「『嘉田新党』を考える シングルイシューではない」など-地震と原発事故情報
- 2012年 12月 5日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1681】
2012年12月5日(水) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「嘉田新党」を考える シングルイシューではない
作家 落合恵子さん(67)(12/3 毎日新聞「特集ワイド」より)
★2.高速「増殖」炉のウソを暴く 〈後半〉
-ウソつきはコソ泥の入口。大ウソつきは核戦争の入口-
(核開発に反対する会 槌田敦)
★3.新聞・雑誌から
◇「脱原発」7党、衆院選公示第一声 自民、維新は容認鮮明
時期、プロセス温度差(12日5日 東京新聞より)
◇山本太郎さん 8区から出馬へ(12/4 東京新聞より)
◇維新の原発政策は二転三転して分かりづらい(12月1日 毎日新聞より)
◇未来と社民が選挙協力合意(12月4日 朝日新聞より)
★4.本の紹介
◇一目でわかる危険な原発。もうやるめるしかない!
『日本全国 原発危険度ランキング』 原発ゼロの会[編]
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あす6日(木)19時から『金曜官邸まえ抗議行動よもやま話・第1回』
~その時官邸前は!~ お話:原田裕史さん、参加費800円
会場:スペースたんぽぽ、事前予約は不要です、直接会場へお越しください。
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┗■1.「嘉田新党」を考える シングルイシューではない
│ 作家 落合恵子さん(67)
└────(12月3日 毎日新聞「特集ワイド」より)
私が呼びかけ人の一人をしている「さようなら原発1000万人アクション」に
は脱原発を求める約820万人の署名が集まっている。人々の間で「総選挙で
投票する先がない」という絶望感や浮遊感が深まっていたが、「未来」の誕生
を受けて、ようやく一票で意思表示できる」と喜ぶファックスやメールが私の
元にたくさん届いている。
シングルイシューでの結党が批判されているが、原発事故が起きれば経済、
雇用、教育、社会保障などあらゆる分野に影響が及ぶ。また「脱原発」を訴え
る人々は「原発ゼロ」を実現すると同時に、これまで原発を維持してきた社会
の「原発的体質」、つまり安全神話を垂れ流した原子力ムラの体質や、自分た
ちの生き方を変えようとしている。「脱原発」は社会構造を変える試みであり、
決してシングルイシューではない。(中略)
有権者にできるのは「民意はここにあり」と一票で表すことだ。小沢一郎さ
んの影響を案じる声は確かに強い。今回の結党には改めて「剛腕だなあ」と思
った。ただ、小沢さんが「脱原発」を掲げる以上、私は彼らも「脱原発」を求
める人々だと受け止めたい。つかの間エンターテインメントのように選挙を消
費するのではなく、選挙後も監視が必要だ。「脱原発」がスローガンに終わっ
たら、次の一票でまた答えを示せばいい。
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┗■2.高速「増殖」炉のウソを暴く 〈後半〉
│ -ウソつきはコソ泥の入口。大ウソつきは核戦争の入口-
└────(核開発に反対する会 槌田敦)
(前号からつづく)
【増殖が始まるのに16年かかる】
高速増殖炉は使った燃料より作り出す燃料の方が多いと、これまで宣伝され
てきた。多くの人々はこれを信じて、高速増殖炉研究の意義を認めた。しかし、
これはまったくのウソだった。
国際核燃料サイクル評価(INFCE)は、1980年、高速増殖炉(100万kw、70%稼
働)のプルト(Pu)収支を報告していた。(この文ではプルトニウムのことをプル
トという。ウラニウムをウランというのと同じである)。
このINFCE報告によれば、表1が得られる。ここで、分裂性プルトとは、質
量数が奇数のもので、核分裂するPu239と241のことである。この表1によれば、
年間209キロ増えるから増殖することになるという。
表1 分裂性プルト(kg)の収支
初期投入 年間投入 年間回収 年間利得
3230 1292 1501 209
【まったく無意味な高速増殖炉】
しかし、運転開始の時に投入したプルトが忘れられている。その量は3230キ
ロだから、これを年間の増える量209キロで割ると、15.4年かかる。つまり、
増殖になるのは、16年目からである。そして、これを続けても2倍に増殖する
ことはできないのである。
作業年数を無限年としても得られる量は、投入した量のせいぜい16%増にし
かならない。寿命を40年とすれば、その一生を費やしてもプルトを9%増やす
ことしかできない。
その間に消費したプルトは55トンであって、それを40年かかって60トンにで
きる。これでも増殖と言うのだろうか。高速増殖炉計画はまったく無意味なの
である。
さらに、この増殖は再処理工程で、プルトの損失がないことを前提にしてい
る。仮に、プルトの再処理回収効率が90%とすると、年間回収量は1351キロと
なるから増殖になるのに55年かかる。これは、高速増殖炉の寿命を超えている。
寿命の40年では、投入量が55トン、算出量が54トンで収支はマイナスとなる。
これは中学生程度の数学の問題としても面白いから、計算を試みていただきた
い。
そのうえ、現在の技術では、炉心の再処理はできない。その理由は、高速増
殖炉では、使用済み燃料の中にある白金族の元素が妨害して使用済み炉心燃料
を硝酸で溶かすことができないからである。したがって、得られるものはブラ
ンケットのプルトだけで、その量は年間238キロでしかない。年間投入量が
1292キロだから、まったくの赤字である。
【もんじゅ開発の真の理由は核武装準備】
それにもかかわらず、増殖というウソを掲げ、ニセもんじゅを運転し、その
使用済みブランケットを再処理しようとしている。その目的は、ブランケット
から、純度98%の超兵器級プルトが得られるからである。それ以外に説明のし
ようがない。
2010年12月、文科省に対して、参議院福島みずほ議員より、ニセもんじゅの
プルト収支のデータを請求したところ、回答は拒否された。増殖しないことが
ばれるのを恐れてのことである。(その後、福島事故で折衝は中断し、この追
及はこれからである)。
呪文の「増殖する原子炉」を吹き飛ばすことこそ、今問われている。これをニ
セもんじゅ廃炉運動の中心に据えていただきたい。
(参考資料:国際核燃料サイクル評価(INFCE)報告書(1980))
<完>
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┗■3.新聞・雑誌から
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◆「脱原発」7党、衆院選公示第一声 自民、維新は容認鮮明
時期、プロセス温度差(12日5日 東京新聞より)
東日本大震災後、初の大型国政選挙となる第四六回衆院選は4日公示され、
16日の投開票へ12日間の選挙戦が幕を開けた。大争点は、東京電力福島第一原発
事故を踏まえた原発・エネルギー政策。十二党の党首らの公示第一声では、7人
が「脱原発」を掲げ、2人が容認姿勢を鮮明にした。(後略)
◆山本太郎さん 東京8区から出馬へ
(12月4日 東京新聞・衆院選特設ホームページより)
脱原発の活動を続ける俳優の山本太郎さん(38)は三日、自身のツイッタ
ーで「杉並で戦う。石原伸晃さん(自民前幹事長)の選挙区」と述べ、東京8
区から出馬する意思を明らかにした。
山本さんは「新党今はひとり」を結成し、衆院選の立候補を表明していた。
具体的な選挙区は明らかにせず、「脱原発、反環太平洋連携協定(TPP)、
反増税をはっきり言う党と共闘したい」と話していた。
◆維新の原発政策は二転三転して分かりづらい(12月1日毎日新聞より抜粋)
<前略>
---最終的に、原発を「フェードアウト、消滅させる」という結論になった
ようだが、石原氏は持論である核保有オプションを持てなくなるのではないか。
石原氏 フェードアウトって、どういうことですか?
--消滅ということだ。
石原氏 原発をか?
--維新の会の公約にそう書いてある。
石原氏 いや、それは違う、それは直させた。シミュレーションの中で原発と
いうものもトータルで考えていくことで…。
--公約は直っていない。直させてください。
石原氏 分かった。
--自民党の原発公約は問題の先送りではないか。
安部氏 この問題は白か黒ではない。仕事も病院に供給する電力が必要だ。開
発されていない再生エネルギーにすべてを依存するわけにはいかないし、イノ
ベーションがうまくいくか、今は断言できない。今やめれば日本の原子力技術
者は外に出ていく。考えに考え抜いた結論だ。軽々に原発をゼロにするとは、
私たちは言わない。これが責任のある政党の姿だと思う。<後略>
◆未来と社民が選挙協力合意
(12月4日 朝日新聞より)
日本未来の党と社民党は3日、脱原発など両党で共通する政策の実現に向け、
衆院選で可能な限り選挙協力を行うことで合意した。今後、双方が推薦を出し
合うことなどを調整する。
未来の森ゆうこ副代表と社民党の又市征治副党首が3日、「競合を極力避け、
可能な限り相互に支持・支援を行う」とする合意書に署名した。
合意書には、1)脱原発基本法案 2)消費増税廃止法案 3)TPP(環太
平洋経済連携協定)交渉参加の反対--などの政策で、両党は共通認識に立っ
ている、としている。
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┗■4.本の紹介
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◆一目でわかる危険な原発。もうやるめるしかない!
『日本全国 原発危険度ランキング』 原発ゼロの会[編]
12月7日に『日本全国 原発危険度ランキング』(合同出版)が出ます!
A5判並製/60ページ/630円税込。編者は原発ゼロを目指す超党派国会
議員グループ「原発ゼロの会」。「22基の危険度ランキング」「即時廃炉
にすべきと考える28基」を一目でわかるように示し、危険と考える根拠や
考え方をわかりやすく解説。原発ゼロへのシミュレーションも示しています。
再稼働を許さず、選挙で脱原発を選ぶ根拠にもなる本です。
全国書店では12月13日発売です。
問い合わせ:合同出版編集部 八尾 e-mail:yao@godo-shuppan.co.jp
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1-28
電話:03-3294-3506 FAX:03-3294-3509
ホームページ http://www.godo-shuppan.co.jp/
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