連帯・共同ニュース2010年10月6日 第78号
- 2010年 10月 9日
- 評論・紹介・意見
- 9条改憲阻止の会沖縄基地反対集会
基地の存在をめぐる想像力が戦いのキ―をなす
■ 僕らはこの首都の郊外に鎮座する横田基地にどのようなイメージを持っているのだろうか。
この基地周辺に住む住民はともかく、東京や関東圏の住民はこの広大な基地の名前は知っていても、この地域にすむ人たちが基地とどんな風に向かいあって暮らしているかも知らないのではないか。これが現実ではあるまいか。ある意味では沖縄の新基地予定地とされる辺野古よりもはるかに遠い存在として横田基地などはあるのだ。この一見すると逆転したように存在している意識状況は首都圏に存在する基地群に対する戦いの現状を規定しているように思う。
■ 基地周辺に生活し、そこで暮らす人々の声がなければ首都圏に住む人々にこの基地の問題は
伝わりにくい。それが偽らざることかも知れないが、逆のことも言えるかもしれない。基地の存在を意識しないで暮らしている人たちがこの存在を意識するようにならなければ、基地と向かいあって暮らしている人達の声や怒りは孤立の中に留まらざるをえないと。この基地周辺の人々とその存在を意識しないで暮らす人たちの関係は大きくは沖縄と本土の関係といえるが、これをどう破るか。そこに突破口が開かれなければ、基地撤去やその改善をめざす運動の進展はないといえる。普天間基地をめぐる問題は沖縄と本土の関係を変えた。あるいは変えつつある。ここに普天間基地をめぐる戦いの展望は切り開かれているが、これは首都圏の基地周辺の住民とそうでない住民の関係を変えて行くことの必要を示唆しているように思える。僕はこの集会に参加する人たちがここに思いをめぐらして欲しいと思う。簡単に新しい運動の構想やイメージは出てこないだろうが。願わくば、この集会が参加する人たちがこの自問を持ちかえり自答をして欲しい。それは今日の集会の意義であり、それは種となってあちらこちらで実を結ぶかもしれない。沖縄からはじまった声が横田や首都圏の基地撤去に結びつくための第一歩はここから始まるために。
■ 深まる秋の中で様々な集会がある。その一部を紹介する。
10月10日(日) 「新宿ど真ん中デモ」 13時30分、新宿アルタ前広場、15時デモ出発。何弾にもわたって展開され今注目されるデモ。10月22日(金)「普天間基地撤去・辺野古移転阻止、知事選勝利をめざす大集会」(伊波洋一・宜野湾市長講演)18時30~20時30、場所:文京区民センター3A、知事選の候補者の伊波さんの講演に注目。10月23日(土)「映像とシンポで日米安保体制と沖縄の自己決定権を考える」 18時~21時、文京区民センター3A。(文責三上治)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion166:101009〕
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