「関西地方は原発ゼロでも真夏に電力不足は起こらない」<下>など―地震と原発事故情報【TMM:No1432】
- 2012年 4月 25日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
2012年4月25日(水) 地震と原発事故情報
転送歓迎
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★1.テント日誌【番外編】 大飯行き報告 4/23・24 (Y・T)
★2.「関西地方は原発ゼロでも
真夏に電力不足は起こらない みんな安心して!!<下>
(週刊朝日2012.4.27号 緊急寄稿 広瀬隆)
★3.保安院の信頼度、ツイッターより下。「3.11直後の情報源」自ら調査
(4月25日 朝日新聞より)
★4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇大飯原発再稼働はイヤだ! 岐阜・愛知も 福井の原発の地元だ!
4月26日、貸し切りバスで、一緒に関西電力本店に行きましょう!!
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4月26日(木)午後6時30分から、カネ儲けより命が大事―経団連は再稼働を
あきらめろ4.26行動、集合場所・経団連前(千代田区大手町1-3-2)
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┗■1.テント日誌【番外編】 大飯行き報告 4/23・24
│ 海辺の長閑なたたずまいの中にも
│ 風雲急を告げるのか・・・・大飯原発再稼働問題
└────( Y・T )
4月23・24日、たんぽぽ舎の大飯原発監視テント支援行動に椎名さんとともに同行して大飯へ。浜岡原発を考える静岡ネットワークの鈴木さんも一緒だった。総勢15人。
4月23日。快晴。大飯に近づく車中から見る緑色の海の美しさに驚嘆。そしてリアス式海岸の風光明媚にうっとりする。
駅に着いたところで、もう10日間も経産省前テントからこちらのテントに応援にきているQさんのお迎え。京都・滋賀から現地入りしている古くからの友人も迎えに来てくれている。そして福井県民会議の石地さんの運転で一路、テントへと向かう。立派な長い橋を渡って大島地区に入り、長閑な漁港風景を見ながら、テントに着く。テントの前は運河のように陸に入り込んだ海で小さな漁船のたまり場となっている、。
大飯は本当に海が美しい。そして海の幸に恵まれた長閑で、癒されるような町・・・原発さえなければ。その原発は3方を山に囲まれた海辺にあり、住民からは見えない。人口は9000人だそうだ。
テントは7~8張りに増えていた。可愛い小さなテントが5つ並び、少し離れてやや大きめのテントが2つ建っている。顔馴染みの埼玉・入間の方もマイテントをかついでやって来ているようだ。滋賀の堅田教会や西東京教区の方もテントを建てている。ただ茂みや木立に隠れて、意外に慎ましやかというか、風景や雰囲気に溶け合っている。村長のU君が日焼けした顔で迎えてくれる。かって経産省前テントでも毎日のように泊まり込み守っていた。久し振りの再会であった。Yo君も随分健康そうな雰囲気である。
テントの前で石地さんが大飯の状況を説明して下さった。この間、4回にわたって住民への対面でのアンケートを行ったそうだ。何が最も心配かと。1番目は大飯原発が福島第1原発のようになりはしないかであり、2番目は子や孫の世代に負担を強いることになるのではであり、3番目が雇用ということであった。(大飯原発で働いていた息子さんが仕事が無くなって今は福島原発に出稼ぎに行っているというやるせない話も) どこの世論調査だか忘れたが、原発や再稼働に反対、もしくは疑問に思う声が30数%に達しているという結果もあるそうだ。
京都から持ち込まれたビラを手分けして家ごとの配布に向かう。そのビラ配りでは、何人かのシニアの漁師さん達から話を延々と聞いた(聞かされた?)ことや、お婆さんからみかんをもらってお話したとか、椎名さんのように広島でのアクションがTVで放映されそれを観たという方との話が盛り上がって、とか、結構交流もあったようだ。明日は住民説明会に向けた資料入りのビラを配布する予定だそうだ。
テントには音楽をやっているという若い6人連れが大阪からやって来ていた。昨夏の福島での音楽大会にも出ていて、それを椎名さんが観ていたということで意気投合。さらにその中の1人は椎名さんと福島の同じ町の出身ということで大感激。早速椎名さんの指導でカンショ踊りが始まる。若者達も気に入ったようで、今度大阪でもやろうと盛り上がる。
ちなみに、このテントには中嶌哲演さんや大阪の小林圭二さん(石地さんは彼を福井の恩人だという)も訪れたい気持ちを持っておられるそうだ。
民宿へと移動する途中出くわした子ども達は、水辺で遊びながら大きなナマコを捕っていた。民宿で経産副大臣を迎え撃つアクションを終えて駆けつけた京都の長谷川さんと合流。食事後の交流会では、大飯再稼働阻止に全国の全精力を傾けて取り組むこと、現地での体制や全国への発信、26日の住民説明会への対応、福島からの働きかけや、全国との連携、最後にはXデーの際の全国結集での現地行動にまで話は及んだ。
尚、町民以外は厳禁の住民説明会は会場周囲にロープを張り巡らし、厳重警戒下で、参加者には身分証明書の提出を求めるなど、一種戒厳状態で行われるようだ。700人の町民が申し込みをしているそうだ。
2日目は朝からPR館の見学へ。1人、PR館の脇の階段を降り、そのまま進んで海岸へ。海水浴場が続き、その隣に大きな整備されたキャンプ場。海を隔てた向かい側に原発の施設の一部が見える。海から物資を搬入しているのかおおきなクレーンも。キャンプ場と道路の反対側には関電の3階建てレストハウスが建っている。上層部が利用しているとか。
町役場に向かうバスの降り際に、運転手さんははっきりと原発に反対であり、再稼働に反対だと言った。誰かが慌ててたんぽぽ舎作成の資料を手渡しに行く。
11時頃町役場に行き、町長(企画課が対応)と町議会(議会事務局が対応)に申し入れする。反原発自治体議員・市民連盟の申し入れ書を読み上げ、椎名さんが福島の現実を訴えて再稼働を認めないよう要請し、鈴木さんが浜岡原発に隣接する多くの自治体が永久停止を求めていることを説明し、経産省前テントひろばからも全国・全世界の人々の望みに沿うよう、そして若狭が3・11後の浜通にならないよう選択すべきことを訴えた。
申し入れを終えて、町役場の前で記念撮影をしていると、福島から弾丸バスで8人が到着。朝4時に出発してきたそうだ。佐藤幸子さん、佐々木慶子さん、そして若いお母さん達、男性2人は福島大の学生。一緒に記念撮影をする。福島隊はテント応援と福井県への申し入れに来たのであったが、こちらから連絡して急遽大飯町役場への合流となったのである。そのまま町役場に申し入れに行った。後ほどわかったことだが、この申し入れに熱が入り、1時間半程も話し込み、テントに向かう時間が無くなり、4時からの県への申し入れに向かったとのことであったそうだ。テントの皆さんにはまたの機会に。
今回の大飯行きは中味の濃いものであったと思う。帰りの電車の中で椎名さんは言った。また一つ、運動が前進したように思う、と。 ( Y・T )
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┗■2.「関西地方は原発ゼロでも
│ 真夏に電力不足は起こらない みんな安心して!!<下>
└────(週刊朝日2012.4.27号 緊急寄稿 広瀬隆)
・・・合わせて195万kWを長期休止中として整備をしない。現在は、まだ4月である。真夏までに3~4ケ月もある。普通の企業であれば、ただちに休止プラントの整備にとりかかり、稼働させるように必死になって取り組む。ところが電力会社は、サボタージュを決め込んで何もしない。要するに関電は、「火力を動かせば原発ゼロでも電力が間に合う」ことを知られないようにするため、火力の整備を行わないよう社内に指令を出している。
次は水力のトリックである。水力には一般の水力発電と、揚水発電がある。関電は黒部川、神通川、庄川、木曽川で331万kWの能力を持っているが、過大な渇水予測を立てて193万kWに小さく見積もっている(この数字は一応関電の言い分を認めることにする)。しかし、ピーク時に動かせる揚水ダムの能力は488万kWあるにもかかわらず、関電は270万kWとしているので、218万kW余剰が生まれる。揚水ダムは、もともと原発のためにつくられたものだが、深夜にわずかな火力を使って少量の水を汲み上げて水を満たせば、真夏の短時間の猛暑時に発電できる蓄電池である。小さく見積もる理由はどこにもない。
西日本は過剰な電力融通が可能
さて残る最大の問題は他社受電である。注意しなければならないのは、電力会社の供給能力が、自社の火力・水力だけではないことにある。すなわち、その地方地方にある民間の大企業が発電機を保有して、そこから電力会社に大量の電気を送って、毎年の電力需要を満たしている。それを、電力会社側では「他社受電契約」と呼んで、この電気も買い取って消費者に送電し、実際の電力需給計画を立ててきた。
この数字は、資源エネルギー庁のサイトで毎月の数字が公表されているので、ここ2年間の数字を調べると、非常に重要な事実が出てくる。それは、過去2年間で関電における最大の他社受電電力量は、今年1月における670.2万kWであった。つまり関電がこれだけの電力を購入した実績がある。今年は、1月13日に伊方2号機が定期検査入りして運転を停止し、1月27日に島根2号機が定期検査入りして停止したため、西日本の原発は、自社(関電)の高浜原発3号機だけが運転している状態であった。さらに2月になっても、関電は638万kWを他社受電で供給している。つまり、この他社受電には、原発の電力が1ワットも入っていない。
近畿地方の自家発電能力は、神戸製鋼所を筆頭に、資源エネルギー庁の認可出力表によれば、昨年9月末時点で677.0万kWあるので、関電が今年1月に民間から購入した電力670.2万kWとピッタリ合う。ところが関電が大阪府市に示した7.6%電力不足のデータでは、他社受電を517万kWしか計算していない。670-517=153万kWも値切っているのだ!!
残るは、ほかの電力会社からの融通可能な電力量である。関電は例年、四国電力から30万kWを融通してもらってきたが、自家発電の四国企業リストには、電源開発の橘湾発電所210万kW、大路製紙50万kW、住友共同電力25万kW、丸住製紙15万kW、しめて300万kWある。ここから四国電力の必要分を引くと、170万kWの余剰があり、これを四国地方から関電に融通できる。中国電力の余剰も昨年の実績で243万kWある。中国電力の8%余剰必要分は93万kWなので、243-93=150万kWは楽に関電に融通できる。つまり170+150=320万kWが融通可能だが、関電は121万kWしか計算していない。ここでも320-121=199万kWも値切っている。
以上から関電の供給力を総計すると(1)揚水218万kW、(2)他社受電153万kW、(3)融通199万kW、合計568万kWが上積み可能である。真夏の短時間のピーク時にも12.9%の余剰電力が実在するのだ。さらに7月に運転を開始する中部電力の上越火力発電所238万kWを計算すれば、西日本では過剰なほどの電力融通が可能である。
そもそも、関電は大飯原発の再稼働を必要としていないのだ。ストレステストそのものが必要ない。電力不足がおこらない事実を知っているからこそ、大阪府・大阪市、京都府、滋賀県が大飯原発再稼働に反対を主張してきたのである。(完)
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┗■3.保安院の信頼度、ツイッターより下。「3.11直後の情報源」自ら調査
└────(4月25日 朝日新聞より)
東京電力福島第一原発事故直後に信頼できた情報源は「経済産業省原子力安全・保安院」だったと答えたのは13%だったことが、保安院自身の調査でわかった。信頼度はブログ・ツイッターの23%よりも低かった。保安院は「東電の情報を右から左に流している、事故の技術的解説ができないと受け止められていた」と分析している。
調査は、今年3月、全国3345人にインターネットでアンケートした。
昨年3月11日~15日に事故の情報で、信頼できる情報源を3つ挙げてもらうと「テレビ・新聞」(39.8%)が最も多く、次いで「特になし」(38.5%)だった。「専門家のホームページ」(28.3%)、「ブログ・ツイッター」(22.9%)などが続き、「保安院」は12.7%で7番目。東電は4.6%で11番目だった。(後略)
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┗■4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◇大飯原発再稼働はイヤだ! 岐阜・愛知も 福井の原発の地元だ!
4月26日、貸し切りバスで、一緒に関西電力本店に行きましょう!!
4月26日(木) 8時30分 岐阜駅北口(ぱるるプラザ東)出発
(集合 午前8時20分(厳守)帰着は18時30分くらいを予定)
お申込・問合せは 090 - 9859 - 2296 (小森)
岐阜からバスを出し、関西電力本店にいきます。バス代無料.
すでに寄付によってバス代は確保されています。でもカンパ大歓迎です。
主催:さよなら原発・ぎふ http://ameblo.jp/611gifu/
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【編集部より】
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