たんぽぽ舎から TMM:No2790
- 2016年 5月 26日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2790】
2016年5月26日(木)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.川内原発の「想定外」を想定する 連載その1(2回に分けます)
熊本地震級が襲ったら何処が壊れるか
「弾性範囲」ではない川内原発 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.熊本地震で規制庁交渉-「若狭連帯行動ネットワーク」
納得のいく回答なし 全く規制機関としての信用がおけない
小倉 正 (再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆5/30「ひだんれん」と「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」の共同行動!
住まいを奪うな!住宅提供・区域指定・賠償の継続を求める
共同集会&デモ&福島県申し入れ行動
★4.新聞より2つ
◆小泉純一郎元首相 単独インタビュー われ関せずは日本人の不名誉
「トモダチ作戦で被ばく 元米兵ひどい健康状態」
(5月19日東京新聞より)
◆「核のごみ 浜岡敷地内で処理すべき」最終処分で川勝・静岡知事
(5月25日東京新聞2面より抜粋)
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※5/28(土)槌田ゼミにご参加を!
第18回原発基本講座
「4/25四国電力との公開ヒアリングの報告と今後の方針」
・特別報告あり
「チェルノブイリ事故の住民被害と対策について」
「食品と暮らしの安全」の編集長・小若順一さんと現地の方の報告
日 時:5月28日(土)14時より16時
お 話:槌田 敦さん
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円
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※5/29(日)学習会にご参加を!
「日本でえん罪がなぜ多発するか」
-日本の司法には正義を実現する構えがない、
日本には三権分立がない、裁判官・弁護士・検察官は三位一体
お 話:浅野健一さん(元共同通信記者)
日 時:5月29日(日)14時より16時
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円
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※5/30(月)学習会にご参加を!
「東北ショック・ドクトリン」今、被災地はどうなっているか?
「創造的復興」という名の大惨事便乗型資本主義
お 話:古川美穗さん(フリージャーナリスト)
日 時:5月30日(月)19時より21時
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円
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┗■1.川内原発の「想定外」を想定する 連載その1(2回に分けます)
| 熊本地震級が襲ったら何処が壊れるか
| 「弾性範囲」ではない川内原発
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◎ 熊本地震は、現在もまだ「何が起きてもおかしくない」「何が起きるか分からない」と地震学者が口をそろえて警報を発している地震である。
1947年に発生した福井地震をきっかけに制定された「震度7」(周期1秒で600ガル以上、周期0.5秒ならば850ガル以上)は、その後実際に計測されたのは3回。ところが今回の熊本地震は3日間で2回にわたり観測された。
規制委員会は何をもって運転に支障無しとしているのだろうか。
まず、地震の規模については、1回目がマグニチュード6.5、2回目が7.3と、原発で想定される地震よりもずっと小さい。日奈久(ひなぐ)、布田川(ふたがわ)断層帯を含む断層で最大でマグニチュード8.1を想定している。
川内原発の位置では直下ではマグニチュード6.1(2004年の「北海道留萌支庁南部地震」)の地震により解放基盤表面の揺れで620ガルと評価している。
熊本地震の発生した断層系で起きる大地震を想定しても川内原発の位置では150ガルにしかならないという。
総合して熊本地震が既知の断層活動に収まるならば川内原発に影響は与えないとの考え方だ。
何が不足しているのかこれではっきりする。川内原発の位置で未知の断層活動によりマグニチュード7クラスの地震が起きることなど想定外。さらに現在の地震活動が甑(こしき)断層系に至る長い断層系を動かすような活動することも想定外。また、別府湾、豊後水道、瀬戸内海へとつながる中央構造線に沿って活動が北上することも想定外である。
◎ 「弾性範囲」の根拠
記者会見で原子力規制委員会・田中俊一委員長は「620ガルの地震でも川内原発は弾性範囲」と述べている。何が弾性範囲なのか詳細には語っていない。考えられるのは原子炉建屋の躯体構造(耐震壁を含む建屋の骨組み構造)の話だろう。
しかし地震応答解析の資料は、図面を含めて多くのページが「白抜き黒枠」で掲載されている。読めるページには解析結果だけが載っている。耐震計算の結果が本当に正しいのかデータが読み取れないので確認できない。
「再稼働阻止全国ネットワーク」は規制委員会に対して異議申立を行う中で、このような記載箇所があまりに多いと何度も抗議してきた。報道でも指摘されている。
そのうえで規制委員会がこのような主張を繰り返すのは本当に許しがたいことだ。
九州電力と規制庁が一体になって解析事実のデータを隠ぺいしながら「原発は安全」を繰り返す不誠実極まりない現実に、報道も市民も騙され続けていることを指摘する。
◎ 弾性範囲ではない
そんな情報隠蔽文書の山の中にも実態の一端が垣間見えるところがある。
躯体ではなく様々な配管類を評価した部分に、とてつもない数値が記録されている。
最もひどい結果を出したのが、「安全注入設備配管」の解析だ。この配管は名前の通りならばECCS系統の配管のどこかである。構造的に厳しくなるのは管台(ノズル)付近か枝分かれ部かエルボ部(屈曲部)のどこかだろう。
一番最後まで生き残ることを要求される非常用配管が、公表されている限りでは最も厳しい数値なのだから信じられない世界だ。
具体的には地震力と温度、圧力の合成(一次+二次応力)が発生値845メガパスカルであるが、この配管に許容される応力値は344メガパスカルである。
実に許容応力の2.5倍もの力が掛かる。これでは間違いなく塑性変形を起こす。
実際に許容値さえも弾性範囲を超えた値を採っているのだから当然だ。
さらに問題なのが累積疲労係数だ。これは1を超えると破壊する危険があるが、一回の地震で0.555、2回になると単純に2倍すれば1.12になって破損の危険性が一気に高まる。熊本地震のように同程度の揺れが2度襲うと想定したら、この場合は持たないことになる。弾性範囲ではないことがリスクを急激に上げるのだ。
(「連載その2」-◎ご都合主義の耐震計算
◎地震で破壊される場所 に続く)
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┗■2.熊本地震で規制庁交渉-「若狭連帯行動ネットワーク」
| 納得のいく回答なし 全く規制機関としての信用がおけない
└──── 小倉 正 (再稼働阻止全国ネットワーク)
5月23日、「若狭連帯行動ネットワーク」さんの、対規制庁交渉@参議院議員会館B104に出かけてきました。
交渉の紹介議員は福島みずほ議員でしたが国会審議が入っていて秘書の方が最初にあいさつされただけでした。
以下はツイキャス記録です。
直前学習会 http://cas.st/104cc91e
交 渉 http://cas.st/104ce1a8
最後のあいさつ http://cas.st/104d151e
長沢氏が徹底して追及していたのは、4/14の熊本地震の前震の記録で、これを規制庁が見なおしの分析に使わない理屈はないでしょうが、という趣旨で攻めていましたが、納得のいく回答はありませんでした。
長沢氏が示したはぎ取り波解析の簡易版が不十分なものであると主張するのなら、自分たちで(あるいは九電に命じて)はぎ取り波解析をやり直せば済むことです。
日奈久(ひなぐ)断層という活断層があると知られているところで起こったものだから、「特定の震源に基づかない地震」として想定するのは不適当、だと言うのはとても理屈にならない弁解でした。
例えば、割れ残っている日奈久(ひなぐ)断層南部で、あるいは伊方の前面海域6~8キロの活断層部分で、熊本地震前震と同じものが起こる想定にすればいいだけのことです。留萌地震は逆断層でしたが、日奈久(ひなぐ)断層は右横ずれ断層という点でも中央構造線断層帯と全く同じです。
その時に基準地震動はおろかクリフエッジ超えの可能性さえある問題であるのに、想定外とみなす規制庁には全く規制機関としての信用がおけない、というレベルの問題発言でした。
残念ながら、やはり規制庁、規制委とは再稼働推進のためのものである、ということでした。
原発現地からは、福井の山崎隆敏さん、島根の芦原康江さん、愛媛の小倉、少し遅れて鹿児島の野口英一郎さんが参加していました。
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆5/30「ひだんれん」と「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」の共同行動!
住まいを奪うな!住宅提供・区域指定・賠償の継続を求める
共同集会&デモ&福島県申し入れ行動
日時:2016年5月30日(月)
10:00~11:00 共同集会 福島市市民会館301号室
11:00~11:40 福島県庁までデモ行進
11:45~12:00 福島県へ申し入れ
13:00~ 共同記者会見
共催:原発被害者訴訟原告団全国連絡会・
ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)
TEL 080-5739-7279
*「住宅の無償提供継続を求める」共同声明に個人賛同してくださる
避難者の方を募集しています。
共同声明は、下記ひだんれんブログから覧ください。
http://hidanren.blogspot.jp/2016/05/blog-post_3.html
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┗■4.新聞より2つ
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◆小泉純一郎元首相 単独インタビュー
われ関せず、は日本人の不名誉
「トモダチ作戦で被ばく 元米兵ひどい健康状態」
小泉純一郎元首相は17日、カールスバッドで、東日本大震災後の米軍の被災地支援「トモダチ作戦」に参加した元米兵らとの面会を終え、本紙の単独インタビューに答えた。福島第一原発事故で被ばくしたとして、東京電力などを提訴した元米兵らについて「われ関せず、は日本人にとって不名誉なこと」と支援の必要性を強調。自ら唱える脱原発の実現に向け「思いを新たにした」と決意を語った。
小泉氏は、元兵士らとの面会を決意した理由について「話を聞いて放っておけないと思った。自分が訪米することで日本国民に実態を知ってもらえれば」と話した。元兵士らの健康状態は「腫瘍ができたり、鼻血が出たりひどい状況だ」と懸念を示した。
さらに「元兵士たちは医療費の負担が重い。日本人のトモダチ作戦に対する敬意と感謝の気持ちを、どう形にするかが大事だ」と資金面での支援を検討する考えを表明。「自分1人の力はわずかなものだ。米国で活動している日本企業は黙っていられないだろう」と経済界に幅広く呼び掛けることも明らかにした。
脱原発の必要性にも触れ「(実現には)国民の意識の変化が重要。それが政治を動かす」と民意に訴える姿勢を強調。今後、講演活動などで脱原発、元米兵への支援をセットで主張していく、とした。
一方、今月下旬に広島を訪問するオバマ米大統領が目指す核兵器なき世界に対しては「核廃絶は核大国の責任だが、安全保障が関係してくるから、原発をゼロにする事より難しい」との見解を示した。
小泉氏は15日から3日間の日程で、元米兵やその家族ら約10人と面会。17日には記者会見して「元米兵らの実態を日米両国民に知ってほしい」などと呼びかけた。 (5月19日東京新聞より)
◆「核のごみ 浜岡敷地内で処理すべき」 最終処分で川勝・静岡知事
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について、静岡県の川勝平太知事は24日、「中部電力が出した核のごみは高レベル放射性廃棄物に至るまで、浜岡原発の敷地内で処理するべきだ」と記者会見で述べた。
川勝知事は、青森県六ケ所村で計画されていた核燃料の再処理について「実現可能性がかなり低くなった」との見方を示した。放射性廃棄物を原発の敷地外に持ち出せば「放射能が飛散する可能性がある」として「出したごみを自分で処理するのは当たり前。中電は安全に処分する方法を考える必要がある」とした。
国から最終処分場の「科学的有望地」として静岡県が選定された場合に受け入れるかどうかは明言せず、「国が最終処分場をここへ決めると言って、すぐに決まるものか。住民の意思を無視しては決められない」と話した。(後略)
(5月25日東京新聞2面より抜粋)
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