スプートニク・ニュース記事より和訳 ジョージ・ソロス、米国で次期政権転覆工作を画策中?
- 2016年 11月 21日
- 時代をみる
- 童子丸開
前回の記事でも申しましたように、世界中でマスコミと左右の知識人による「トランプ叩き」が続いているようです。まずは、ロンドンにある「シリア人権委員会」なる正体不明の団体の「情報」を「公式発表」として報道することでロシアを悪魔化し、一方で「ポピュリズム」なるこれまた正体不明の政治用語でトランプを悪魔化して、本来なら混ざり合うはずもない両方を強引に一体化して叩く、という手法です。
それにしても「ポピュリズム」てのは、わけ分かんないですね。私はスペインで、「右」と「左」の政党が手を組んで経済バブルを作って弾き飛ばし、多くの国民を塗炭の苦しみに放り込む姿を、目の前に見せつけられました。(こちらにある記事に詳しい。)その「右」と「左」の政党に反対して声を挙げたら「ポピュリズム」なんて言われるのですが、それを最も大声で叫んで「ファシズム」扱いにしているのが、まぎれもないフランコ独裁政権の成れの果てどもなんですね。もう笑うしかありません。私は現実を見ているのですが、政治学者の皆さんはどうおっしゃるんでしょうかね。
そんな中で、ヨーロッパ全体で右も左もなく「アンチ・トランプ」「アンチ・ポピュリズム」「アンチ・ロシア」の大合唱が起こっています。そんな世界を頑張ってけん引している一人の爺さんがいるんですね。言わずと知れたジョージ・ソロス。
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スプートニク・ニュース記事より和訳
ジョージ・ソロス、米国で次期政権転覆工作を画策中?
世界各地での政権転覆工作に資金を出し「戦争と不安定化のグローバリゼーション」に精を出してきたグローバリスト、ジョージ・ソロスとその一座がヒラリー・クリントンに投資していたことは周知の事実だ。彼らにとって政治謀略に資金を投じるのは、あくまでもそれが「商売」だからであり、将来的に膨大な利益を約束してくれるはずのものだからである。今回、この稀代の投資家が「負け馬」に賭けてしまったわけだが、このまま黙っているわけがない。賭け金を倍にして取り戻そうとするのは投資家の本能である。
そこで今回は、下記のスプートニクス・ニュース記事を和訳(仮訳)してみた。
https://sputniknews.com/politics/201611191047628934-soros-us-trump/
George Soros Seeking Ways to Resist Trump’s New Global Order
20:21 19.11.2016(updated 20:23 19.11.2016)
同時に次の「櫻井ジャーナル」様の記事を参考にしてほしい。
トランプが次期米大統領に決まったことを受けてソロス一派が秘密会談、露では新自由主義者逮捕
このジョージ・ソロスについては、ざっとした紹介だがこちら(PHP VOICE:「外国政府転覆のプロ」ジョージ・ソロスの影:丸谷元人)のほうが私なんぞの解説よりも分かりやすいかもしれない。彼は長い間ヒラリーやナンシー・ペロシ、ジョン・ケリーなどアメリカのネオコン・リベラル派を上手に利用してきたわけだが、一方で共和党内のネオコンであるヴィクトリア・ヌーランドやジョン・マケイン、CIAの戦術家ジーン・シャープなどと手を組んで、ウクライナの「ユーロマイダン《ネオナチ》革命」を裏から支えた人物としても有名である。
そのソロスにとって、せっかく今まで投資してきた金融世界制覇の夢をもたらすはずだったヒラリーを破って彼の戦略を台無しにしそうなロナルド・トランプは、100回殺しても飽き足らないほどの憎悪の的だろう。本気で「アメリカのウクライナ化」を企んでいる可能性がある。また同時に、アンゲラ・メルケルのドイツを「ソロス世界戦略」の要塞に変えようとしているのかもしれない。この種の人物にとっては、国家や国民など利用するだけの捨て駒に過ぎないのだ。
この記事の題名にある「トランプの新世界秩序」については、次の文章が参考になると思われる。
《米国民を裏切るが世界を転換するトランプ 田中宇:田中ニュース》
《ロシア、トルコ、イスラエル、新たな勢力均衡 F. William Engdahl:マスコミに載らない海外記事》
またこの訳文に出てくるPoliticoはアメリカの通信社だが、こちら(Wikipedia日本語版)を参照してほしい。なお、訳文中には必要に応じて【訳注】を加えている。また日本語に翻訳することの困難な固有名詞は、そのまま英文で書いている。太文字・斜体の強調は原文の強調部分に従ったものである。
2016年11月20日 バルセロナにて 童子丸開
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【翻訳・引用開始】
ジョージ・ソロス、ロナルド・トランプの新世界秩序に抵抗する道を探る
2016年11月19日20時21分(アップデイト:2016年11月19日20時23分)
【写真:ジョージ・ソロス https://cdn3.img.sputniknews.com/images/103098/12/1030981219.jpg】
アメリカ大統領選でのヒラリー・クリントンの悲惨な敗北の後、ジョージ・ソロスとワシントンにいるその他の有力なリベラル出資者たちは、新たな「トランプ・オーダー」に抵抗する戦術を熟考しつつある。
先週、ジョージ・ソロスと富豪のアメリカ人出資者たちは、事態に適切に対応するための会議をワシントンDCで行った。
Politico.com USの執筆家でありジャーナリストのケネス・P.ヴォゲル(Kenneth P. Vogel)が入手した文書の引用は、この会議が有力なデモクラシー・アライアンス(Democracy Alliance)の出資者クラブに支援されており、「最も主力となる連合体やリベラル・グループのリーダーたち、そして同時に、民主党議員団のリーダーであるナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)、上院議員エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)、議会進歩コーカス(Congressional Progressive Caucus)の副議長キース・エリスン(Keith Ellison)などの左翼のアイドルたち」を呼び集めた点について、注意を喚起した。
そのジャーナリストによるとこの会議は、共和党が大統領に指名したドナルド・トランプの「ショッキングな勝利」に続いたものだが、選出されたアメリカ大統領によって導入されるはずの経済的・政治的変化に抵抗するための計画を練り上げる目的のものだった。
言い換えると、「ドナルド・トランプの第一日目に対抗する塹壕戦でいっぱいのリベラルたちの計画」であると、ヴォゲルは示唆した。
彼はデモクラシー・アライアンス(DA)の議長であるガラ・ラマルシェ(Gara LaMarche)の言葉を引用したが、この人物は、この会議が「来たるべき攻撃に抵抗し、2017年と2018年に(複数の)州で開始する、権力を取り戻すために我々が団結してとるべき手段は何か」の査定のプロセスを開始させると強調したのである。
11月17日にそのジャーナリストは「そのプロセス」が順調に進んでいると知らせた。
ヴォゲルは、リベラル・メディア監視役グループであるMedia Matters for Americaの創始者で長期間クリントンに忠誠を誓う人物、デイヴィッド・ブロック(David Brock)が「左翼への最大の出資者たち200人にe‐メールを送った」と報道したが、その出資者の中にはジョージ・ソロスが含まれている。
ブロックはそれらの有力者たちに「トランプ政権下で進行する事態への次の手段」を討議するための一連の話し合いに参加するように提案したと、そのジャーナリストはPolitico.comが入手したe‐メールを引用しながら述べた。
この米国ジャーナリストの引用によると、ブロックは「どのようにドナルド・トランプをへこますのかについて話し合うよりももっと良い、就任式の週末の過ごし方は何か?」と注意を引き付けた。
独立ジャーナリストで地政学アナリストであるマーティン・バーガー(Martin Berger)はNew Eastern Outlook誌の記事の中でこの件についてコメントし、これらの展開を「トランプに対する紛れもない戦争」の警鐘であるとみなしている。
バーガーは、トランプ勝利に続いて噴出したアンチ・トランプのデモにジョージ・ソロスが絡んでいたことは秘密でも何でもないと指摘した。
たとえば、抵抗運動の背後にいるグループの一つであるMoveOn.orgは、ウィキリークスによってリリースされたポデスタ・ファイルの一つが示すように、ソロスによって出資されていた可能性がある。【注記:ウィキリークスは、ヒラリー・クリントンの選挙参謀だったジョン・ポデスタのメールを大量にハッキングしてそれを大統領選挙の直前までかけて世界に公表した。その中にはヒラリーにとって非常に危険な内容が多く含まれているが、その主要なものをこちらのRTニュース記事で見ることができる。】
一方では大西洋の向こう側で衝撃的なほどに類似した状況が展開しつつある。
最近のドイツ・スプートニクとのインタビューの中で、元ドイツ国防省のParliamentary State Secretaryであるウィリー・ヴィマー(Willy Wimmer)は、退任間近のアメリカ大統領バラク・オバマとドイツ首相アンゲラ・メルケルとの間で行われた最近の会議に注意を引き付けた。
このドイツの政治家によれば、ヒラリー・クリントンを長期にわたって支持しているアメリカの「戦争エスタブリッシュメント」は、絶え間ない戦争からの方向転換というトランプの外交政策を妨害しようとしているのだ。
クリントンの敗北の後で、「戦争エスタブリッシュメント」はアンゲラ・メルケルに、ヨーロッパにおける反ドナルド・トランプの「防波堤」として、その希望を託したと、彼は記した。
「今のところ、メルケル氏は『新たに選ばれたアメリカ大統領トランプに対抗する最後の抵抗戦士』の役割を与えられているようです。」ヴィマーはこのように指摘した。
「我々が話していることは、民主党がワシントンにおける民主党と共和党の『戦争エスタブリッシュメント』と一緒になって推し進める、ある種の国際的な『集団的政策』なのです。そこでメルケル氏に与えられているある特定の役割があります。もしメルケルがアメリカ大統領選挙に関して先週言ったことを思い出すなら、彼女がその役割を喜んで演じていることに気付くことでしょう。」このように彼は力説した。
「もし私がワシントンの座に付いているとすれば、たぶん私は自分に対して向かってくる陰謀があると感じるでしょう。」ヴォゲルによって描かれたソロスの最近の言動について触れながら、そのドイツの政治家はこのように語調を強めた。
【翻訳・引用ここまで】
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
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