テント日誌4月7日 経産省前テントひろば940日目…商業用原発停止204日
- 2014年 4月 8日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
春の天候の不順と激しい風はもうお馴染のことになってしまったが、せめて桜が咲いている間くらいは穏やかな天気であって欲しいと願った。これもかなわなかった。春一番が吹いて春二番が吹くころに桜が咲き始める。そして春三番が桜を散らすとは山本健吉さんの「ことばの歳時記」にあるものだが、冷たい雨と強い風をこれが春三番かと思った。春四番と続いていくものらしが、テントに強風は最大の敵である。お手柔らかに願いたいものだ。それでも日一日と温かさも増し、凌ぎやすくはなってくるのだろう。テントでの泊りが変わった関係(僕の担当は火から木へ)で僕のテント日誌の発信日も変わる。
先週は月曜日にテントの花見《日比谷公園》があった。他にもいろいろ花見に誘われ楽しみにしていたのだが、春三番とやらにやられたらしくちょっと残念だった。テントはやがて1000日を迎えることになる。6月6日がその日だが6月8日(日)にはその記念の催しもある。国会は「集団自衛権行使の容認」を憲法解釈の変更で進めようとしているが、とんでもない話である。アベノミクスとやらで大量の国家資金をばらまいて現在的な花見酒経済の演出の一方で、戦争を可能にする体制を構築しようとしている。戦後体制の脱却がその理念だが、これは戦後体制の反動的な否定《戦後体制否定=戦前体制の肯定》であり、戦後体制の肯定面(戦前体制の否定)を踏まえての否定《戦後体制の乗り越え》とは違う。それにしても、否定さるべき原発の存在は肯定して何故に戦後体制からの脱却なのだといいたいところだ。
時間の風化との闘いの中で脱原発―反原発の運動はよく頑張っていると思う。持久戦とはいうもののこれはかつて経験しなかったものであり、こういう時期は気分的に落ち込み、行動も鈍りがちになる。展望のなさや、先の見えないことが不安になりがちなのである。これは自然なことであって、こういう時期はあるのだし、こういう時は意識的に行動するとかで対応するしかない。意識的に動いて見ると、意外なことが見えてくることもある。分からなくなったり、気分が落ち込んだら考えるのもいいが、動いて見るのもいいものなのだ。
一体、なぜにここまで、電力業界は原発に固執し、政府もまたそれを後押しするのか。原発が科学技術の社会化であり、後戻りの不可能なものだからか。彼らがこのような科学幻想に拠っているとはおもえない。こうした科学幻想は安全神話と共に崩壊したはずだ。だから、彼らは表だって原発保持―推進の主張を展開できない。陰湿な裏に回っての工作や情報の隠匿などでそれをやっているのだ。汚染水の処理や放射能の被害の進行に対する情報を見ていてもすぐにこのことは分かる。僕は既得利害の問題であると考えてきた。それと矛盾することではないが、この根幹をなすのは電力会社(エネルギー産業)の独占体制と独占的支配があり、これと利害の一致する官僚体制(原子力ムラ―マフィア)があり、それに政治(集団や個人)が組んでおり、かつて政・財・官の癒着構造による支配があるのだ。エネルギー産業の独占支配と体制にとって原発は不可欠な存在であり、その分散的な存在形態(地産地消型も含め)を彼らは恐れているのだ。独占は既得権益保持の最高形態だが、この解体を電力会社は恐れているのだ。独占は社会を腐らすのであり、腐敗の源泉になる。原発推進の腐った臭いが撒き散らされているのだ。
このことはずうっと前から言われていたことだが、それだけに現在の体制との持続的な闘いを要することだ。闘いは独占体制との政治的・社会的な闘いとしてあり、政治的の意志表示から、電力の独占に対する多様な抵抗を含む広範なものとしてある。これらは孤立した形で展開されているのが現実で、僕らは情報交換を通じての連帯をしながら、これを結んでいかなければならない。地域で集会と再生エネルギーなどの創出などが連帯し、お互いに元気づけられて行くべきだ。テントのうちには色々にチラシが張ってあり、その動きが伝えられる。様々な場所での具体的で多様な闘いは孤立して見えても、現在の独占体制と支配の対する点で連関しているのであり、テントに張り出されているチラシなどを見る度にそんなことを思う。これを伝えられたらいいのだが、と思う。「伊方の家」に続いて「川内の家」もできた。そこからの情報だけでなく、いろいろの動きが伝えられたら、と思う。(三上治)
4月23日(水)テント裁判第6回口頭弁論(14時~15時)
13時東京地裁前抗議集会、4時第6回口頭弁論(103号法廷)、16時~報告集会(参院会館講堂・村山智・人見やよい・河合弘之他)
テント裁判も第6回目の口頭弁論に入ります。傍聴記などでお知らせの通り、5回目からは占有と占有人をめぐる問題に入ってきました。国側の選定した占有人は淵上太郎と正清太一の二人であるが、これがテントの実際とかけ離れたものであり、間違いであることは明瞭です。テントは多数の市民によって維持されてきたのです。多数の市民の維持によって2年半もおろか、3年近くになろうとしているのです。この事態を二人の占有に帰せしめようとする国側の方針との対決の局面に裁判は入ります。これまでの5回と変わらず、6回目の口頭弁論にも多くのみなさんの参加をお願いします。
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◇◇映画『シロウオ~原発立地を断念させた町』上映会@阿佐ヶ谷◇◇
http://2011shinsai.info/node/5227
30年以上も前に原発の危険性に気付き「日高原発」の建設計画を断念させた
徳島県阿南市椿町、和歌山県日高町の住民たちにインタビューを重ねたドキュメ
ンタリー映画です。 前売りの申し込み、お待ちしています!
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日時:2014年4月13日(日)
開場:13:20
上映:13:40~15:25
監督トーク:15:30~16:00頃
■場所:杉並区立産業商工会館
http://www.suginami-ssk.com/?page_id=33
JR中央線阿佐ヶ谷駅より徒歩5分
丸の内線南阿佐ヶ谷駅より徒歩3分
●前売券1000円、当日券1300円
★映画ダイジェスト版
http://youtu.be/FxL9ZYqRZNE
★映画公式HP http://www.kasako.com/eiga1.html
【主催】『シロウオ』上映プロジェクト(福島原発事故緊急会議)
前売り申込み先 shirouo.movie@gmail.com
080-3270-5897(矢部)、090-6146-8042(かいどう)
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