連帯・共同ニュース――秋深し隣も集会やデモに出掛ける人ならん!(第74号)
- 2010年 9月 11日
- 評論・紹介・意見
- 三上治
秋深し隣も集会やデモに出掛ける人ならん!(連帯・共同ニュース第74号)
2010年9月10日
■ 若者たちと「新宿ど真ん中デモ」で汗を流していたのは8月の終わりだったが、今は9月15に決まる民主党代表選挙の最中である。僕らは二人が沖縄普天間基地問題や日米関係にどのような方向を語るのか固唾を飲む思いでいたが、どうも話は芳しくない。菅首相のほうは日米両政府の合意の履行という予想された話しか出てこないが、小沢一郎の方も沖縄とアメリカの納得の行く案を考えるというに留まっている。この間、アメリカとの厳しい緊張関係の中にあった小沢にすればここが精いっぱいであり、見直すと語った点を評価するほかないかも知れない。いずれにしても僕らは政府に日米共同声明の撤回と普天間基地撤去―辺野古新基地断念を迫るしかない。
■ 沖縄では名護市の市議選に続いて知事選が控えており、沖縄現地の闘いは重大な局面を迎える。沖縄知事選は沖縄だけでなく、日本の今後に大きな影響を与えることは誰もが語ることであるが、僕らのなしうることについて検討中であり決まり次第お知らせする。9条改憲阻止に会が協賛したり、実行委員会に参加したり、あるいは会の面々が加わっている集会などがある。ぜひ、参加をして欲しいと思う。
■ 集会等の予定。9月18日(土)13時「普天間基地から見えてきた日米安保本質 沖縄・安保米軍基地問題を考える―埼玉シンポジウム」パネリスト「井原勝介(前岩国市長)・安次富浩(名護ヘリ基地建設反対協議会共同代表)・松元剛(琉球新報政治部長)」、沖縄の踊り(エイサー隊)、DVD上映等もある。場所・埼玉会館(JR浦和駅西口)、参加費900円(学生500円)、主催;9条の会・さいたま。多くのグループが協賛している。9月26日(日)14時~「普天間即時撤去・辺野古新基地やめろ、海兵隊要らない」第二期へ 沖縄・緊急意見広告運動スタート 報告と問題提起 安次富浩(名護ヘリ基地反対協議会共同代表)、発信と討論など。中野サンプラザ(7F研修室10)参加費800円[学生・非正規500円]問い合わせ先 東京事務所03-6382-6537。10月9日(土)午前11時「沖縄とともに声をあげよう横田基地もいらない!
10・9市民交流集会」午前11時 映画『流血の砂川』上映、午後1時市民交流集会、15時30分~デモ、福生市民会館大ホール、入場無料。主催:10・9市民交流会実行委員会。10月24日(日)18時30分「ペシャワ―ル会中村哲医師講演会」場所:京葉銀行文化プラザ音楽ホール(予定)、JR千葉駅東口3分(日程と場所が変更になりました)。 (文責 三上治)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion131:100911〕
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「新宿ど真ん中デモ」から秋の闘いははじまるのだ(連帯・共同ニュース第73号)
2010年8月30日
■ 「昔恋しい銀座の柳 仇な年増を誰がしろ……」(東京行進曲)は日本の最初の流行歌であるが舞台は関東大震災後の東京の中心街に成り始めた新宿である。紀伊国屋や中村屋がなどの現在の街の原型ができあがったのはこのころで昭和の初めである。この歌の四番は当初は「長い髪してマルクス・ボーイ 今日も抱える<赤い恋>…」であった。昭和の初め新宿は当時全盛のマルクスボーイ・エンゲルスガールが闊歩する街でもあった。プロレタリア文学や新感覚派という前衛派がたむろする街でもあったのだ。これは風俗といえば言えるのであるが、この若者と時代の先端の街・新宿で行われたのが「新宿ど真ん中デモ」である。にぎやかな若者たちのデモは沖縄の地域住民の琉球の自己決定権を目指した闘いに呼応したものであった。沖縄に比して本土の普天間基地撤去の闘いも、日米両政府の辺野古新基地要綱(工法、場所)決定の動きに抗する闘いも遅れていることは確かである。これは多くの人の認識するものである。こうした中で「新宿ど真ん中デモ」は突破口に位置するものであり、可能性として希望をもたらしてくれるものである。
■ 沖縄では名護市の市議選と知事選という二つ選挙がある。この選挙が普天間基地移設問題に重大な影響のあることは日米両政府の共同声明の処理過程にも現れている。辺野古につくるとされる代替施設の具体案は2案併記にしているのである。これは沖縄知事選を睨んでのことといえる。日本側は滑走路を一本にした「I字安」を提起し、アメリカ側は従来の「V字案」であると伝えられている。これは日米両政府が沖縄の現地の反対を考慮し、彼らが知事選の動向を勘案していることを意味する。沖縄知事選については、かつて自民党に近い稲嶺知事側に三億円に上る官房機密費が流されたことが話題になっている。当時の副官房長官であった鈴木宗男が証言しているのだが、政府側の工作が生々しく浮かびあがる。官房機密費がこのように使われることは過去のことではない。もちろん、こうした動きは政府や官僚、与党の沖縄懐柔策の氷山の一角であり、これに類することが今回の知事選で行われると見なければならない。僕らはこの動きを監視しつつ、どのように対抗しえるのか(?)
■ 集会等の予定。9月4日(土)「講演と全体会議、講演・斎藤勁<高まる在沖海兵隊不要論>14時、自治労会館、伊達判決を生かす会」9月18日土)「普天間基地から見えてきた日米安保本質」時間・13時、場所・埼玉会館(JR浦和駅西口)9条の会・さいたま主催。(文責三上治)
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〔opinion109:100830〕
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日米関係の見直しこそが時代閉塞打破の突破口だ(連帯・共同ニュース第71号)
2010年8月26日
■ 何をめぐる争いか伝わってこない感のした民主党代表選挙ですが、小沢一郎の出馬が決定したようです。これからはそれが明瞭になってくるのでしようが、日米関係の見直しをはっきりさせていってもらいたいと思っています。戦後史の中では対米協調という枠組みの中で、吉田茂と岸信介の路線は二つの流れを作りだしてきましたが、バブル経済が弾けた後の「失われた10年」以降は岸信介の路線が主流をなしてきました。小泉―安倍はその象徴だったのですが、政治的にはアメリカの軍事路線の追随、日本の軍事態勢の強化[自衛隊の海外派兵や集団自衛権行使拡大の模索]や憲法改定の動きでした。経済的には新自由主義の導入とアメリカ経済の模倣でした。これらがさらに「失われた10年」に結果し、日本社会に格差拡大など矛盾と不安をもたらしています。対米協調は日米同盟ということに置きかえられるのですが、この枠組みの中で一層の追随か見直しかというところが菅と小沢の政治構想の対立にはあるように思います。
■ 合宿でも現在の日本社会の状態がアメリカ模倣[目標と追随]の結果であり、その矛盾とひずみが社会の各方面で顕著になってきたという話もでました。政権は変わっても小泉―安倍の路線は続いているのです。これは旧政権が合意した辺野古新基地建設が日米政府の合意として進められようとしていることでも明瞭です。日米関係の見直しは、大きな枠組みでは日米同盟論や安保条約の見直しになりますが、突破口というか、現在の焦点は沖縄の普天間基地移設と辺野古新基地建設問題です。僕らは日米政府の共同声明の撤回と普天間基地海外県外移転をあらためて追求することになります。合宿では名護市の市議会選挙や知事選挙の重要性が提起され議論となりました。基本的に現地の要請に応えるということになりますが、これが今秋の大きな政治目標になること、本土でなすべきことが議論されましたが、今後その具体策が詰められていくことになるのでしよう。合宿では今春の闘いで実感した沖縄と本土での落差ということが俎上に上がりました。当然のことですが、この問題ではせめて広がりのある共同行動が取れないかというのが共通の思いでした。「大同に」をこの問題では実現したいものです(次回に続く)。
■ 8月27日(金)「沖縄に基地はいらない!日米安保もいらない!新宿ど真ん中デモ」18時街頭宣伝、19時30分デモ出発、ともに新宿アルタ前広場。8月28日(日)「沖縄切り捨てを許さない8.28東京集会」。18時30分、文京区民センター3A会議室。 (文責 三上治)
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〔opinion104:100826〕
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合宿はなによりも楽しくそれだけでも十分ですが…(連帯・共同ニュース第70号)
2010年8月25日
■ 高校野球も終わり朝夕は秋の気配が感じられるのが例年ですが、今年は酷暑が続きます。こりゃなんだ、というつぶやきが出てしまうのですがみなさんどうお過ごしですか。8月22日(日)、23日(月)と恒例の合宿も終わったところです。報告を3回に分けて行います。
■ 合宿の今回のメーンテーマは「日米同盟」をどうとらえるかでした。日米同盟は戦後の日米関係を表現する安保条約(日米安保条約)に矛盾するものではありませんが、その時代的変化を隠す形で出てきたものです。1951年の旧安保条約も、1960年の新安保条約も占領状態の継続を合法化するものであり、片務的で不平等のものでした。アメリカの特権の保障とアメリカの対日支配の性格を色濃く残すものでした。安保条約に対する国民の不満は強く、これが憲法に規定された国家理念に反すること[憲法違反]は明瞭でした。これに対して日本政府や支配層は国際共産主義の脅威(侵略の脅威)という冷戦的論理を援用し、それで包み込むように対応してきました。しかし、冷戦構造が崩壊する中で、冷戦的論理は効力を失い、アメリカの安全保障―軍事的世界戦略は変化しました。テロ脅威論と中国脅威論です。ある意味でここには冷戦的論理の再編があるのですが、こうしたアメリカの世界戦略の再編に対応して出てきたのが日米同盟論です。
■ これは日米安保条約を政治的に包んでいた冷戦論を補うものです。日米同盟は条約ではありませんし、その意味では抽象的なのですが、テロと中国の脅威に同盟して対抗するというものです。冷戦時代の国際共産主義の侵略[脅威]からの防衛という中には中国も含まれていたのですが、その後に日本もアメリカも中国と友好条約を結んでいます。その意味で中国脅威論は曖昧ですが、テロ脅威と同様に脅威論はそれが曖昧だから効力を持つという政治的面があります。これに対抗する日米同盟は何に対する同盟であるか明瞭ではないのですが、アメリカの世界戦略に日本が追随するものであることは明慮です。そして、ここでは海外派兵の恒常化、集団自衛権の行使の領域拡大、武器輸出の条件緩和等が構想されています(イデオロギー的には積極的平和主義)。これは憲法改正とも結びついていきます。(続く)、(報告をニュースにします、連絡を)。
8月27日(金)「沖縄に基地はいらない!日米安保もいらない!新宿ど真ん中デモ」18時街頭宣伝、19時30分デモ出発、ともに新宿アルタ前広場。8月28日(日)「沖縄切り捨てを許さない8.28東京集会」。18時30分、文京区民センター3A会議室。 (文責 三上治)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion099:100825〕
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