【緊急署名】避難基準に福島原発事故の実態を! 7日間50mSv、年20mSvは高すぎる 緊急防護準備区域(UPZ)30kmは狭すぎる
- 2012年 12月 29日
- 評論・紹介・意見
- フクシマ事故の実態考慮を満田夏花非難基準
みなさま(拡散歓迎)
すでにお伝えした通り、原子力規制委員会は、現在急ピッチで、原発事故
がいざ生じたときの防災計画策定のための避難基準を検討しています。
ところが、現在の案では、事故後数時間は毎時500μSv(7日間50mSv)、
その後は毎時20μSv(年20mSv)と高い避難基準が設定されています。
(メディアは、規制委の説明をうのみにして、IAEAの異常に高い基準、
すなわち毎時1000μSv、7日間100mSvと比較して、「国際基準より厳しく」
などと報道していますが、これは比較する方が誤りでしょう。)規制委が
踏まえなければならないのは、IAEAの異常な基準ではなく福島の実情その
ものです。
防災計画を策定する範囲のUPZ(緊急防護準備区域)は30kmのままですが、
これはあまりに狭すぎます。計画的避難区域とされた飯館村は福島第一原
発から40~50kmでした。同村に避難指示が出されたのは、事故後一カ月以
上たったときであり、その間、村民の方々は、事故後もっとも高い線量を
示した期間、無用の被ばくを強いられました。
さらに、政府が定めた年20mSvという基準により、多くの方々が「自主的」
判断のもとでの避難を余儀なくされています。このような実状は、今回の
避難基準には何一つ反映されていません。それどころか、防災指針で問題
の多い年20mSvを正当化してしまいます。この問題を追及していくいくこ
とは、うやむやにされている福島原発事故による住民の被ばくの責任の追
及でもあり、原発の存在の根本そのものを問うことになると思います。
これは私たち自身の問題です。
多くの声で、このようなでたらめな避難基準の見直しを求めていきましょ
う。署名運動を行っています。ぜひご協力ください。
※なお、現在の案では避難基準の他にも食物制限基準などが記されていま
す。これはこれで大きな問題だと思いますが、今回は避難基準に焦点をあ
てた署名としました。
———————————————-
【緊急署名】避難基準に福島原発事故の実態を!
7日間50mSv、年20mSvは高すぎる
緊急防護準備区域(UPZ)30kmは狭すぎる
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/750msv20msv-upz.html
———————————————-
オンライン署名フォーム: https://fs222.formasp.jp/k282/form1/
補助フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/6fd4c23135853
団体署名はこちらから: https://pro.form-mailer.jp/fms/87992e8335813
紙フォーム(添付):https://dl.dropbox.com/u/23151586/121228_20mSv_shomei.pdf
一次締め切り:1月9日(水)23時
二次締め切り:1月15日(火)23時
三次締め切り:1月28日(月)朝10時
—————————-
2013年1月 日
原子力規制委員会 委員長 田中俊一様 委員各位
【緊急署名】避難基準に福島原発事故の実態を!
7日間50mSv、年20mSvは高すぎる
緊急防護準備区域(UPZ)30kmは狭すぎる
要請事項:
1. 30kmのUPZの範囲を拡大すること
2. 7日間50mSv、年20mSvという緊急時避難基準、早期防護措置の一時避難
基準を見直すこと。
3. 福島原発事故後に取られた避難政策を検証すること。このため、被災
住民、避難者のヒアリングを実施すること
4. 防災指針や避難基準に関して、懸念を有する市民の声を広くきくため、
公聴会を開催すること。
5. 拡散シミュレーションをやり直すこと
【背景および要請理由】
12月27日、原子力規制委員会の「第5回原子力災害事前対策等に関する検
討チーム」会合で、下記の基準が示されました。
・原発事故時の緊急時の避難基準として500μSv/時、包括的判断基準と
して実効線量50mSv/週→数時間内を目途に区域を特定し、避難等を実施
・早期防護の一時移転基準として20μSv/時、包括的判断基準として実効
線量20mSv/年→1日内を目途に区域を特定し、1週間内に一時移転を実施。
(出典:12月27日開催「第5回原子力災害事前対策等に関する検討チーム」資料4)
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/pre_taisaku/data/0005_04.pdf
原子力規制委員会は緊急防護準備区域(UPZ)を30kmとしており、この範
囲内の自治体は3月18日までに地域防災計画を策定することとなっています。
しかし、福島原発事故後の現実や、被ばくの影響を考えれば、この避難基
準はあまりに高すぎ、30kmのUPZの範囲設定はあまりに狭すぎます。30km
で不十分なことは、原子力規制委員会による拡散シミュレーションからも
明らかです※。
計画的避難区域とされた飯館村は福島第一原発から40~50kmでした。
同村に避難指示が出されたのは、事故後一カ月以上たったときであり、そ
の間、村民の方々は、事故後もっとも高い線量を示した期間、無用の被ば
くを強いられました。
また、福島第一原発から60km以上の地点でも、事故後20μSv/時以上(福
島市で24μSv/時)を観測しました。事務局が示した基準を前提としても
30kmの外側についても「避難」の範囲が及ぶことは明らかです。
さらに、今回の防災指針や30km圏の設定には、放射性雲(プルーム)の影
響は考慮されていません。
放射線管理区域の基準(実効線量が3月あたり1.3mSv)が年換算5.2mSv、
毎時換算0.6μSvであること、チェルノブイリ事故後生じたさまざまな疾
患を考えれば、避難基準としての20μSv/時(年20mSv)は高すぎます。
福島原発事故後、国が示した「年20mSv」という基準による避難区域の外
側では、多くの人々が自主的判断のもとでの避難を強いられました。
今回の原子力規制委員会の検討はあまりに拙速です。
10月に策定された防災指針はパブリックコメントにすらかけられませんで
した。原発事故によって、最も被害を受けるのは近隣の住民であり、被害
の範囲は全国民に及びます。
原子力規制委員会は、福島原発事故の実態をふまえるため、被災住民から
の聴き取りを行うとともに、広く懸念を有する市民の声をきくべきです。
※原子力規制委員会による拡散シミュレーションでは、100mSv/週という
異常に高いIAEA基準でも30kmを超える地点が多くあります。今回採用され
ようとしている避難基準50mSv/週や20mSv/年の範囲が30km圏を大きく超
えて広がることは明らかです。予測される空間線量率上位3%をカットす
る「規制庁方式(97%値)」ではなく、「100%値」で試算すれば、この
ような地域はさらに広範囲にわたります。このような視点から拡散シミュ
レーションを見直し、やり直すべきです。
以 上
※参考記事:
これでいいのか?防災指針
緊急時の避難基準…500μSv/時(7日間50mSv)、早期防護の一時移転基
準が20μSv/時(20mSv/年)、UPZ…30kmの矛盾
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/500sv750msv20sv.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion1124:121229〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。