11月25日世界資本主義フォーラム・加々美報告(要旨)
- 2017年 11月 24日
- スタディルーム
- 世界資本主義フォーラム矢沢国光
- 毛沢東独裁との違い:カリスマ独裁の欠如。
- 鄧小平独裁との違い:
- カリスマの条件:
- 習近平体制の問題点。
- 主催 世界資本主義フォーラム
- 日時 2017年11月25日(土) 午後2時~5時30分
- 会場 立正大学品川(大崎)キャンパス 9号館 951教室
- テーマ「第19回党全国大会と習近平体制のゆくえ」
- 報告 加々美光行(愛知大学名誉教授、アジア経済研究所名誉研究員)
- 資料代 500円 どなたでも参加できます。
- 問合せ・連絡先 矢沢 yazawa@msg.biglobe.ne.jp 携帯090-6035-4686
第19回党全国大会と習近平体制のゆくえ
集団指導体制の否定と個人独裁の確立
2017年11月25日立正大学経済学部 加々美 光行(愛知大学名誉教授)
・20世紀カリスマの時代からカリスマ不在の時代へ。
・毛独裁:遵議会義 1935年1月15日中共中央政治局拡大会議。毛沢東と王明の路線対立=土着路線とコミンテルン路線の対立闘争。大長征途次、毛の中共内部の指導的地位の確定。
・王稼祥(中共中央政治局常務委):「毛沢東思想」の提起。1943年7月8日「中国共産党与中国民族解放的道路-紀念中国共産党22周年与抗戦6周年」(延安『解放日報』頭版)。全党で史上初めて「毛沢東思想」と言う言葉を用いた。
・劉少奇(中共中央書記処書記):1945年5月14日―15日党第7回全国大会報告。「毛沢東思想が我が党の唯一の正しい指導思想」と称賛。
・毛沢東:「持久戦論」(延安抗日戦争研究会的講演、1938年5月)、「抗日遊撃戦的戦略問題」(1938年5月)、「敵を深く誘い込み、包囲殲滅する」。
・毛沢東は「井崗山の戦い」から抗日戦争(1931年-1945年、15年戦争)から革命戦争(国共内戦)に至る戦争において絶大な功績があることは否定できない。
・同様に同時代の世界の政治指導者にはキューバのフィデル・カストロ、ベトナムのホー・チミン、インドネシアのスカルノ、インドのガンジーとネルー、ビルマのウー・ヌー、エチオピアのハイレ・セラシエ、エジプトのナセル、など多くのカリスマ(神格的)指導者がキラ星のように存在した。
・1926年11月、22歳の時、フランス、ロシア留学から帰国。中国革命に参加。
・1927年から1929年夏まで上海で党地下活動。
・1929年12月、広西省で中国紅軍第7軍、第8軍の創設に貢献。
・1933年ソ連留学派の王明・コミンテルン派から土着派として批判され、一度目の失脚をする。
・1935年1月毛沢東・周恩来の推薦で遵義会議に出席。中共中央秘書長に当選。
・1966年11月7日名指しの批判を受け、「実権派」として二度目の失脚。江西南昌に軟禁。
・1972年8月毛の鄧小平宛手紙―1973年2月20日周恩来の支持の下、復権。3月に国務院副総理に就任。
・1974年4月国連総会で毛沢東の「三つの世界」論を発表。
・1976年1月8日周恩来逝去。1月15日天安門広場で「追悼会」。汪東興の「8341部隊」鄧小平を拘禁。三度目の失脚。
・1976年4月5日「四人組批判、鄧小平復権」を求める百万人「天安門四五」運動が起きる。四人組によって鄧小平が「総黒幕」とされる。
・1976年9月9日毛沢東逝去。
・1977年7月16日―21日、中共第10期3中全会、鄧小平の党副主席への復権を認める。三度目の復権。
・1978年5月11日『光明日報』に胡福明の「実践は真理を測る唯一の基準である」(胡耀邦監修、「実践是検験真理的唯一標準」)が発表。
・1978年12月、中共第11期3中全会、華国鋒批判、改革政策の開始。「毛沢東の階級闘争論」の否定。「文革三分の誤り、七分の功績」。
・1981年6月第11期6中全会、「建国以来の若干の歴史問題に関する決議」(「歴史決議」)。文革の全面否定。「市場改革、対外開放」政策の正式提起。①農業の市場化、②経済特別区として珠海、深圳の対外開放、③人民公社の解体。
・1984年第12期3中全会「経済体制改革に関する決議」、14の沿海都市の対外開放の決定。「先富論」の提起。
・1989年6月「六四天安門事件」。政治と経済の捻じれ。政治改革なき経済改革。
・1992年2月鄧小平「南巡講話」:小気候と大気候。諸外国の経済制裁が続く中の大胆な対外開放を提起。
・革命実践経験、革命実践に対応した革命理論(継続=永続革命論or永続改革論)。
・カリスマ崇拝を周囲が起こす。cf., 第19回党大会での習近平の3時間の報告。
・複数回の失脚と複数回の復権。
・建設成功理論の提起=改革開放理論。
・「先富論」か「格差是正論」か。
・反体制的言論の統制:特にネット言論の統制。
・中国の国家規模の急激な拡大。2009年グロスのGDPが日本を追い越して世界第2の経済大国になる。2016年現在でGDPが日本の2・5倍。
・2013年6月パーム・スプリングスで行われたオバマ・習近平の米中首脳会談。「大国外交」の提起。オバマの無視。
・トランプの対中外交の不透明性。
〒141-8602 東京都品川区大崎4-2-16 TEL:03-3492-2681
大崎駅または五反田駅から徒歩7分
会場案内図http://www.ris.ac.jp/access/shinagawa/index.html
http://www.ris.ac.jp/introduction/outline_of_university/introduction/shinagawa_campus.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔study911:171124〕
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