米無人機攻撃に続き、独首相の携帯電話盗聴騒動
- 2013年 10月 25日
- 時代をみる
- 池田龍夫
内政問題で苦境に立たされているオバマ米政権は、外交でも迷走を続け、国際的非難が高まっている。〝独善外交〟を軌道修正しないと、同盟関係にも影響しそうだ。
米軍無人機のパキスタン攻撃については本欄10月23日号で問題提起したが、訪米中のシャリフ・パキスタン首相は23日、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談。米国がテロ容疑者を目的にパキスタン国内で続けている攻撃で市民に犠牲者が出ていることに抗議、直ちに攻撃を中止するよう要請した。
両首脳は会談後、経済・防衛・テロ対策などに関する共同声明を発表し「両国関係は主権と領土保全の尊重という基本原則に基づく」との一文を盛り込んだものの、米側からは無人機問題への言及はなかったという。
また、ドイツ政府の報道官が23日声明を発表。「米情報機関がメルケル首相の携帯電話の通話を盗聴していた疑いがあるため、首相がオバマ大統領に電話で説明を求めた」との由々しき外交問題を、各紙24日付夕刊が伝えた。これに対し、米大統領報道官は「メルケル首相の通話を傍受していない」と否定したが、独誌シュピーゲル(電子版)によると、盗聴対象は首相の私用携帯電話で、数年間にわたって盗聴が行われた形跡があるという。
長年同盟関係にある米国とドイツが反目するようになれば、国際政治に及ぼす影響は極めて重い。エスカレートしないよう厳重な歯止めが必要だ。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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