沖縄現地からの通信 高江での攻防戦から(3)
- 2013年 11月 23日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2013年11月23日 連帯・共同ニュース第318号
11月19日(火)
朝から工事請負会社丸政のRV車がしきりに70号線を往復する。我々の守備体制の手薄な場所を検証している偵察車であることは間違いないがないが、さりとて誰何するわけにも行かずに見ているばかりである。実に往復5回及ぶ。何度かは作業員8人を乗せた車がRV車に従いてくる。支援者の体制に対し挑発的な陽動作戦であることは眼に見えている。慌てて作業人がその8人乗って車を追いかけて行けば、それによって支援者の体制の乱れに乗じて出来た守備体制の穴を突いて、基地へ潜り込むことは必死である。連中の陽動作戦に乗らなかったことが功を奏して、丸政はついに引き上げた。しかし一昨日、昨日と連中は工事をしていない。土、日を加えると四日間も工事をしていないことになる。このまま連中が指を咥えているはずはない。今後一番注意すべきは、支援者の体制が手薄になる夕方七時から基地のゲートが閉まる九時の間である。午後の一定の時間に午睡を取り休養する事が必要であると判断する。ある支援者はRV車に気を取られている間に獣道から基地へ侵入されたと言うが夜間の見張りも実行しよう。
森の番人NPO「やんばるの自然を歩む会」代表の玉城長正氏がメインゲートにきて、小生達と一緒に座り込んだ。長正さんのヤンバルへの思いは一方ならぬものがあり、中学生の時から73歳になる今日までおよそ60年間の経験談を聞くだけでも時間を忘れて夢中になる。長正さんが発見した欄などの新種は数知れず写真を見るのも楽しい(門外漢の小生には難しい説明は無駄な部分もあったが)。数冊の植物や動物の珍しい生態に驚く。たぶん諸氏が見たことがないであろう写真を数枚、ご覧に入れたい。文枝を持ったヘゴの樹#5470、捕食中のノグチゲラ#5471、木の枝で睡眠中のヤンバルクイナ#5472、ヤンバルテナガコガネ#5476、トゲイモリ#5477、リュウキュウアオヘビの愛の交歓#5485等今日は一日工事の音は聞こえてこなかった。
午後七時。真の闇、70号を仲間の車でひた走る。約5キロ。ゲート前に着く。ゲートを照らす街灯が二基、見張りテントに吊された小さなLEDカンテラが四基。他に光はない。見張りは、Y氏、I氏、M氏小生。小生が帰る九時にKM氏が来る。小生以外は基地前に車中宿泊をするという。
七時―九時の間に丸政を含む民間の車は基地へ這入らなかった。基地へ這入ったのは燃料タンク(もしくは飲料水タンク)を引いた軍用トラック(母衣をかぶせた)一台。もし、トラックの中に作業者を隠していれば我らにはどうしようもいない。軍用車を停車させるにはそれ相当の覚悟がいる。何事も無かったのだろう。今日の成果は、明日、作業音を聞くかどうかだ。
こうして深夜の行動は終わった。基地のゲートが閉まった。(文責 富久亮輔)
[お断り、写真の掲載は発送などの事情もあってできません。想像でというのも野暮ですが、ごめんなさい、そのうちに写真も送れるようにします]
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。