イズラエル・シャミール「宿命の三角関係:ロシア、ウクライナ、ユダヤ人」
- 2014年 8月 4日
- 時代をみる
- 童子丸開
今回は、いま起こっているウクライナやガザでの出来事からはやや離れます。ロシア系ユダヤ人ジャーナリストのイズラエル・シャミールが書いた少し前の記事の和訳と、私からの「翻訳後記」です。
じっくりお読みいただき、できる限りのご拡散をいただきたいと思います。
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http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction2/The_Fateful_Triangle-Russia_Ukraine_and_the_Jews.html
全訳:イズラエル・シャミール著
宿命の三角関係:ロシア、ウクライナ、ユダヤ人
マレーシア航空MH17機「墜落」以降、アメリカ政府と西側マスコミは、「ロシア関与」の明らかな証拠を何一つ示すことのできないまま、ヒステリックなロシア悪魔化をひたすら突っ走らせている。さらにアメリカは、日本を太平洋戦争に引きずり込んだときを彷彿とさせる制裁措置を強化させ続ける。その間にウクライナ傀儡政権は、東ウクライナでMH17墜落現場への国際的調査団の接近を妨害しつつ住民虐殺と都市の大規模破壊に精を出し、ロシア領への挑発行為を繰り返しているようだ。
マレーシア航空機「墜落」に関しては、いずれアメリカとキエフの方から「後出し証拠」の陳列があるのかもしれないが、私の前回の翻訳記事「 突然変更されたマレーシア航空MH17の航路」にある事実を説明できない「証拠」はことごとく捏造と見なすべきだろう。何せ、かつてイラク戦争開戦の「証拠」だの、その以前には湾岸戦争で「サダム・フセインの犯罪」の「証拠」だのを捏造して、平然と世界をだました国のやることだ。信用する方がどうかしている。
そしてその一方で、オバマ政権の全面支援の下で、ガザ住民を絶滅させる気かと思われるほどの狂気じみたイスラエルの軍事攻撃が続いているわけだが、しかし以下に掲げる訳文(仮訳)はそれら現在進行形の事実についてのものではない。ウクライナ問題とMH17関連の新しい事実については、訳文の後ろにある【翻訳後記】で簡単に触れるだけにしておきたい。
これは2014年6月11日に公表されたイズラエル・シャミールの作品である。原典は:
The Fateful Triangle: Russia, Ukraine and the Jews : by Israel Shamir
http://www.israelshamir.net/English/FatefulTriangle.htm
もちろんこの作品はガザに対する攻撃開始やMH17「墜落」の1か月以上前のものであり、その中には直接にそれらの事件につながるような事柄は書かれていない。むしろ現在の事実が姿を現わしてくる背景にじっくりと目を通していく作業を、いまだからこそやっておきたいと思ったのである。その中に巨大な存在感で浮かび上がってくるのが、言わずと知れたユダヤ人とその共同体だ。
いまネット上では(日本語情報は少ないが)ロシア・ウクライナ情勢に関する数々の情報が飛び交っている。しかしその多くが、様々なレベルでそこに関与するユダヤ人とその集団について触れることを、用心深く避けているように思える。自らタブーを作っておいて時代を見極めるも何もあるまい。とは言ってもこればかりは、その詳しい情報をユダヤ人内部の優れたジャーナリストに教えてもらうしか、こちらとしてはやりようがない。
アメリカのシオニストとその組織については「シオン権力と戦争」に見るようにジェームズ・ペトラス教授が良質の情報を提供してくれる。この記事はイラクについてのことだが、いま起こっているガザの大虐殺にしても同様に、アメリカのシオニスト・ロビーの支援が無ければ起こすことも続けることもできない。(だから、アメリカのシオニスト権力構造に対する言及の無いイスラエル批判は、単に無駄なばかりか視点を本質的な所からずらす有害なものにすらなりうる。)しかし、ヨーロッパからロシアにまで広がるより幅広いユダヤ人共同体と個々人については、やはりその中で生まれ育ったシャミールの文章が最も頼りになる。(そのため彼は常に多くのユダヤ人グループから攻撃と脅迫を受けているのだが。)
当サイトにはシャミールの作品から、
ロシア・ウクライナ関連では
「動乱のウクライナ;戦争はいつでも起こりうる」、
「クリミア:プーチンの勝利 …いま戦線は東部「ニューロシア」へ移る」、
「ウクライナのファシズム革命」の3作、および
「アメリカ:あるユダヤ国家」、
「パラダイス・ナウ あるいは ある秘密諜報員の告白」の2作が収録されている。
いずれも、歴史的・社会的・文化的・人間的な要因が複雑に絡み合い変化し合う有機体としての世界の中で出来事を把握しようとする、誠実な作者の姿勢と、それを可能にする知識と知性、表現能力に溢れた作品である。(翻訳がそれらに付いていけない面があるかもしれないが。)シャミールが最も嫌うのは、ユダヤ人とその集団を、善としてであれ悪としてであれ、特殊化し固定化してある種の神話にすることだろう。そして同様の視点は、アメリカ人であれ、ロシア人であれ、中国人であれ、日本人であれ、…、現実の人間の世の中に生きるあらゆる人間集団について適用されるべきものだ。
2014年8月3日 バルセロナにて 童子丸開
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宿命の三角関係:ロシア、ウクライナそしてユダヤ人 イズラエル・シャミール
ヒンズー寺院にある重力を無視し解剖学に逆らう体位のエロチックな浮彫は、ウクライナ危機の中で新たな現代的競争相手を見出している。それぞれの党派は自分の側にユダヤ人を引き入れようと望み、同時に相手の側が反ユダヤでありなおかつユダヤの傀儡であると主張する。この不可能なカーマ・スートラ的体位は、極端に混乱した同盟関係の結果である。つまり、キエフ政権は熱心なユダヤ人と熱狂的な反ユダヤ主義者をその屋台骨の中に並べているのだ。政権の代表的な人物たち(選出された大統領を含む)はユダヤ起源である。また大物で主要な資金源であるイゴール・(ベニャ・)コロモイスキーは傑出したユダヤの著名人であり、多くのシナゴーグの建設者そしてイスラエル支持者である。政権の中で最も果敢で戦闘的な勢力はスヴォボダと右派セクターのウルトラ・ナショナリストたちなのだが、彼らはヒトラーとそのウクライナ版クヴィスリングであるステファン・バンデーラ、「ユダヤ-モスクワ支配からのウクライナ解放者」を称賛する。ユダヤ人たちはアンビバレント、諸党派はユダヤ人に関してアンビバレントであり、ひとつの最高に面白い謀略劇が幕を開けた。
ロシア人たちはイスラエルとアメリカのユダヤ人たちを自分の側につけようとしたが、ほとんど成功しなかった。プーチン大統領はスボヴォダ党の反ユダヤ主義を非難した。彼は重要な談話の中でオデッサのユダヤ人墓地への彼らの冒涜について述べたのだ。ロシア人たちは第2次世界大戦の話を蒸し返して、キエフ政権をバンデーラの暴漢どもやにっくきナチと完全に同一視した。ところがこのレトリックは、愛すべきコロモイスキーの脅威を感じようとしないユダヤ人たちにはまともに受け取られない。彼らは言う。「これらのナチたちはユダヤ人に敵対していない。彼らはロシア人に敵対している。だからそれはユダヤ人にとって問題ではない 」。
キエフ政権は、ロシアの戦術ではないにせよ、ロシア人の態度に倣った。どうにも振りかざすべき事実が見つからないために、彼らは、ドネツクの反乱者たちが地元のユダヤ人に対して登録と「キエフ政権を支持するユダヤ人に課す」特別の人頭税を求めたとかいうパンフレットをでっちあげた。この下劣で信じがたい大嘘は即座にそして確実に反証されたのだが、しかしその以前に他ならぬバラック・オバマとジョン・ケリーによって利用された。アメリカ・ユダヤ人の新聞TheForwardは、ロシア人とウクライナ人は生まれつき反ユダヤ主義者で彼らが否認しても眉に唾を付けて聞くべきだと述べることによって、この出来事を有耶無耶にしてしまった。この泥試合は効果的だった。その大嘘は複数の新聞の第一面を飾り、それに対する反証は裏面に載せられたのだ。
ロシア人たちは自分たちの側で事実をつかみ、そして西側はそれを知っていた。アメリカはほんの最近2013年に、オレグ・ティアニボクなどのスボヴォダの指導者たち(現キエフ政府メンバー)の 入国を拒否した。しかし、ユダヤ人とアメリカ人の感情に対するロシア人の訴えかけはインパクトを作ることに失敗した。彼らは、憤慨を装うべきときと穏やかにすべきときとを知っている。親ヒトラーの記念式典はエストニアやラトビアやクロアチアではよくあることで、それらは何の非難めいた攻撃を引き起こすこともない。それらの国々が堅固に反ロシアだからである。今年の3月に反ユダヤ主義に対するオバマ政権の特使であるイラ・フォーマンは全てをあっさりと否定して、スヴォボダが反ユダヤ主義であるというプーチンの主張が「信用できないものだった」とthe Forward紙に語った。アメリカは誰が反ユダヤ主義者であり誰がそうでないのかを決定したがった。ちょうどヘルマン・ゲーリングがドイツ空軍の中で誰がユダヤ人であり誰がそうでないのかを決定したがったようにである。
イスラエルは中立
現首相のネタニヤフはプーチン大統領に電話をした。プーチンはいつでもネタニヤフと話をすることができ彼に対して常にいんぎんであるのだが、この点はオバマ大統領とは逆だ。彼はいらだちをあらわにする。(衆知のとおり、オバマははるかに多くの機会に何時間もかけてネタニヤフの話を聞かねばならない。)ネタニヤフはサンクトペテルブルグで行われるイスラエル文化週間に行くことができないことを謝罪した。その代わりに信頼のおけるイスラエル大統領の老シモン・ペレスが向かうことになるだろう。彼はまた、この訪問キャンセルのニュースが漏れてしまったことを謝罪した。
これはこのイスラエル指導者にとって極めて普通のことである。まず彼は自分を招待してくれるように求める。ロシアがそれに手を差し伸べる。次に彼は訪問をキャンセルして新聞にリークする。こうしてアメリカ人たちの信用得点を稼ぐのだ。彼はソチ・オリンピックでもそうしたし、今回のサンクトペテルブルグでも繰り返した。これが、イスラエルの中立性を表明する彼のやり方なのだ 。
ウクライナ危機の中でイスラエルは明白に中立的である。イスラエル人たちは国連総会から出て行きそのクリミア問題決議で全く投票せずに、アメリカのパトロンたちを怒らせた。イスラエル人たちは浅薄な言い訳をした。外務オフィスがストライキ中だったのだと。アメリカ人たちはこの説明に満足しなかった。ストライキであろうとなかろうと投票しなければならないのだ!と。
我々はこのプーチン-ネタニヤフ電話会談の詳細をイスラエルの仲間たちから教えてもらったのだが、それはイスラエルが中立である理由を詳しく告げるものだった。イスラエルが恐れているのは、アメリカによる制裁への非対称的な対応として、ロシアがイランとシリアにその強力な防空システムを供給するかもしれないことである。イランとロシアは2、3年前に武器供給の契約にサインしており、イランはきちんと支払ったのだが、その搬入は中止された。イランは契約破棄による巨額の賠償を求めて裁判を起こした。同様に、シリアはS-300地対空ミサイルシステムを入手すると予想されたが、それはイスラエルの空襲から領空を守る能力を持っている。その供給が開始された。ネタニヤフ首相はプーチンにそれを停止するように懇願した。最初にプーチンはそのシステムが防御のためのものであることを強調してそれに反論した。ネタニヤフはロシア大統領に、S-300によってシリアがイスラエル北部全体、少なくともハイファに至るまでの制空権を握り、重要な空域を使用不能にし、また同時に民間航空をも危険に陥れるかもしれないと語った。プーチンは供給の停止に同意した。
ウラジミール・プーチンはイスラエルに対して友好的である。彼は決してイスラエルの破壊を許さないことを約束した。もし状況が本当に危険になればその国民を救うことを約束した。最近のネタニヤフのモスクワ訪問の間中、プーチンは、ネタニヤフとリーバーマンが与えたイスラエルがワシントンの代わりにモスクワと同盟を結び直す可能性の示唆に、心を奪われることは無かった。彼はこのイスラエル人たちに、イスラエルとアメリカの結びつきが強すぎるためそのような同盟結び直しなど説得力を持たないと語った。プーチンは、ロシアが現在のレベルの友好関係に満足しておりテルアビブがワシントンとの関係を弱めるようなことを要求しないと言った。プーチンは数回イスラエルを訪れ、またイスラエル首相をクレムリンに迎え入れた。イスラエル大使のムメ・ゴレンダーは、アメリカやフランスの大使たちよりもずっと多くプーチンと会っている。
この友好的な態度には特に驚くような理由があるわけではない。プーチンは英語やフランス語が流暢ではないが、ムメ大使は彼にロシア語で話をし、邪魔っけな通訳などいなくて済む。もっと深い理由はプーチンの出自である。リベラルなエリートの御曹司であり、サンクトペテルブルグで育って超リベラルなスボチャック市長に学び、ボリス・エリツィンに選ばれたのだ。プーチンは当然のようにユダヤ人とイスラエルに友好的なのである。この友好的な態度は一部のロシア人ウルトラ愛国者たちを怒らせた。彼らは嘆きの壁の前で儀礼的なキッパを被る彼の写真を興奮しながら拡散させた。彼らはまたモスクワのユダヤ系大富豪たちの名前を繰り返して取り上げた。
彼らの一部、ベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキーが、ロシアの彼らの地から逃れなければならなかったのは事実だが、このロシアの大統領は決して、ときとしてそのように理解されるような、ユダヤ金権支配者に対する復讐神でも新たなヒトラーでもない。二人だけ名前を挙げるなら、アブラモビッチとフリードマンは彼の信頼と接触を維持している。プーチンは(ユダヤ人でもキリスト教徒でも)いかなる大富豪をも、政治の外にとどまる限り、嫌がることはない。
プーチンはまたユダヤ知識人とメディアの大立者たちとも、たとえあからさまに彼に敵対しているとしても、友好的だ。ユダヤ人のレズビアンでプーチン・ヘイターで雑誌編集長のマーシャ・ゲッソンや、毎日プーチンを攻撃する人気あるリベラル・メディアEcho Moskvyのユダヤ人編集長アレクセイ・ベネディクトフや、他の多くの者たちがプーチンとの接触を喜んでいる。一方で、アレクサンダー・ドゥーギン博士を含むロシア・ナショナリストは誰一人として、大統領と私的に会ったとは自慢できない。
プーチンの愛想が良いからといって、彼がユダヤ人の全ての主導権にとって気前の良い提供者になるわけではない。彼はイランへのS-300の供給を止めたが、イランやシリアやハマスとの間に溝を作るように求めるイスラエルの要求を全て拒否した。最新の電話会談の中で、ネタニヤフはイスラエルがイランの核開発の証拠を発見したと主張した。プーチンは丁寧にそれへの疑念を表明し、IAEAにもう一度問い合わせるように言った。彼はその証拠を持つイスラエルの「専門家」を受け入れることに同意したが、何も出てはこなかった。ロシアのパレスチナへの支持は揺らいでいない。モスクワにはパレスチナの大使館もあるのだ。
プーチンはモスクワの広大なユダヤ博物館の建設を支援し、個人的にその予算への寄付を行った。しかしロシアの街頭広告はキリストの復活と聖霊降臨祭、そしてクリスマスでのキリスト生誕を掲げる。「時節の挨拶」ではなく大っぴらなキリスト教の肯定なのだ。ロシアはアメリカやEUのようではない。アメリカやEUではキリスト教信仰の外部への表示は禁止され、復活祭とクリスマスを語ることができず、そしてユダヤ人のどんな要求でも即座に実行されなければならない。西側世界のユダヤ人たちはキリスト教信仰の公の表示に悩まされる(と彼らの組織は主張する)が、ロシアのユダヤ人は気にも留めない。さらには彼らは結婚し合い、以前には耳にしなかったほどの人数で改宗して教会に加わる。彼らはさほど親イスラエル的でない。そんな者たちはすでにイスラエルに向けて去ってしまったのだ。
だからロシアのユダヤ人たちはロシアの大統領にとって影響力のある要素ではないのだ。プーチンはキリスト教の信仰によって正しいとされること、そしてロシアにとって良いことを行うだろう。彼がそれを理解しているからであり、真に重要な諸点を捨て去るように彼を説得することは不可能である。イスラエルとの友好関係のような、その他の関心事は、通常は彼にとっての優先順位の中ではるかに低い位置を占めるだろう。しかしながら、ウクライナ危機の中でロシア人たちが制裁と孤立化の脅威を恐れるにつれ、彼らはユダヤ人を自分の側に引き付けようと試みる。そのことによって彼らはしだいに、国家的な認可でもあるいは個人的な思惑でも、イスラエルの工作を受け入れやすくなっていくのだ。
先週、イスラエルの軍事史家マーティン・ファン・クレヴェルドがモスクワを訪れた。2003年に彼がヨーロッパを核兵器による破壊(「サムソン・オプション」)で脅迫したことは有名だが、そのとき彼は「イスラエルは世界を我々と共に破滅させる能力を持っている。そしてそれはイスラエルの破滅より先に起こるだろう」と言った。いま彼はロシアに対してイスラエルの新たなポリシーを説明している。アメリカが下降線をたどる時期を迎えている間にイスラエルは、モスクワと北京とデリーに接近することで、その採るべき方策を多様化し損失を防がなければならない。彼はこのように イズベスチア紙に書いた。たぶんそういうことだろうが、まだあまり歩を進めてはいないだろう。浮気な行動 ― そう、スイッチの切り替えだが ― まだ動いてはいない。
イスラエルは中立性を保つことを望んでいる。それは簡単だ。イスラエルの全住民(ロシア系を除く)はロシアとウクライナの件に関心を持っておらず、ロシアとウクライナの違いを知らず、ロシアやウクライナとはむしろ非友好的だからだ。これは右派にも左派にも共に言える。イスラエルの左派はむしろイスラエル右派よりももっと親アメリカ的である。ロシア系イスラエル人について言うなら、彼らはロシア支持者とウクライナ政権支持者に均等に分かれる。ロシアに対する微妙な気遣いが見られるものの、イスラエルはモスクワの側に立とうとはしない。ウクライナの大富豪たち ― コロモイスキー、ピンチュク、ラビノビッチ ― はキエフ政権の中に集まっており、そしてまた、彼らはイスラエルの右派を大規模に支援している。イスラエルの資本家たちはウクライナの中で融資を受け、そして大富豪たちはイスラエルの中で投資を受ける。コロモイスキーはドネプロペトロフスクにある悪名高いミサイル製造企業YuzhMashを支配しており、また、最も強力なロシアの戦略兵器であるサターン弾道ミサイルの機密を保持している。彼はその機密をイスラエルと分け合うつもりだと言われている。もしイスラエルがウクライナ問題に関してモスクワの側に付くというのなら、ワシントンとの決裂は避けられず、イスラエルはそんなことを引き起こすつもりはない。
一部の取るに足らないイスラエルの右派はロシアを支持しており、彼らは自分たちがイスラエル国民と政府を代表していると主張する。彼らはその公約を広める前に公約の上に群れ集まろうとする。しかしながら、これは尋常な詐欺ではない。彼らはロシアを右派シオニズムの支持者に変えようとしているのだ。
ロシア系イスラエル人の極右翼活動家アビグドール・エスキンを考えてみよ。彼は不可能にも、イスラエル政府が既にアメリカの列車から跳び離れてロシアの列車に乗り移る決定をした、イスラエルの司令部はドネツクでロシア人のために戦おうとしている、イスラエル当局者たちはコロモイスキー氏のイスラエル国籍を剥奪しようとしている、などと主張する。当然だが、これらの全ては駄法螺の山だ。しかしロシア人たちはその釣針も糸も錘も呑み込む。
アビグドール・エスキンは複雑な人物だ。ユダヤ教への改宗者(母親はユダヤ人ではない)であり、厳格なユダヤ主義者、アル・アクサ・モスクとムスリム墓地の冒涜を試みたとしてイスラエルで逮捕され2~3年イスラエルの刑務所で過ごした元カハネ主義者である。彼は自分自身を「ラビ」と称し髭を伸ばし放題にしている。刑務所で過ごした後、彼はロシアに移って、ロシアの極右派の間にイスラエル支持者のネットワークを作った。彼のメッセージは「イスラエルはロシアの真の友でありイスラム教徒はロシアの敵である」というものだ。彼はまた、イスラエルの居住者は反アメリカであり親ロシアであると付け加える。(もしあなたがそれを信じるのなら乳歯が抜ける前の幼児である。)
近ごろ彼は、「経験豊富なイスラエルの奇襲隊員と狙撃兵」から成るアリヤ部隊が、ロシア側に付いてキエフ政権軍と戦うために戦乱のドンバスにやって来たと主張した。このアリヤ部隊は、救世軍が軍であるという意味で、部隊である。これはイスラエルのNGOであり、極右シオニストの信念に燃え一部のロシア軍人出身者のロシア系イスラエル人が作ったものだ。それはイスラエル軍の一部ではない。少し後になってそのNGOはガザとヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地の警備を務めたが、入植者たちは彼らがあまりにも信頼のおけない者たちであるために彼らを使うのをやめた。彼らはパレスチナの市民殺害と拷問と子供殺しを誇るが、人々はそれをむかつくようなサディストであり人種主義の狂気なだけだと言う。後になってこの部隊のリーダーたちは儲け話を持ち込む詐欺集団にその名を変えてアメリカのユダヤ人共同体を渡り歩き、その自称隠密活動のための寄付を集めた。この詐欺がイスラエルのテレビ(RTVIネットワーク:こちらの YouTubeで見ることができる)によって暴かれたために、彼らは公衆の目から姿を消した。その後にアビグドール・エスキンは古手の詐欺を復活させ、そしてロシア・メディアの中で多くの記事を書いた。
エスキンはロシア・メディア界の著名人であるウラジミール・ソロフィエフと肝胆相照らす仲になった。このソロフィエフは部分的にユダヤ人の血をひき、外国に住んでいたがロシアに戻った者だ。彼はロシアTVで重要な政治ショー「サンデー・イブニング」を引き受けている。ザ・シェイカー(有名なブロガー)は 彼のことを次のように描いた。「このショーの司会進行役は有名人物であるウラジミール・ソロフィエフだが、彼は非常に興味深い人物だ。ソロフィエフはユダヤ人であり、臆することなくそのことを視聴者に印象付けている。彼はロシア・ユダヤ人会議のメンバーとして選ばれさえした。彼は同時にロシアの愛国者でもあり、そしてプーチンとその政策の率直な支持者である。彼のウクライナに対する姿勢は単純だ。彼はユダヤ人として、そしてロシア人として、ウクライナのナショナリズム、ネオナチつまりバンデーラ主義に対して容赦しない。彼は新たなキエフ政権の決定的で全面的な敵対者なのだ。」
ソロフィエフがある種の個人的なアイデンティティの危機を過ごしている可能性もある。彼は、ロシア人起源を称えることから、そのユダヤ人起源を主張する方向に移った。その一方で、ロシアの政策指導者たちはユダヤ人を自分の側に引き付けようと望んでおり、ソロフィエフはアメリカのユダヤ人たちと心を合わせて行動しているのかもしれない(その可能性はより高い)。スターリンがそうした。だからプーチンはそのトリックを繰り返すことができるかもしれない。1942年に、ナチの猛攻撃がロシアを襲ったとき、スターリンは数名のロシア系ユダヤ人をアメリカに送り込み、ソビエト連邦のために、ユダヤ人の共同体とロビーにイーディッシュ語で話しかけた。アメリカのユダヤ人共同体は間違いなく何らかの政治的影響力を行使する…。いまソロフィエフその他が外国にいるユダヤ人に影響を与えようと、あるいは、少なくとも、そうしていると彼らの上司に見せようとしている。
エスキンがその空想的な物語を売りつける価格は高い。ソロフィエフの初期の番組の中で、彼はアル・アクサ・モスクの破壊とその場所へのユダヤ教寺院の建設を呼びかけた。彼はパレスチナ人を「反キリストの人々」と呼んだ。イスラエル内ですらそのような声明は公共TVで流すことができない。混乱したモスクワでは、エスキンは祝福され他の重要な政治番組での場を与えられた。アルカディ・マモントフの番組である。誰が誰をペテンにかけているのか? エスキンがロシアの司会者をペテンにかけているのか? それとも彼のメディア進行係たちがその上司をペテンにかけるために彼を利用しているのか? あるいは彼らの上司たちがロシア国民をペテンにかけようとしているのか? またはイスラエルがその掛け金を守ろうとしているのか? 誰にも分からない。
ウクライナのユダヤ人たちは違いを求める
ユダヤ人は1000年前にウクライナに、たぶんハザールの地からやって来た。それは一様な共同体ではない。むしろ彼らは数多くの共同体を代表している。多くの者たちがイスラエルに移住したが、より多くがロシアに移動した。彼らはロシア語を話し、最近の20年間にわたって自国語として選んだにも関わらず普段はウクライナ語を話さない。通常なら、伝統的に強い側に付いてきたユダヤ人として、彼らがウクライナの独立に関心を持つことなど決してないだろう。強者がポーランド人ならポーランドの支配下に、ロシア人ならモスクワの支配下に、ドイツ人ならウィーンかベルリンの支配下にいたのである。いまや彼らの多くがアメリカあるいはEUの側に立つことを決意している。非常に多くのユダヤ起源の人々がうまくやっている理由の一つは、それらの支配的な民族集団がユダヤ人を信用し、その権力者に対する忠誠心とキリスト教徒の隣人に対して共感の無さを頼りにすることなのだ。
もう一つの理由は定義のあいまいさである。最近の3、4世代で、ユダヤ人たちは自由に異教徒と結婚した。これらの異民族同士の結婚で生まれた子供はしばしば「ユダヤ人」と見なされる。現政権にとってこの者たちは「ユダヤ人」だが、祖父母の一人だけがユダヤ人のこともよくある。
ウクライナは1991年の独立に続いて、西側世界の影響下に移った。しかし東ウクライナ(ノヴォロシア)はそのロシア的な性格とつながりを維持した。ユダヤ人たちはその両側でうまくやった。コロモイスキー氏はユダヤ人共同体の傑出したメンバーであり、キエフ政権の頼みの綱である。彼は情け容赦のない資本家であり、他者の資産の略奪とマフィアとのつながりで有名である。噂によれば多くの商売敵を殺害したとのことだ。
その一方で、ハルキウ(ハリコフ)では、市長と地方政府知事(ドパー、ゲパーとあだ名されるが)はユダヤ人であり、彼らは親ロシアと見なされうる。ハルキウは勃興するノヴォロシアの中心となるかもしれないと考えられていた。だから大統領ヤヌコビッチは同盟者と支持者を見出すことを期待してハルキウに逃げた。しかしドパーとゲパーはその期待が誤っていたことを気付かせた。そこで彼はロシアの都市ロストフまで飛び続けたのだ。キエフに対する忠誠を守ろうとするドパーとゲパーの決定はうまく機能しなかった。一方は銃撃され、他方は獄につながれて大統領選に立候補する試みは妨げられた。
ハルキウはまたホドス氏の本拠地でもある。彼は最も勇気を持ってハバドと戦った裕福で優秀なユダヤ人だが、このハバドはコロモイスキー氏が有力なメンバーとなっているユダヤ人の思想運動である。ノヴォロシアのユダヤ人たちは、例外はあるにせよ、幅広い親ロシアの流れを明らかに支持している。実際上すべてのウクライナのユダヤ人はロシアに親族を持ち、ロシアの教育を受けたのだ。
イスラエルはウクライナの中に強力な諜報ネットワークを持っている。彼らはあるパレスチナのエンジニアを誘拐しイスラエルの地下牢に放り込んだ。そしてそのことはウクライナの保安当局の協力抜きではできなかった。しかしながら、ウクライナで戦うイスラエル兵士の話は少々誇張されている。自分の意思で動く二重国籍の個人はいるのだが、それは国家を代表してはいない。
アメリカのユダヤ人たちは分裂している
アメリカのユダヤ人たちは、パレスチナについて分裂したようにウクライナについて分裂している。パレスチナの友人で強い反帝国主義の経歴と健全な西ヨーロッパ史の知識を持つ人々 ― ノーム・チョムスキーやステファン・F.コーヘン ― は、厚かましいロシアを抑えつけ続けることでその覇権を維持しようするアメリカの試みを認識してそれを拒絶した。小グループの人々、正しくもAZZ(反シオニストのシオニスト)と呼ばれるジラッド・アツモン、トロツキストその他ルイス・プロイェクトのようなNATO取り巻きの似非左翼は、アメリカの介入を呼びかけロシア人の血を求めて金切り声をあげた。
有名なイスラエル・ロビーは厳格に反ロシアである。国務省高官のビクトリア(「ファックEU」)・ヌーランドはキエフのクーデターを個人的に指揮した。彼女はドニエプル川のほとりにあるアメリカの新しい植民地の政府と大統領を自分の手で選んだ。彼女の夫ロバート・ケーガンはFPIの創始者である。それは悪名高いPNACの後身で、イラクとアフガニスタンでの戦争を推進しイランとの戦争を推し進めた過激派シオニストのシンクタンクである。いま彼らはロシアを攻撃するが、彼らがイスラエル支援について忘れることはない。
若いアメリカのジェンダー活動家でジャーナリストであるジェイムズ・カーチックのことを考えてほしい。彼はロビーにおべっかを使ってネオコン・ネットワークに入り込んだ。彼はイスラエルをピンクに染めた(「イスラエルは地上最高のゲイの友人であり、その一方でパレスチナ人はホモ嫌悪であり爆撃されるに値する」)。イスラエルの兵役を務めた後、彼はロシア攻撃に移った。彼はCIAが所有しアメリカ議会が資金を出すラジオ・フリー・ヨーロッパで働き、リズ・ウォールのRT辞職劇のセンセーショナルな実況中継の舞台演出をし、ロシアでのゲイの虐待と呼ばれるものに抗議をした。彼の薄汚いトリックは、アメリカのユダヤ人ジャーナリストである マックス・ブルメンタールによって暴露されたが、ブルメンタールは(パレスチナ人ラニア・カーレックとともに働く)有名な反シオニストである。
イスラエルはウクライナに関して中立ではあるのだが、EUとアメリカにいるイスラエルの友人たちはロシアを嫌悪しておりアメリカの覇権を支え、一方でパレスチナの友人たちは帝国主義に挑戦するロシアの側に立つ。フランスのシオニスト・メディア哲学者であるベルナール・アンリ・レヴィは前者の例であり、グローバル・リサーチのミシェル・チョスドフスキーは後者の代表である。代表的な批判的(「反シオニスト」)のウエッブサイトであるカウンターパンチ、アンチワー、グローバル・リサーチはロシアのシンパであり、逆に親イスラエルのサイトはロシアを嫌悪する。
シオニストは汚く悪意に満ちた敵だが、しかし彼らはむしろもっとたちの悪い友人を持っている。エドワード・N.ルトワックはロシアに対して友好的だ。彼はロシアを理解するようにアメリカに呼び掛ける。ロシアとアメリカの戦略的な同盟が必要だと彼は言う。ウクライナはどうなった? ここに彼のピッチラインがあるのだ。ロシアはアメリカの利益のために中国と戦うべきである、と。もう一人のシオニストの友人トニー・ブレアーもまた、ロシアとの和解を呼びかける。そうすればロシアはイスラエルのためにイスラム世界と戦うことができる、と。彼らは、ロシアのパレスチナに対するポジティブな影響と防御を破壊する目的でロシアへの平和的な支持を与えるエスキンと、極めて似ているのだ。
最後に:イスラエルは自分自身の理由で中立を保っている。個々のユダヤ人たちがウクライナ問題について様々である一方で、そのパレスチナとシリアに対する姿勢にはある相関関係がある。ロシア、ウクライナ、ヨーロッパ、アメリカでのプーチンの敵は、パレスチナとバーシャルのシリアとチャベスのベネズエラを嫌悪している。そして最も危険な連中は、イスラエルおよびロシアを支持する者たちだ。間違いなく何らかの害悪をたくらんでいるからである。
【引用、翻訳、ここまで】
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【翻訳後記】
息を吐くように嘘をつくアメリカと西側マスコミ。そして、息を吸うようにその嘘を信じ込む大勢の西側世界住民…。嘘が事実を軽々と駆逐し、現実の大量破壊と大量殺人が繰り返される。こうして嘘が練り固められて歴史が作られる。
11年前を思い出してもらいたい。確かに大勢の西側世界の人々がイラク戦争に反対した。しかし戦争に反対した人々のほとんどは、そのときに、アメリカが示した「サダム・フセインの大量破壊兵器」、「サダムの911事件関与」という根も葉もない大嘘を全く疑っていなかったはずだ。後にその大嘘が明らかにされた後になっても、先の大嘘をひねり出したその全く同じ者たちが次々と繰り出す嘘、その嘘を飾り立てて「国際世論」という名のプロパガンダを展開するマスコミと言論界の者たち、そしてその嘘を瞬時に信じ込む者たちの愚かさは、そのままそっくり残された。
そのイラク戦争の嘘を信じた同じ者たちが、続いてイランに対する大嘘を信じ、リビアを巡る大嘘を信じ、シリアを標的にする大嘘を信じ、そして今度は「マイダン革命」の大嘘を信じ込み、ロシア悪魔化の大嘘を信じ続ける。その同じ者たちが、2004年のイラク以前に、湾岸戦争の大嘘を信じ(嘘がばらされた後でこっそりとその「信仰」を取り下げたが)、バルカン戦争でのセルビア悪魔化の大嘘を信じた。そして911事件の大嘘を未だに信じ続ける。もっと言えば、彼らの多くが、数十年間にわたって核(原子力)と放射能に対する大嘘を信じ続けている。シャミールは上の記事でウクライナ情勢に関して「NATO取り巻きの似非左翼は、アメリカの介入を呼びかけロシア人の血を求めて金切り声をあげた」と書いているが、どうやら自他共に「左翼」「進歩派」と認める人々の中には昔からこの手合いが紛れ込んでいるようだ。この種の愚かさに付ける薬ばかりは存在しない。
アメリカとキエフは、ロシア悪魔化の材料として、「ロシアがウクライナを攻撃している」、「MH17が墜落した現場付近で親ロシア反乱軍がBukミサイル発射装置を持っていた」という《多くの動かぬ証拠》を公表している。しかし衛星写真撮影の日時を誤魔化すその浅はかな詐欺の手口はすでに明らかにされた。( ‘Wrong time, altered images’ Moscow slams Kiev’s MH17 satellite data RT記事)西側(キエフを含む)メディアがひたすら事実を覆い隠し西側住民に目隠しをしているだけだ。(Deleted BBC Report. “Ukrainian Fighter Jet Shot Down MHI7″, Donetsk Eyewitnesses Global Reseach記事 )(Ukraine TV cuts live interview after HRW rep refuses to admit ‘Russian aggression’RT記事)
また7月28日になって、キエフ当局が急に「MH17はミサイルの直撃ではなく、機体の付近で爆発したミサイルの破片が当たって墜落したのだ」と言いだし、オランダの調査官は「それを言うのは時期尚早だ」と批判した。( Kiev says rocket blast downed MH17, Dutch probe says info ‘premature’ RT記事)何か奇妙だなと思っていたら、数少ない墜落機の破片の写真の中に、MH17のコックピット付近に細かい撃ち抜かれたような穴が数多く開いているものがあった。(Revelations of German Pilot: Shocking Analysis of the “Shooting Down” of Malaysian MH17. “Aircraft Was Not Hit by a Missile” Global Reseach記事)キエフ当局はこれに気付いて慌てて先ほどのような「解釈」を出したのかもしれない。しかしこれらの穴はどう見ても4~5cmほどの大きさで統一しており、どちらかと言えば機銃掃射で開けられたようにも見える。さらに、これは出所が未確認でどこまで信頼できるか分からない情報だが、当日(7月17日)にウクライナが軍事演習を行っていたというものもある。( Kiev Source: Ukraine Accidentally Shot Down MH17 During Exercises Global Reseach記事)( Ukrainian Air Defense Exercises Might be Behind Malaysian Aircraft Crash – Source RIA Novoti記事)何となく雰囲気が、2001年10月に起きたシベリア航空機墜落事件に似てきたようだ。( Wikipedia:日本語記事)
その他にもいろいろとあるのだが、当サイト以外で英語記事を和訳して紹介している他の日本語サイトにお任せすることにしよう。
(マスコミに載らない海外記事)
アメリカ諜報機関: ロシアがやったという証拠は皆無
(ROCKWAY EXPRESS)
ロシア軍:ウクライナ・アメリカへの10の質問 -その1-
ロシア軍:ウクライナ・アメリカへの10の質問 -その2 最終章-
ウクライナはマレーシア機墜落の重要な証拠を隠している
MH17便についてプーチンは何を知っているのか?-その1-
MH17便についてプーチンは何を知っているのか?-その2-
MH17便についてプーチンは何を知っているのか?-最終章-
(田中ニュース)
ウクライナの対露作戦としてのマレー機撃墜
そして、これらで伝えられるような虚構と事実の入り混じった悲劇が、他方のガザやリビアで起きている悲惨な出来事とともに、今回のシャミールの作品にあるようなアメリカ、西ヨーロッパ、東ヨーロッパの社会を背景にして現われてきたのだ。もちろんそこにあるのはユダヤ人社会だけではないが、ユダヤ人共同体は政治・経済・情報・文化の各方面ですでにあまりにも巨大な権力と影響力を持っているのである。彼ら以外の社会構成員はそのことについてあまりにも無知であり無頓着だ。これが欧米社会の現実である。
一つ一つの悲劇的な事実とそれを産み出す虚構を熱い思いで告発すると同時に、それらと有機的につながってそれらの背景を彩る人間世界の現実を冷徹な眼で見つめ続ける器量を、我々は保ち続けるべきだろう。それが虚構と事実の差を嗅ぎ分ける能力を保証するからである。その意味で、様々な苦難と妨害の中でその器量を最大限に保ち続けるイズラエル・シャールは、現代の世界で最も注目に値するジャーナリスト・作家の一人と断言できる。彼がMH17機「墜落」についての記事を作るかどうかは分からないが、少なくとも、それを上手に利用しながら権力と影響力を強化していこうとするグループ、一方でそのような権力体のしがらみを突き崩そうとするグループの入り混じったユダヤ人とその共同体の、我々の社会に対する働きかけについて、また優れたレポートを作ってくれるものと期待する。
【以上】
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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