大惨事招いた笹子トンネルのズサンな管理
- 2012年 12月 6日
- 時代をみる
- 池田龍夫
中央自動車道の笹子トンネル(山梨県大月市)で12月2日起きた天井板崩落事故は、死者9人を出す大惨事となった。横6㍍の天井板が突然崩れ、連動して132㍍にもわたって天井板が崩落。通行中の車を押し潰して火災が発生、煙も充満して救急作業は難航した。
笹子トンネルが開通したのは1977年。コンクリート製の天井板を金具で吊って高さ約5・3㍍のトンネル最上部に固定していたボルトが抜け落ちて、崩落につながったことが確認された。崩落したコンクリート板は約330枚・360㌧の物凄さだ。
肝心のボルト接合部については双眼鏡による目視検査だけで、打音検査は開通以来35年間一度も行っていない。しかもボルトを交換したこともなかったというメンテナンスのいい加減さに驚かされた。他の高速道路会社、航空会社やjR各社などは、ハンマーを使って主要部分の打音検査励行しているというから、中日本高速道路会社の無責任さは厳しく追及しなければならない。
国土交通省は12月3日、吊り天井のある全国のトンネル37カ所・49本の緊急点検を命じたが、作るだけでなく維持管理の重要性を肝に銘じてほしい。
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