“本:『「内部被ばく」こうすれば防げる』から引用”などー地震と原発事故情報【TMM:No1369】
- 2012年 3月 2日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
2012年3月2日(金) 地震と原発事故情報
転送歓迎
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2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
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★1.原発事故後の食品放射能汚染度はどう変わってきたのか、
本:『「内部被ばく」こうすれば防げる』から引用
(たんぽぽ舎共同代表 鈴木千津子さんによる特集ページ)
★2.その(4)─弱者をねらい打ちする地震
「東北地方太平洋沖地震と原発事故後にわかったいくつかのこと
+直下型地震の恐れ」 (島村英紀[地震学者])
★3.<テント日誌 2/29(水)>
― 経産省前テントひろば 172日目 ―
★4.メールマガジン読者からのイベントのおさそい
(お問い合わせは主催者へお願いします)
◇3/7HOWS講座
ドキュメンタリーとゲストのお話、
被曝労働と労働組合運動について考える
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★1.原発事故後の食品放射能汚染度はどう変わってきたのか、
本:『「内部被ばく」こうすれば防げる』から引用
(たんぽぽ舎共同代表 鈴木千津子さんによる特集ページ)
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小金井市議の漢人明子さん執筆編集の本『内部被ばく、こうすれば防げる』(文芸春秋社2012年2月刊、全167頁)に、鈴木千津子さんによる特集ページがある。その一部を紹介します。
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(紹介)食品をはじめ、放射能について自分なりの基準を持つためには、「傾向と対策」をつかんでおくことが必要です。東京都内にある民営の放射能測定室「たんぽぽ舎」でも、20年間食品の放射能を測定し続けています。ここでは、1検体7000円で誰でも測定を頼むことができます。
測定器は大学の研究室などで使われる国産特注品のヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器です。2時間の測定でおおよその検出限界値は1~5ベクレル以下ですが、数値として検出されたものは限界値近辺でも公表しています。民間のものとしては、相当精度の高い測定器ですが、検体は約1kg必要です。
原発事故以降、測定依頼は急増し、1人で測定作業をし続ける鈴木千津子さんは、事故以来、すでに1800件以上の測定を行いました。その中から150件の測定値をピックアップし、これまでの汚染状況の大きな流れと、傾向と対策を紹介してもらいます。以下その要点を紹介します。
【傾向と対策】事故後の汚染度はどう変わってきたのか
1.野菜<放射性物質は「葉物野菜」に降り注いだ>
2.肉類・牛乳<牧草、放牧牛、放し飼いの鶏も汚染された>
3.魚介類<大量汚染の海。ヒラメや貝、ぶり、いわしなどから始まった>
4.海草類<なぜか、わかめからは検出されない>
5.くだもの<くだもので出たのはこれらの品目>
6.米
7.出やすいもの
8.土・雨水<ホットスポットにはコンクリートで固める除染法が効果的>
○たんぽぽ舎お勧めのシンチレーションカウンターの紹介
・クリアパルス株式会社 Mr.Gamma A2700
・Nal Radiation Counter たんぽぽ
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☆たんぽぽ舎では食品・牛乳・水の放射能汚染測定を行っています。
お問い合わせください。午後3:00~8:00 担当:鈴木千津子
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★2.その(4)─弱者をねらい打ちする地震
「東北地方太平洋沖地震と原発事故後にわかったいくつかのこと
+直下型地震の恐れ」 (島村英紀[地震学者])
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東日本大震災で犠牲になった人々のうち55%が65歳以上だった。この統計は、お年寄りが選択的に犠牲になったことを意味している。
それだけではない。東日本大震災での障がい者の死亡率は平均の2から4倍もあった。この地震でも、弱者がより多く犠牲になってしまったのである。
たとえば福島県南相馬市のNPOの調査では、震災直後に多くの障がい者が避難できず取り残されたことや、行政が事前に作成していた障がい者など「要援護者」の名簿に多くの漏れがあったことがわかっている。
これは東日本大震災だけの特徴ではない。この震災では、被害者の多くが津波に呑まれたのが死亡原因だったが、近年日本で起きたほかの地震でも、揺れによる震害で、やはり弱者が選択的に犠牲になっている。
神戸市や瀬戸内海を見下ろす高台にある神戸大学の構内には、阪神淡路大震災で犠牲になった同大学の学生と職員の慰霊碑が建っている。そこには学生と留学生39名と職員2名の名前が刻まれている。
この地震が起きたのは1月17日の午前5時46分だった。地震には十分強く作られているとのJRや工学系の先生たちのお墨付きがあった新幹線のレールを支えていた橋桁が8カ所も落ちてしまった。始発の新幹線は朝6時に走り出すことになっていたから、橋桁が落ちたために大事故にならなかったのは、新幹線にとっては運が良かったとか言いようがない。
もしこの地震がこんな早朝ではない、昼間の時間帯に起きていたとしたら、新幹線や高速道路では重大な事故が起きていたに違いない。しかし一方で神戸大学の学生たちは死なずにすんだかもしれない。というのは、神戸大学には倒壊した建物はひとつもなかったからである。
この39名の学生のうち37名、つまり95%もが、下宿が潰れたために亡くなった。神戸大学の学生の95%もが下宿生だったというわけではない。自宅から通っていた学生にくらべて、下宿生のほうがはるかに死者が多かったのだ。気の毒なことに、この下宿生たちは自宅生たちよりも、また神戸大学よりも弱い建物に暮らしていたのだった。
亡くなった神戸大学の学生に限らず、阪神淡路大震災で亡くなった人々の医師による遺体検案では死者のほとんどが地震後10分間以内の圧死だった。つまり、いったん大地震が起きて家がつぶれてしまったら、国際救助隊が来ようが自衛隊が来ようが、救える人命はごく限られてしまうのだ。弱い家に住むことは、かくも危険なことなのである。
建設省(現国土省)建築研究所の調査では、阪神淡路大震災では古い家やビルほど倒壊率が高かった。なかでも1981年以前に建てられた建物ではとくに倒壊率が大きく、1972年から1981年までの建物がそれに次いだ。1982年以降の建物では損壊率がずっと低かった。古い家がシロアリの被害などで老朽化していたということも要因としてはないわけではないが、古い家が選択的に倒壊した主な理由は、建築基準法や耐震設計法が1971年と1981年に段階的に強化されてきたのに取り残されていたためである。
もし、学生下宿のような老朽化した木造家屋がもっと新しい家に建て替えられていたり耐震の補強がされていたら、阪神淡路大震災の死者は5分の1以下になったという試算もある。つまり阪神淡路大震災では古い家に住み続けなければならなかった人々が選択的に犠牲になったのであった。
日本だけではない。1971年に米国カリフォルニア州ロサンゼルスのすぐ北でサンフェルナンド地震(M6.6)が起き、死者は65名を数えたが、そのうち45名は老朽化したある病院の建物が倒壊したせいで犠牲になったものだった。つまり、この病院さえ壊れなければ死者は70%も少なくてすんだはずだったのである。
つまり、地震は弱いもの、弱い家に住み続けなければならない人たちを選択的に襲うものなのである。
ちなみに阪神淡路大震災では家屋や家具の倒壊による圧死が8割を超え、火災による焼死なども含めると、犠牲者のほとんどは地震の揺れによる震害が原因だった。一方、東日本大震災では死者の9割以上は津波が原因だった。しかしこちらでも、高齢者や障害のある人たちの死亡率は、それ以外の人よりも2~4倍も高かった。地震は弱いものを選択的に襲う、という構図が繰り返されてきているのだ。
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★3.<テント日誌 2/29(水)>
― 経産省前テントひろば 172日目 ―
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テントは、活気に満ちた。とぐろを巻くひとなどいない。朝早く、「原発事故被害者支援法」(仮称)の制定を訴える人々が衆院第一議員会館へ向かった。テント広場は、国会前座りこみをしていたのは、このためでもあった。国家財政を優先するものは、消費税率の増加を中心課題として形成しようとする。しかし、国民の人命救助を主眼とするものは、一年たっても福島第一原発事故から目をそらすわけにはいかない。テント広場の人々も、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」に連帯し、汐見坂を雪の中、駆け上る。潮目を読む場所だったから、地震に耐えられる地盤ではないそうだ。日本は、荒海の枯葉か!
テントへは、フランスのラジオ局のジャーナリストが、顔を覗かす。イタリア人でロンドン在住の友人と。金曜日の下準備だそうだ。70年ころ流行した「ラジオのように」のことを伝えても、わき道にそれる暇はないという風情。真剣そのものの取材姿勢。あとで、あの在特会と警官に煮え湯を呑まされたフランクさんたちから電話が入る。
フランスのTV放送は福島の「事故収束」にフランス人が大貢献し、日本人は深くフランス政府の救援に感謝しているというメッセージを流しているという。おふたりは、今、フランスだ「海外のメディアには福島の真実を伝えてほしい、収束などとデマもいいかげんにしてほしいわよね! ゲンバってなによ?」とゆみさん。
フランスのラジオ局記者と友人を大飯原発再稼動審査書検討委員会につれてゆく。雪のため傍聴人が少ない。いかにも慣例的挨拶の応酬を批判派が傍聴席から断罪する。斑目 委員長が司会をしていたが、高校生を相手にする教員のように、威圧的な大声を出してみせる。結局、強制的退場者はでなかったようだ。
その間、テントには、スウェーデン、オーストリアなどなどジャーナリストがおしかけてきていた。福島県が、フクシマとなり、チェルノブイリとなっても、世界は、「あっち」という風情の日本人。「野蛮な文明」と書いたのは、昔々レヴィ・ストロースだった。しかし、フランスは、80パーセント核燃料に発電を依存し、カナダ、オーストラリア、アルジェリアなどで、ウラン採掘をしている。日本は、ヨルダンやトルコに原発輸出する。フクシマは人類史の四つ角となった。
ああ、井の中の蛙にする政府情報機関。原子力ムラとは笑わせる。あの安全審査委員会は、明治の枢密顧問官たちの亡霊にとりつかれている。フランスのジャーナリストは、眉をしかめて、退場した。テントから電話が入る。急いでテントへ戻る。
雪椿テントは天下如月尽(能見) (Q記)
☆『ひろばー全国・全世界から ~思い・交流・討論・共感~』
(郵便は〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-3-1経産省前テントひろば
メールは tentohiroba@gmail.com へお送り下さい。
◎拝啓 渕上太郎 様
経産省前テント、誠にお疲れ様です。
小生も早々に参上すべきところでありますが、なかなか時間的に伺えなくて心苦しく思っております、しかしながら小生の居住地域での1000万人署名運動や集会等で何とか連帯しているつもりでおります、又、3月4日には、さよなら原発イン越谷と題した集会とデモを実施します。
何とか日本国内を反原発一色に染め上げるべく闘い抜く所存でおります。万が一にもテント排除と言う事態が生じた場合は、昔取った杵柄で馳せ参じるつもりでおります。
まだまだ、寒い日が続きますゆえご自愛下さい。 安間 拝
◎いつも見ています。千葉の坂本です
私の市民活動の師は(串田文子さん)です。彼女は戦争時代国鉄の職員として、男は戦争に駆り出されてしまった後、女が運転手や、キップ切りとして俗に言う銃後を守った女性です。
銃後・なんて知る人はもういないでしょうか。でも彼女たちは戦後の朝日新聞のコラムに意見を出す会(草の実会)というのをズーッと継続して、終戦後からは子供を育てるお母さん方の学習の場所としての(公民館活動)をした世代です。
当時はアメリカも市民に、市民としての権利として公民館での学習会を勧めていたがお母さんが学ぶと(夫に意見するようになり)行政に意見するのは(困った事)になり公民館は(行政に反抗する市民)には貸せない。行政に反抗するって何?私達は反抗なんてしていません、でも市民が発言している事に耳を傾けて意見を聞く努力はして欲しいと思うのです。
沖縄の基地も日本の基地も、原発も日本は憲法をどのように理解しているのか?疑問。でもこの経産省前ひろばがあることが市民、自由な広場、がきょうも元気だ!とこれを見て安心してPCを閉じます。
応援しています。寒いのにねがんばってくださいね。
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★4.メールマガジン読者からのイベントのおさそい
(お問い合わせは主催者へお願いします)
◇3/7HOWS講座 ドキュメンタリーとゲストのお話、
被曝労働と労働組合運動について考える
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●『隠された被曝労働 日本の原発労働者』(1995年 24分 英国チャンネル4)
樋口健二氏の目を通して被曝労働者の現実を描いたドキュメンタリー。
●ゲスト=岩下雅裕(福島原発事故緊急会議・電力総連申し入れプロジェクト、立川自衛隊監視テント村)
被曝労働なしには成り立たない原発。そこにはヤクザも介在する違法な多重下請け構造がある。政府、電力会社、そして連合中央や電力総連などもこの下請け構造を温存している。昨年6月の電力総連申し入れ行動の中心となった岩下雅裕さんのお話を聞き、原発被曝労働、事故で広がった被曝労働(除染、瓦礫処理など)について労働組合運動とつなげて考えよう。
●日時:3月7日(水)午後6時45分~9時15分
●会場:本郷文化フォーラム
(地下鉄丸の内線・大江戸線「本郷三丁目」駅下車 徒歩5分)
地 図: http://www3.ocn.ne.jp/~hows/map.pdf
参加費:1,500円(学生1,000円)
問合せ:HOWS事務局 TEL.03-5804-1656 E-mail: hows@dream.ocn.ne.jp
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【編集部より】
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び内容をお送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
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