雨にも負けず、アベにも負けず、改憲を許さぬ街宣行動。
- 2017年 4月 12日
- 時代をみる
- 澤藤統一郎
花が満開となったあと、東京の天候が不順である。アメリカや日本の政権並みの異様さだ。
昼休み時刻、降りしきる雨である。しかも冷雨だ。激しくはないが風もある。スピーカーの音が雨に消されそう。当然のことながら、ビラの受け取りは悪かろう。で、今日は街宣活動はやめようか。逡巡して私は中止を提案したが、仲間の熱意が勝って結局は雨中の街宣決行となった。参加者10名。その平均年齢は60代の半ばだろう。なんたる意欲満々。
雨の中本郷三丁目交差点をご通行中の皆さま、ご近所の皆さま。こちらは地元「本郷・湯島九条の会」の定例の訴えです。しばらくお耳をお貸しください。
私たちは、「憲法を守ろう」、「憲法の理念を大切しよう」、「とりわけ何にも代えがたい平和を守りぬこう」、「絶対に戦争を繰り返してはならない」、「安倍政権の危険な暴走を食い止めなければならない」。そういう思いから、訴えを続けています。雨にも、アベにも、負けてはいられません。
アメリカがシリアを巡航ミサイルで攻撃しました。明らかな国際法違反です。世界にならず者国家というものがあるとすれば、まさしく、その筆頭がトランプのアメリカではありませんか。国連憲章は、自衛権の行使を例外として、武力の行使を認めていません。今回のトランプの攻撃がいかなる意味でも自衛のためであったはずはありません。国連ではシリアの化学兵器使用の確認を調査しようという話し合いが進んでいたところに、突然の攻撃。常軌を逸しているとしか評しようがありません。
しかも、さらにはシリアから矛先を転じて対北朝鮮への恫喝であり挑発です。複数の空母を朝鮮半島の至近海域に展開して、北朝鮮を牽制しようということのようです。一触即発という言葉が頭をよぎります。「シリアも、北朝鮮も怪しからん」「だから、徹底して脅して傷めつけてやれ」などという短絡した反応であってはなりません。日本国民としては、安定した平和な朝鮮半島情勢を築くべく、外交努力を求めなければならないと思います。安倍首相のように、条件反射的に、「アメリカのやることなら、爆撃でも進攻でも、なんでも支持します」では不安でなりません。今こそ、憲法の平和主義の理念を再確認しなければならないと思います。
もうすぐ、5月3日の憲法記念日がやって来ます。「国民の祝日に関する法律」では「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日。今年(2017年)の憲法記念日は70周年の節目。言わば、憲法が古稀を迎えます。
この日本国憲法が生まれて生きてきた70年間、日本は戦争に踏み切ることも、戦争に巻き込まれることもありませんでした。明治維新以来、日本は10年ごとに、戦争を繰り返してきました。戦後70年間、戦争のないことは、日本国憲法の貴重な功績というべきではありませんか。いま、その平和主義の理念を再確認して日本にも、関係各国にも、声を大にして平和的な問題解決を呼びかけようではありませんか。
平和憲法を守ろう、憲法の平和主義を貫徹しよう、という訴えは、70年前から一貫した切実な国民の声であって、色褪せることはありません。ご一緒に、平和を求める世論を作りあげていこうではありませんか。
風雨激しいなかでの宣伝活動だった。思いのほか、通行人の共感を呼んだのではないか、というのが、参加者の事後の感想。韓国から来た旅行者たちが、足を止めて「写真を撮らせてください」と興味を示した一幕もあった。ビラの手を休めて一人が憲法擁護の意義などを話したところ、若い韓国人旅行者が「ボクたちも同じ考えです。がんばってください」と言ったそうだ。小さな、国際連帯。
次回は、5月9日(火)のお昼休み。12時15分から13時まで。今度はきっと、青空の下の宣伝活動。共謀罪審議が本格化している頃だ。場所はいつもの、本郷三丁目交差点、かねやすの前。憲法を大切に思う方、どなたでもご参加を。
(2017年4月11日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.04.11より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=8419
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〔eye4000:170412〕
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