2014年年頭のご挨拶 -正念場の年になりそうな予感の中で-
- 2014年 1月 1日
- 時代をみる
- リベラル21編集委員会
リベラル21をお読みくださっている皆さん、寄稿してくださっている皆さんに新年のご挨拶を申し上げます。あけましておめでとうございます。
本ブログがスタートしたのは2007年春のことでしたから、おかげさまで7回目の新年を迎えられました。書くこと以外、手になにも持たないわれわれがこれだけの期間、執筆者と読者の関係を続けられるとは、正直なところ当時は予想もしませんでした。ありがたいことと思うと同時に、今の世の中に発言することの責任を感じています。
と言いますのは、7年前の春も安倍晋三氏が首相の座にありました。氏は前年の9月、小泉純一郎氏から政権を引き継ぐや、「美しい国・日本」を掲げて、憲法改定や教育改革などを前面に掲げて、すぐさま「国と郷土を愛する態度の育成」などを盛り込んだ教育基本法の改正、また防衛庁の省への昇格を実現しました。国民は氏の暴走の行方に危惧を抱きました。
われわれのブログはそういう不安の中に生まれ、安倍内閣批判を大きな課題としてスタートしたのでした。今またわれわれは同じ状況の中にあります。というより、もっと差し迫った危険の中にいると見るべきでしょう。
防衛予算を増額し、国家安全保障戦略、新防衛大綱、中期防衛力整備計画を相次いで策定し、世論の反対を無視して脱兎のごとくに特定秘密保護法を制定しました。そして先日の靖国神社参拝です。今年は集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の見直しが「積極的平和主義」の旗のもとに矢継ぎ早に現実のものとなりそうです。
氏の政治スタイルを見ていると、なにか憑き物に動かされているような感じがします。その憑き物とは「人がやれなかったことをオレはやる。そして世間を見返してやる」という一念のように見えます。前回の政権投げ出しがコンプレックスになって、それがああいう形で表れているのか、あるいはほかに原因があるのか、その正体は分かりませんが、反対論が強ければ強いほど、有無を言わさず、力(多数)を恃(たの)んで押し切るという傾向が顕著です。
こういう男は危険千万です。中国、韓国との対立にしても、氏の硬直した姿勢は異常です。先方の態度にもどうかと思う点はあるにしても、1億2000万国民の代表として、現状を一日も早く打開するべく、策を講ずるべきなのに、こちらの土俵に無条件で乗ってこない相手が悪いのだ、という態度は、とても責任ある政治家のものとは思えません。
したがって、われわれは否応なしに初心に帰らざるを得ません。あらためて安倍政権批判を課題の中心にすえて、現状に切り込んでいきたいと考えます。
と言っても、状況は7年前よりきびしいものがあります。社会全体が右傾化しているからです。それも日本だけでなく、中国もそうですし、ヨーロッパのいわゆる先進国でも移民排斥など右翼的風潮が強まっているように見えます。
国政選挙が今後2年半はないことを残念がる人もいますが、国全体の雰囲気としては安倍批判が容易に浸透するとは思えません。われわれは腰を落として、理詰めで、志を同じくする人々と手を組んで、粘り強く批判を展開していかなければならないでしょう。今年は、あるいは今年からが正念場です。
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