【参考資料】韓米合同軍事演習を中止せよ!(韓国社会・市民団体の共同記者会見文) 日韓ネットのブログ
- 2016年 3月 26日
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日韓民衆連帯全国ネットワーク/ 일한민중연대전국네트워크
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2016年3月 9日 (水)
●韓米合同軍事演習を中止せよ!(韓国社会・市民団体の共同記者会見文)
3月7日から大規模な米韓合同軍事演習 「キーリゾルブ」「フォールイーグル」が4月までの予定で始まっています。昨年策定された対北先制攻撃戦略「5015作戦計画」に基づき、米韓併せて30数万の兵力とB2ステルス戦略爆撃機、ステルス戦闘機、原子力空母などが投入され「かつてない」規模で行われています。米日韓の政府やマスコミはよく「北の挑発」と言いますが、これこそ最大の軍事挑発でなくてなんでしょうか。中ロでさえ重大な懸念を表明しています。
佐世保の強襲揚陸艦に沖縄や岩国の海兵隊部隊、普天間のオスプレイをはじめ各地の在日米軍部隊が投入されるのに加え、米本国からの部隊も在日米軍基地を経由して投入されています。また日本の集団的自衛権行使容認と戦争法成立のもとで自衛隊も密接にかかわってくることは言うまでもありません。
こうした状況は、私たちにとっても無関係でないばかりか、かつての朝鮮侵略・植民地支配とその結果生み出された朝鮮半島の南北分断に対する戦後責任という立場からも、日本の反戦平和勢力は声を挙げていく必要があるでしょう。
こうした状況に対して韓国の広範な社会・市民団体はこの危険な演習の中止を求めて共同記者会見を持ち、各地で反対行動にも取り組んでいます。 以下、記者会見文を紹介します。(訳責・日韓ネット)
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朝鮮半島に核戦争の危機を呼び、 東北アジアにおける対決を激化させる
韓米合同軍事演習キーリゾルブ・フォールイーグルは直ちに中断せよ!
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北朝鮮の核実験と人工衛星発射を口実とした韓米当局の北への軍事的圧迫は度を越し ている。対北先制攻撃と体制崩壊まで狙った「作戦計画 5015」による韓米両国軍の キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習が史上最大の規模で行われており、これに 対抗して北朝鮮も先制攻撃を公言するなど、朝鮮半島では極度の対決構造がつくられ ている。のみならず朝鮮半島における米朝、南北の激しい対決は、東北アジアにおい て日米対中露間の対立も一層激化させ、日本軍の朝鮮半島介入と侵入への道を広く開 けることとなる。私たちは、ここに民族の生命と朝鮮半島、東北アジアの平和を担保 にとったキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習の即時中止を強く求めるものだ。
今回のキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習は、北朝鮮が核と大量破壊兵器を使 おうとする兆候だけでも察知されれば先制攻撃を行うという超攻勢的「4D(抑制⇒攪 乱⇒破壊⇒防御)作戦の概念が初めて適用されるものとなっている。今年のキーリゾ ルブ・フォールイーグル演習に動員される韓米両国軍の戦力と訓練も、対北先制攻撃 にそのフォーカスが当てられている。 代表的な先制攻撃戦力の核航空母艦と核潜水 艦、B-2やF-22などのステルス戦闘爆撃機などが動員され、このような先制打撃戦力 の朝鮮半島への配備所要時間を最大限短縮させるための訓練も並行して行われる。韓 米両国軍は、このような先制攻撃戦力により、北朝鮮の核やミサイル施設などに対す る「ピンセット式」打撃や海兵隊による北朝鮮への上陸作戦と内陸進撃作戦、特殊部 隊の核とWMD・大量破壊兵器の除去作戦を展開し、北朝鮮指導部に対する「斬首作 戦」の演習までも実施する。また、さらに中朝、朝ロの国境地域を含む北朝鮮最後方 の奥深くまで占領し、「安定化(?)」 作戦演習も実施する。一言で言うなら、今 年のキー リゾルブ・フォールイーグル演習は、北朝鮮の体制転覆と占領、吸収統一 を狙っている軍事演習だと言えよう。先制攻撃が韓国の憲法など、国内法や国連憲章 を初めとする国際法違反という事実については、改めて指摘する必要すらないこと だ。
しかし、北朝鮮もこれらに対し「… 軍事的対応を全て先制攻撃的な方式に転換させ る」としながら、韓米両国軍の対北先制攻撃戦力と装備などに対する先制打撃と大統 領府やアジア太平洋地域の米軍と米軍基地、米国本土への報復戦を公言し、これまで にない超攻勢的な対南、対米威嚇水位を高めている。
このような米朝、南北の厳しい対立と危機管理体系の不在は、ささいな軍事的衝突さ えも抑えられず拡大し、2013年春の朝鮮半島核戦争危機を超えるような危機をよび、 実際に核戦争に拡がる可能性も決して排除できないという状況になっている。
一方、キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習は、日本軍の朝鮮半島への侵入の名 分とチャンスを拡大させるものとなっている。日米新防衛協力指針の改定や安保法 (戦争法)制定の過程で、北朝鮮への先制攻撃をも示唆してはばからない安倍政権は、 日米合同の対北先制攻撃作戦計画を策定し、朝鮮半島への軍事的介入を狙っている。 超攻勢的なキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習により朝鮮半島の戦争危機が高 まることは、朝鮮半島への再侵略を狙い改憲で自衛隊を国防軍にすげ替えようとして いる安倍政権にとって、良い口実を与えることだろう。韓米日合同参謀議長が先月 行ったテレビ会議で、日本の統合幕僚長がキーリゾルブ・フォールイーグル合同軍事 演習を全面的に支援するという立場を明らかにしたのも、攻勢的韓米合同演習で作ら れる朝鮮半島危機に、日本が期待(?)する隠れた野心と強欲が現れている。
特に、今回のキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習で行われる韓米弾道ミサイル 防衛訓練は、これまでの韓米日弾道ミサイル防衛訓練(「太平洋ドラゴン」)と共 に、韓国へのサード(THAAD高高度)ミサイルの配備と韓米日トライアングルのミサ イル防衛システム、同盟構築のための要石となるだろう。日本軍の集団的自衛権行使 の主な意図のうちの一つが米戦艦と米軍基地を狙う北や中国の弾頭ミサイルを日本軍 が迎撃することであり、キーリゾルブ・フォールイーグル演習への日本(軍)の介入 は、韓国へのサード配備と「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」や「日韓物品役務 相互提供協定(ACSA)」締結に対する日米の要求がさらに強まる契機となるだろう。
米朝、南北の朝鮮半島での対立激化は、日米と中露の東北アジア対決も同時に激化さ せることになる。中露は韓米日同盟強化と軍事演習強化に対抗し、朝鮮半島の西海岸 とウラジウォストク沿岸の海上で合同訓練を実施しており、中国は山東省に朝鮮半島 に照準をあてた高性能レーダーを配備したのに続き、最近では北朝鮮との国境地域に 最新鋭の主力戦闘機「殲10A」と「紅龍H」爆撃機を配備するなど、韓米(日)の軍事 演習強化に神経をとがらせている。
キーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習の「質量的強化(韓国、ハン・ミング国防 長官)」が北朝鮮に核の放棄はおろか、第二次、第三次の水爆実験による北朝鮮の核 戦力強化に帰するだけだということは、これまでの北朝鮮の核戦力強化の過程が良く 示している。したがって、朝鮮半島の非核化への道は、北に対する軍事的圧迫やキー リゾルブ・フォールイーグルなどの演習を中断、規模を大幅に縮小し、攻勢的な性格 を防御的性格に変えて、北朝鮮に対する安保脅威を解消するところから求めなければ ならない。
米国の朝鮮半島における戦術核の撤収、朝鮮半島 非核化宣言と南北基本合意書の締 結、チームスピリット訓練の中断などにつながった一連の過程は、南北米が朝鮮半島 の非核化と韓米合同軍事演習の中断を好循環として解決した良い前例だと言えるだろ う。ここに北の核をめぐる現段階で、朝鮮半島の対決局面も北朝鮮の提案通り、核実 験とキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習を同時に中断するところから解決の糸 口が見いだせよう。
この提案は、中国やロシア、ロバート・カーリン前米国務省北朝 鮮担当官やニューヨークタイムズなど、米国のマスコミでも同じ意見だ。さらに、王 毅中国外相が提案し、米国ケリー国務長官が認めたように、朝鮮半島の非核化と平和 協定締結を同時に達成すれば、恒久的な朝鮮半島の平和体制を構築できるだろう。こ こに私たちは、不法なキーリゾルブ・フォールイーグル軍事演習を即刻中断し、二者 間もしくは多者間会談を再開し、米国の北に対する敵対政策の廃棄と朝鮮半島の非核 化を同時に実現する朝鮮半島の平和協定締結に進むことを韓米当局に強く要求する。
2016年 3月 7日
キリスト教社会宣教連帯会議、労働人権会館、民主化家族協議会、良心囚後援会、民 族民主烈士犠牲者追悼(記念)団体連帯会議、民族自主平和統一中央会議、民主労働 者全国会議、民主民生平和統一主権連帯、民主主主義自主統一大学生協議会、民主化 実践家族運動協議会、変革の再装填、仏教平和連帯、四月革命会、社会進歩連帯、新 たに一つ、開かれた軍隊のための市民連帯、わが民族連邦制統一推進会議、イエスと 共に、自主統一民主主主義コリア連帯、全国農民会総連盟(全農)、全国民族民主遺家族協議 会、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、全国民主化運動遺家族協議会(社)、全国 貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、戦争反対平和実現国民行動、全国 学生行進、祖国統一汎民族連合南側本部、統一の広場、統一の道、平和と統一を開く 人々、平和在郷軍人会、韓国労働組合総連盟(韓国労総)、韓国進歩連帯、韓国青年連 帯、21世紀韓国大学生連合
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