テント日誌1月20日…年の初めに考えた事 戦争について
- 2016年 1月 24日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1594日
年の初めに考えた事 戦争について
例年のことながら1月は日が経つのが早く感じる。とはいえ今年は1月5日から国会が始まったためか、いろいろと気になることも多い。昨年の安保法案に対する反対運動が継続していて、立憲フォーラムや「総がかり行動」の集会や行動が活発に展開されていることもその一つだろう。もっとも国会正門前に立ち続けている面々もいる。高浜原発再稼働も近づき、こちらも緊迫している。巷ではSMAPの分裂騒ぎや、バス転落事故が話題になっているというべきか。今年に入っての株価の大暴落は安倍晋三や取り巻き連中の心胆を寒からしめているのだろう、と思う。安倍内閣の外面を繕ってきたアベノミクスの実態が白日に晒されることになるのだからだ。
年の初めの日誌で僕は現在から未来にわたる問題を戦争の問題、原発の問題、格差の問題を大きな柱というか、テーマにして考えていけばいいのではと記した。これは考えるべき問題であると同時に実際的に解決を要求されることであり、行動に直結すべきことである。戦争の問題は7月の参院選挙での憲法改正問題となって現れ、予想外のスピードで進展している。昨日の「立憲フォーラム」の集会や「総がかり行動」に参加する予定でいたが、事情があって行けなかったのでコメントをしておきたい。(国会前には5800人の参加があったと報じられていた)。
戦争の問題について言えば、戦争をめぐる世界の枠組みは大きく変わり始めている。それは戦争についての戦後世界を主導してきた戦勝国の力が衰えたということが根本にある。戦後50年ころからだから、かれこれ20年の間に顕著になってきたことである。第一次世界大戦を帝国主義の戦争と批判し、平和問題を含めたそれを具体的に提案したのはレーニンの帝国主義戦争批判であり平和についての提案、アメリカのウイルソン大統領の帝国戦争批判と平和の提案だった。これは民族自決論であるが侵略戦争の禁止論になった。これに対して復興したドイツ帝国(第三帝国)と公式の帝国主義(古典的帝国主義)の残滓を持っていた日本帝国主義が第一次世界大戦とは別の「持てる帝国主義」と「持たざる帝国主義」になり演じたのが第二次世界大戦だった。(帝国主義とは周辺国の政治的・経済的支配をやることであり、直接・間接の支配形態がある)。紆余屈折はあるが、大きな枠組みではこれが第二次世界大戦だった。
第二次世界大戦の戦勝国は理念的には第一次世界大戦後の帝国主義戦争批判を受け継ぎ、敗戦国(ドイツや日本)にこの枠組みで戦後改革を促した。ところが、この戦勝国(大きくは米ソ)が今度は彼らが帝国主義化し、帝国主義戦争を行い、その理念を裏切る所業を行い、戦後の世界秩序の主導力でありながら、力を失いつつあるというのが現状である。
日本では戦前の帝国主義政治(国家的全体主義や国家主権の恢復)が、保守の政治家や知識人によって企てられてきた(歴史修正主義)が、これは戦後の戦勝国に警戒され(アメリカや中国からの圧力)、世界秩序からの孤立となった。ただ、アメリカや中国がその所業において戦後の理念を裏切ってきたから、その警戒力は力を弱めている。(例えば、アメリカがある時期まで憲法改正の動きを警戒し中国が侵略戦争の肯定として靖国神社参拝に批判をしてきたこと)。これは日本の国内で対応する部分があった。保守の親米派の動きや日本帝国主義のアジア侵略批判である。戦後50周年(1995年)に村山内閣時に提起された不戦決議はその象徴であった。現在も安倍の歴史修正主義に対する世界の警戒はあり、それが安倍の国家主義的な復古の動きの批判になっていることはある。ただ、安倍の歴史修正主義や国家主義に対する批判をこの動きに依存するのは限界がある。
僕は日本の戦後の歴史修正主義や国家主義的復古に対する批判を戦後の戦勝国の戦争観(左右の帝国主義戦争批判)に依拠してやることには批判的だし、限界があるとみなしてきた。アメリカやソ連(ロシア、中国)の動きが戦争観自身を裏切るし、説得力を失うとみていたからだ。第二次世界大戦での戦勝国の戦争観(左右の帝国主義戦争批判)は戦後のある時期までの絶対性を持っていたがそれは失われ相対化している。日本の歴史修正主義や国家主義的の復古主義(国家主権恢復論)に対する可能な批判はどこにあるか。
これは帝国主義戦争批判という歴史的枠組みを超えてあらゆる戦争に批判という立場から、帝国主義戦争批判という歴史的な戦争批判(特定の戦争批判)から、戦争自体を批判する立場になって戦争批判をやればいいと思う。この批判は帝国主義的な戦争観(古典的、復古的戦争観)だけでなく、それを批判してきた左右の帝国主義戦争批判をも包摂し、乗り越えていくものになる。平たく言えば、日本の国家主義者が復古を目ざしているものから、アメリカ、ロシア、中国、そしてイスラム国のお戦争まで批判するものであり、そこに可能性があるのではないのか。憲法9条はそうした内容を持つのである。
僕の考えでは戦後の日本人があの戦争で贖い得たものは特定の戦争批判ではなく、戦争自体の批判であり、それこそが国民的基盤をなしてきたものであり、こういう言葉がいいかどうか、検討の余地はあるが戦後の日本のナショナルなものだったのではないのか、と思っている。戦中派が消えて行くたびに僕が国民的財産の失われるように思ってきたのは、このナショナルな基盤を意識してきたからである。
だだ、あらゆる戦争に対する批判、戦争自体の批判は戦後の世界秩序からは孤立を強いられる。でもこの孤立は憲法9条の先進性と同じく、未来を内包しているのであり、世界性を有している。また、戦争自体の批判を持つ戦争観はマルクスにもルソーにも、レーニンやウイルソンにも、毛沢東にもなかったものである。宗教的な戦争批判には存在した。これは現在的には社会的、政治的な考えとしては系譜(起源)の見いだせないものだ。僕らが、その起源にならなければならないものというべきか。あらゆる戦争を、戦争自体を批判する考えから安倍の国家主義や復古、「戦争のできる国へ」を批判し、対決しなければならない。(三上治)
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毎週(金)は17時~18時に経産省前抗議行動
立憲フォーラムからのお知らせ
▼ 23日(土)は「市民連合」の「2016年をどう戦い抜くか」。午後2時~4時30分。北とぴあ・さくらホール。哲学者の柄谷行人さんが基調講演「憲法9条の今日的意義」を。96歳の金子兜太さんも連帯のあいさつをされます。 詳しくは http://sogakari.com/?p=1489
▼ 26日(火)の新外交イニィァチブの【外交のしくみを紐解く -安保・原発・沖縄基地と日米関係の実像-】ご案内です。
・日時:2016年1月26日(火) 19:00~21:00(18:30開場)
・会場:文京シビックセンター 小ホール
住所:東京都文京区春日1‐16‐21
地図:http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
最寄り駅:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」、三田線・大江戸線「春日駅」、総武線「水道橋駅」
・講演:猿田佐世(ND事務局長・弁護士)
自らワシントンにてロビーイングを行う他、日本の国会議員等の訪米行動を企画・実施。二度の稲嶺進名護市長の訪米行動、そして2015年6月には翁長雄志沖縄県知事に随行する沖縄訪米団の企画同行を担当。米議員・米政府面談設定の他、米シンクタンクでのシンポジウム、米国連邦議会における院内集会等を開催。
・参加費:1000円(ND会員・学生は無料、当日入会可) 定員:370名
お申込み:申し込みフォームをご利用ください。 http://www.nd-initiative.org/event/2127/
当日参加も受け付けますが、できる限り事前申込みをお願いいたします。
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「原発現地へ行く会」及び再稼働阻止全国ネットワークからの案内です。
全国各地から現地の活動を応援!
高浜原発を動かすな!
高浜現地/関電包囲大阪行動に基金より交通費補助
2つの行動に参加しよう
申込み方法は末尾にあります。
《1》高浜行動
☆「高浜原発再稼働を許さない!1.24全国集会」
日時:1月24日(日) 12時~
場所:高浜原発ゲート前ほか
主催:高浜原発再稼働を許さない!1.24全国集会実行委
呼びかけ団体:「若狭の原発を考える会」
協賛団体:「原子力発電に反対する福井県民会議」ほか
○現地での行動予定(24日)
12:00 高浜原発先の展望所で集会
12:15 デモ出発(高浜原発正門まで)
12:45 高浜原発へ抗議申し入れ(正門前)
13:00 出発(高浜町文化会館へ)
14:00 全国集会開会(高浜町文化会館)
15:30 集会終了
15:45 デモ出発(町内デモ)
16:30 デモ終了(JR 若狭高浜駅前、流れ解散)
18:00~20:00 再稼働阻止全国ネットワーク交流会予定
高浜原発と駅間の路線バスはありません
【高浜町レンタカーTEL0770-72-1326】【タクシー3300円】
○交通(東京から)
1 高浜往復バス(往復で費用5千円)
▼往路:1月23日(土)23時、新宿西口スバルビル前
到着:高浜町に24日(日)早朝到着予定、12時前には高浜原発展望所着、正門前~高浜町文化会館にバス移動
▼復路:24日(日)22時頃、高浜町駅付近発
帰着:25日(月)早朝新宿着
▼費用:バス代個人負担額は5千円(往路のみ、復路のみも負担額は5千円)
2 列車・車等利用(1万円補助)
(大阪、京都、滋賀、兵庫、奈良、福井を除く)全国から現地行動へ参加する皆様に交通費補助をします。
全国、首都圏共通 1万円 *団体での申し込みはご遠慮願います。
経路は各自で確認願います。下記の経路は一例です。
経路1 東京7:33(ひかり503号)~米原9:56(しらさぎ3号)~敦賀10:44(小浜線)~若狭高浜12:31(タクシー)~原発現地
経路2 東京6:50~京都9:25~綾部10:33~東舞鶴11:04~若狭高浜11:24
経路3 京都8:15(湖西線)~近江今津(JRバス)9:25~小浜10:25
小浜発高浜行きは12:04発 (レンタカーなどの手配必要)
3 その他
現地実行委では、京都発(8時45分)及び大阪発(8時)のバスも準備しています。
直接実行委に問合せ願います。
但し、「原発現地へ行く会」の補助対象外です。
《2》大阪行動(関電本店)
☆1・27(水)高浜原発再稼働を許さない!関電包囲全国行動
日時:1月27日(水)16:00~20:00
(Ⅰ部、16:00~18:00、Ⅱ部、18:30~20:00)
場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目6番16号)
主催:「高浜原発再稼働許さない!関電包囲全国行動」実行委員会
呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議
連絡先:宮下正一(原子力発電に反対する福井県民会議)
TEL 0776-21-5321(代)
木原壯林(若狭の原発を考える会)
TEL 090-1965-7102
○交通(1万円補助)
近畿以外からの参加者に交通費を補助(東京からの場合:1万円)します。
新幹線、在来線、高速バスなどの経路は各自で確認願います。
《3》申込み方法
○申込先
原発現地へ行く会
Fax 03-3238-0797
E-mail: info@sendaiikou.com
(注意:本メールに「返信」しても受付出来ません。)
問合せ:070‐5019‐5907
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