福島甲状腺がんは子供だけの問題なのか?
- 2014年 6月 21日
- 交流の広場
- ブルマン!だよね
田中一郎氏の交流の広場投稿を拝読させていただき、「甲状腺検査評価部会」の様子を窺い知ることが出来た。内容的には「過剰診療」「過剰治療」をめぐる内輪揉めに終始しているようで、先の私の投稿で指摘したような、見つかっている甲状腺がんについて被曝原因である可能性を認めた場合の仮説・検証方法の議論など全く上ってきておらず、残念な限りである。「これまでの経験・知見」からすれば被曝原因でないことくらい、私のような素人だってわかるが、それを超えた想像力を働かせることが今求められているのだ。
ところで、今一つ大変大きな疑念に突き当たった。これまでの福島の甲状腺がん検診は事故当時18歳以下の人々に限定して行われてきたのだが、年齢別の発見数分布を見ていてこれは極めて重大なことが隠されていると気付いたのだ。事故時0-5歳レンジではゼロでそれより上にいくにつれて、数が増加して行っているのは資料見れば誰でもわかることだろう。でも検査は18歳までで打ち切られているから、それ以上の年齢層では一体どうなるのか、このグラフから想像できるのは、年齢が上がるに従ってますます増えて行くと想定するのが普通ではないのか。
チェルノブイリの経験から甲状腺がんは子供に集中的に多発すると、体制側はおろか反原発派も思い込んで、福島のケースをそれに当てはまるかどうかを論争しているようにしか見えないのだ。これまでの福島での検査結果をみるとチェルノブイリの発生経緯とかなり異なっているのは、前の投稿でも指摘した通りだが、むしろ幼年者よりも年長者、成人に被曝影響が出ていると見るのが自然ではないだろうか。18歳までの出現曲線からその先をどう予測するかは専門家ではない私には何ともいいかねるが、あのカーブの傾きをそのまま延長すると一体どれだけのことになるのか、想像するに恐ろしい限りである。
視点を転換し、一刻も早く全年齢層にわたる検査の実施を求めるべき時と考える。
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