SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】236 モロッコ王と西サハラ大統領がAU-EUサミットで鉢合わせ?
- 2017年 11月 27日
- 評論・紹介・意見
- サハラ平田伊都子西サハラ
ワーオ! SADRサハラ・アラブ民主共和国が、11月29日、30日にコートジボワール首都アビジャンで開催されるAU-EUサミットに正式招待されたヨ! なんで、そんなに興奮するのかって? 興奮せずにはおれませんヨ!! この国際サミット会場で、モロッコ国王は仇敵の西サハラ難民政府SADR大統領と同席することになるのです。 隣り合わせになって抱擁したら、、最高ですね!! モロッコにとってもこのEU-AUサミットは、王威にかけて外せないのです。が、この期に及んでもモロッコは、両首脳が顔を合わせないように画策しています。 どう逃げるのか?、、見ものですね、、、
(1) 西サハラ難民大統領にAU-EUサミットへの招待状到着:
2017年11月初旬、アルジェリアにある西サハラ難民キャンプに、西サハラ難民大統領に宛てた第5回AU-EUサミットへの正式招待状が届いた。AU-EUサミットは、2017年11月29日と30日にアフリカのコートジボワール首都アビジャンで開催される。AU(アフリカ連合)参加55か国EU(欧州連合)参加27か国(英国抜き?)の全首脳に招待状が送られた。AUの正式加盟国であるSADR(サハラ・アラブ民主共和国)がAU-EUサミットに正式招待されるのは、当然だ。西サハラを占領支配するモロッコは、これまでことごとく、西サハラが国際会合へ参加するのを、金と暴力で妨害してきた。今回も「SADRは国連が国家承認していない」という一点で、モロッコとその指導者フランスはEUにねじ込んだ。TICADⅥの開催地をモザンビークという、AU(アフリカ連合)域内では西サハラ支援国を選んだことを反省し、フランス傘下のコートジボワールを指定した。王様とフランスは「やったー!西サハラを排除した」と、たかをくくっていたようだ。
残念でした!アルジェリアと南アフリカは、「SADRはAUの正式加盟国だ。コートジボワールがSADRを嫌うのなら、AU本部があるエチオピアでUA-EUサミットをやる」と、反論した。
難民国家を馬鹿にしてはいけません。難民も同じ地球人です。排除せず仲良くしようヨ、、
(2)モロッコを指導するフランス:
11月15日、16日とフランス首相エドゥアール・フィリップが議長を務め、第13回フランス・モロッコ・トップレベル会談をモロッコ首都ラバトで行った。モロッコ内閣長サアド・エッデインが共同議長として、テロ対策から芸能まで、フランスの指導を仰いだが、本題は、「AU-EUサミットからSADRを排除する方策」だったようだ。会談の終わりにフランス首相は、「西サハラに関して、モロッコの地方自治案を支持するフランスのスタンスは、いまも変わらない」と、断言したそうだ。
同じ頃、AU-EUサミット準備委員会のAU側委員長であるAU議長ムーサ―・ファクリを、モロッコ国王自らがラバトに呼びつけて、SADRの招待を止めるよう圧力をかけた。が、「AU加盟55か国全員に招待状を送る」というAUアフリカ連合の決定を覆すことはできなかった。
かくして11月22日、ブリュッセルで、AUアフリカ連合とEU欧州連合のAU-EUサミット準備委員会による合同記者会見が行われ、アフリカ連合委員会の議長ムーサ・ファクリとヨーロッパ連合委員会の副大統領フェデリカ・モゲリニが、11月29日と30日に開催されるサミットへのSADRの正式参加を表明した。
記者会見する左に議長ムーサ・ファクリと右にEU副大統領フェデリカ・モゲリニ(提供MWN)
(3)国連事務総長も、「仲間にいれて~」
11月22日、国連デイリー・プレス・ブリーフィングで、ファルハン・ハック副報道官が、「事務総長は11月29日にアビジャンである第五回アフリカ連合―ヨーロッパ連合サミットに出席するため、コートジボワールに向かう。このサミットのテーマは<永劫の未来に向けて若者に投資>で、事務総長は開会式にて演説する。事務総長はコートジボワール大統領アラサン・ワタラを始め、参加している首脳たちと会談する。事務総長は、11月30日の午後には事務所に戻っている」と、発表した。AU-EUサミットは、AU-EU-UNと、広がっていった。
11月25日に突然、モロッコ王室ツイッターが、「モロッコ国王は王族や経済人や閣僚からなる大派遣団をお供に、あのSADRが参加するAU-EUサミットに先行して、11月26日にアビジャンを行幸される」と、呟いた。「ご滞在中に、コートジボワール大統領アラサン・ワタラを始め、参加している首脳たちと会談される」と、言及している。ムム! モロッコ国王のご旅行予定は? 国王の目論見は?? いろいろ勘ぐりたくなりますネ、、
SADR大統領との対面を避けるため、モロッコ国王はアビジャンで用事を済ませたら
さっさと消えるおつもりかもしれません。そして、お供の者を残して、お得意の<通せん坊>実力行使をやらせるのでしょうか? 会議場入り口で、体を張ってSADR (サハラ・アラブ民主共和国)大統領の入場を止めるのでしょうか? 今年の8月26日にモザンビークで行われたTICADⅥ(第6回アフリカ開発会議)議場入り口での<通せん坊>を覚えていますか?
これからの外交は体力が勝負ですね!
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年11月27日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7141 :171127〕
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