東芝の粉飾決算に関わっての蛇足
- 2015年 7月 27日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
東芝の粉飾決算に関わっての蛇足。 本当に、相変わらずにこの国のマスゴミは笑わせてくれる。
当初は、マスゴミ苦肉の造語である「不適切会計」なり、「不適切会計処理」で、戦前の「転進」なり、「玉砕」なりの「不適切」な語句を思い出させる程度であったが、最近は、企業ぐるみ粉飾決算の反社会的企業を捉えて、企業統治なり、コンプライアンスなり、と問題を逸らすのに懸命で、こちらは、笑いを堪えるのに懸命になった。
しかし、第三者委員会の報告までも、粉飾決算の動機、目的を究明せず、起業風土まで持ち出すに至り、これは、事態を精確に究明せず、有耶無耶に済ます魂胆である、と怒りがこみ上げて来た。
此処で読者に設問したい。 世間では、無理やりに所得税を納付するために、赤字のところを黒字にして所得税を納めるべく確定申告を行う個人なり零細企業が存在するのを御存じであろうか。
その理由は、自宅購入のための住宅ローンを組むためであったり、零細企業の運転資金を借りる算段であったり、と苦肉の算段をして借金をするためである。 それ程に、個人なり零細企業は追いつめられることがあるのが哀しい現実である。
ところが、東芝は、こともあろうに、決算を偽り、安易に市場から一兆円もの資金を得ているにも拘わらず、当の市場からは退出も宣告されず、マスゴミは揃って弁護に勤しむばかりである。
一体、反社会的組織の組風なり、組長以下の組統治の有り方に物申す者があろうか。
東芝の事件は、一国の刑事罰条が該当するかどうかが問われる刑事事件である。 金融証券取引法の目的は、「有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする」(第一条)とある。 法の目的から観て、法益(法に依って保護される利益)を犯す行為は、禁じられ、罰則がある。
東芝の粉飾決算は、この法益を犯す行為であり、その行為を犯すことに依り、一兆円もの金銭を市場より得ていた事実は、決して不問に付すべき行いでは無い。 第三者委員会に依り究明出来得なかった事実は、強制捜査に依り究明しなければ、法治国家の箍が緩み、日本の市場の公正さが問われるものとなろう。 ひいては、日本経済の浮沈が掛かった事件と思われる。 反社会的企業は淘汰されなければならない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5525:150727〕
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