慰安婦問題、国連の批判が強まる
- 2013年 6月 8日
- 時代をみる
- 池田龍夫
橋下徹大阪市長の〝慰安婦発言〟は世界の顰蹙を買っているが、国連の拷問禁止委員会は5月31日、旧日本軍の従軍慰安婦問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とする勧告をまとめた。この勧告では、元慰安婦に対する公的保障や関係者の訴追が行われていないことに懸念を表明。また、日本政府に対し、全ての歴史教科書に慰安婦問題を含めるよう求めている。これまで政府が無視してきた〝負の歴史〟が暴かれた格好で、まことに恥ずかしいことだ。
ちょうど来日中の蕃基文国連事務総長に朝日新聞がインタビューし、6月3日付朝刊に掲載された。「国際社会は橋下発言や釈明に納得しない。日本の指導者は、戦時中に苦しんだ人々の痛みに非常に繊細であるべきで、思いやりのある支援をするべきだ」などと語った。また、安倍内閣の閣僚らの靖国神社参拝について懸念していると述べ、「中・韓など周辺国に否定的な反応を引き起こしている。日本の政治指導者はこのことを自覚すべきだ」とも警告した。政府は真剣に受け止め、早く世界に〝謝罪文〟を発信すべきである。
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