら引き上げる(鉛の入れ物、100トン)のですが、それが出来るか不明、キャスクを入れても瓦礫が散乱しており、使用済み燃料をキャスクに入れられるかは不明だが、大きな余震が来る前に移さないといけないのです(1,2年で済むのか、10年かかるのかは不明だが)。
今日は、瓦礫処理、4号機のことをお伝えいたしました。
======15日、吉野裕之さんのお話=====
永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、福島から放射能被害を心配して避難した人たちと、受け入れ先の会合が福島で行われました。福島の子供たちを放射能から守ろうと、このサミットの事務局長、吉野裕之さんのお話がありました。吉野さん、ご自身が家族を逃がして残っている人のために活動しているのです。
吉野さん、2月11日、12日と、全国の避難者の受け入れ団体に集まってもらい、福島の子供が被曝する線量が増えるので福島県外に避難させるため、受け入れ先が必要であり、受け入れ態勢を整えるボランティアが全国にいるのです。この報告が11日なのです。自治体、市民団体が報告です。
その後、分科会になりパネルディスカッションです。福島の人が子供をどう守るかを模索して、吉野さんも福島市におられて、小さい子供さんをお持ちで、吉野さん、福島市にいて、避難生活で、奥さんと3歳の娘を東京に避難させたのです。その後、京都に市営住宅を借りられて、そこへ奥さんと娘さんを逃がしています。安全な所への「母子疎開」が大半なのです。旦那さんは仕事、月に1回奥さんに会う、それはさびしいのです。吉野さん、地震と原発事故で仕事がなくなり、今はNPO職員で、経済的に苦しい(今は家賃免除だが、それがなくなるのが不安なのです)。二つの家計を支えないといけない+交通費がいるのが自主避難なのです。
家族を逃がすのに悩む暇はなく、奥さんの実家が東京にあり避難出来て、そういう知り合いがいない人が避難できていないのです。
サミットで自治体の参加はあっても、国と東電はどうかと近藤さんが聞かれて、週末の保養(キャンプ)のプログラムをやり子供たちの面倒を見るのです。
長い期間安定して移住するのが、取れるならベストで、しかしそれを取れない人がたくさんいる(共稼ぎ、介護の必要な人)ので、保養により、子供たちを外へ出したいのです。1日、2日でも原発から子供を離すのが大切なのです。連続して出るのがベストです。
自主避難、国も東電も何もやっておらず、原子力災害支援に言っているものの、一定の支援はあるものの、それだけでは避難できないのです。実費の足しにもならないのです。
福島の子供たちにいろいろな選択肢があるという実践になり、京都ではこういうプログラム、北海道ならこうと、安心なのです。
福島の中で、子供を避難させたいのに、それを言えない雰囲気もあり、どこから情報を仕入れるかが個人まちまちで、保養として外に出る機会を作り、情報を共有するステップに出来る(いきなりの移住は無理)のです。みんな様子を見て、距離を持つこともあるのです。町内会で除染する、家の除染を助け合ってするのに、内部被曝が怖く除染はいやと思っても、みんなでやるとなると声を出せない。子供によっても、体調の悪い子も出て、そうでない子もいて、まとまったお話が出来ないのです。
皆さんで苦しみを共有する中、苦しみから逃げると取られて、人間関係にひびの入る場合もあるのです。互いに認め合えないのです。
考えの共用は、チェルノブイリの例があり、汚染のない環境で汚染のないものを食べて、免疫力を高める必要はあるのです。汚染地で闘える力を付ける必要があるのです。市民同士の連携が要るのです。市民同士の話し合いで、いろいろなものが出来るのです。
福島から避難してきた人が、福島の外で本音を言えたと言う事例もあるのです。不安だと、初めて外で喋れた人もいるのです。自主避難している人たちがネットワークを作って成功しているのです。
自主避難と言う言葉に、みんな納得しているのではなく、「自救避難」という言葉を使ったら、という提案もあったのです。本来は国、東電がすぐに救助すべきなのに、待っていられないのです。救う道を国も東電も作らず、それを市民活動をしている人が全国にいて、そのネットワークで支援してもらっているのです。宗教家とタッグを組むなどして、新しいネットワークも出来ているのです。大阪にも新しいネットワークがあり、支援団体は集まっただけで70、実際はもっとあるのです。
長期間にわたり必要なネットワークで、市民が結びつく、企業も社会貢献したら、子供たちを考えている新しい公共なのです。国がなにを出来るのか、なのです。行政の出来ることもたくさんあるのです。早く実現するのを期待するのです。
福島で闘っている人の声をお届けいたしました。
=====16日、中西光子さんのお話=====
永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、福島からの避難で、昨日は福島の人のお話でしたが、今日は受け入れる方の方、カントリーファームの事務局長、中西光子さんのお話がありました。奈良県内にすでに100戸の移住計画を立てているそうです。
中西さん、阪神・淡路で行政の外にいた人の救済をしたのです。
東日本、避難者、帰っている人と、新たな避難者が出ているのです。今は圧倒的に福島が多く、山形からの避難者もいて、瓦礫を山形が引き受けたら線量が上がり、そのため子供を3人連れて着の身着のまま逃げた人もいるのです。あちこちでホットスポットがあり、そのたびに母親が子連れで逃げないといけないのです。
それに関する行政の対応は不十分で、3・11の緊急避難を大阪市で500戸とかやり、公営住宅で、古いものの4,5階が開いて、そこに若い親子や、お年寄りがいるものの、今後長期暮らせず、長期避難の段階になり、行政もそれに対して対応していないのです。
岩手、宮城では時間がたてば帰れる可能性はあるものの、15年、20年で、しかし福島は30年無理、福島以外からも出て、10万人超え、「さまよえる福島人」、中西さんサミットに行き、タクシーで、自分たちはモルモットになるしかないと運転手から言われたのです。
行政が長期に受け入れる体制が必要で、出てくる人の恐怖・不安を受け入れないといけないのに、国、福島が言っている時間はない、NPOの自分たちがやるしかないと、生活の再建を図れる土地を作らないといけないと、昨年8月から準備しているのです。NPOに金はないのに中西さんがやらないといけないのです。第1弾を、奈良に土地の提供者がいて、また日本中の過疎地、高齢、耕作放棄地がたくさんあり、今福島に帰りたくても、30年は日本各地で面倒を見てあげようと、受け入れる人もいるのです。
しかし、ゼロで家は建たないし、田舎に100軒単位で行かないといけないし、仕事もいるし、なのです。
中西さんで、移住+仕事を作っているのです。行政はやってくれないのです。援助してくれる企業もあり、若い人がいなくなったところが積極的にやってくれているのです。一つしか小学校のないところで、地元の企業、行政と一緒にやり、過疎化、限界集落で歓迎ムードもあるのです。100戸作るなら借り入れもいる、政策金融公庫から融資してもらい、現地法人の社長、取締役を被災者にやってもらうのです。被災者に前を向いてもらう、中西さんが後を押すのです。
避難される方、やりたい仕事に種類もあり、一律とは行かないが、生活の糧はすぐにいり、農業をすぐにとは行かず、工場でしばらく働いてもらうとかもやっています。農業志向の方もあり、放射能汚染のところに残った人に、放射能のないものを作り送ってあげたいのです。絆、福島を気にかけてやっていけるのです。
第1弾は進み、奈良にやって、車で10分で名張の市外があり、スマートシティ、放射能で電気を付けたくない人のため、屋根はソーラー、残ったお年寄りもこっちに来てケアできる体制も立てているのです。サービス通勤高齢住宅、企業誘致を山の中でケア付き賃貸をやっているのです。返済資金は、福島の人は仮設並みとして公から出る(2年)、お金なしでも入れる、周辺で雇用して220万円の助成が企業に出て、牧場もあり、その産物でレストランが出来ないか、夢が出て、これで生活の再建をするのです。
避難者の反応は、移住に関して、相談もあり、高齢者いっぱいになり、反応も出ているのです。
コアになるのが100戸で、最初の100戸だけでなく、道路もいるし、お金もない。中西さん東京から帰り、福島のために、企業に支援を頼み、快く賛同してくれたのです。心配はないのです。
近藤さんより、移住となると負担がいるのではとの質問があり、将来は自立する覚悟がいる、仮設で、仮の住まいではなく、最先端の技術で、緊急通報、介護もある、恒久の住まいを作ろうとしているのです。ただで入れるだけではないのです。
こういうこと、中西さんたちがリスクを冒すのではなく国がやるべきで、復興庁、県外の人にもお金を配るべきだが、復興庁は今は手一杯で、民間が牽引しないといけないのです。その後、国がやるのは当然と思うが、先に引っ張りたいのです。
今日もまた時間になりました。今日は、避難者の受け入れをしている人のお話をお伝えいたしました。
=====17日老朽原発について、東大井野博満教授のお話=====
永岡です、今日は原発番組のラッシュで、NHK大阪の関西熱視線で、福井の老朽化原発のことが取り上げられました。
来週、関西電力管内の原発が全て止まります。原発のある美浜町は死活問題で、雇用の多くを原発に頼り、ある原発のメンテナンスをしている会社では春以降の予定が立たず、再稼働なしなら会社を閉めろというのと等しいとコメントしていました。美浜町長も、町、県(福井嶺南部)への打撃が大きい、早く再稼働を、と語っていましたが、同じ福井でも原発のない小浜市では、原発停止決議を昨年6月、全会一致で議決しています。
そして、その老朽化の問題、美浜原発は1号機42年、2号機40年で、寿命なのですが、国は50年OK、60年OKと言いだしています。
が、たね蒔きジャーナルでも小出先生がいつも言われる、金属がガラスのようになる現象(専門用語で脆性破壊)があり、鉄は通常だとマイナス50℃を下回らないと脆性破壊にならないが、中性子を浴びると脆性になり、美浜も問題で、そして最大の問題は九州の玄海1号機、予測だと78℃で脆性破壊になるのに、調べたら(試験片を)98℃でアウトなのです。
これについて、東京大学の名誉教授の井野さん、脆性破壊についてコメントされて、中性子による脆性、どれだけ時間がたてば起こるか、速く中性子を当てて実験していたものの、中性子を速く当てると、ゆっくり当てるのより、脆性になりにくく、つまり、実際のゆっくり脆性になるものは、速く当てて予測するのより悪い結果になると言われました、ここ10年で分かったことです(だから、予測では78℃なのに、実際は98℃でアウトになるのです)。
井野さん、原発は危険な技術で、普通なら失敗して直していけばいいがそれが出来ないので大変とコメントし、さらに、原発ではこういう脆性の試験片を身内で調べて、大学などの機関に公開していないのは問題と語りました。そして、アメリカでは20年の延長もOKについて聞かれて、日本は地震国だし、さらにメンテナンスもアメリカより劣り、アメリカが20年延長OKだから日本もいいというのはおかしいとコメントされました。
とりあえず、25分間の内容を簡単にまとめて、お知らせいたしました。
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