「薔薇マークキャンペーン」について
- 2019年 1月 29日
- 交流の広場
- 中野@札幌
以前、この「ちきゅう座」で松尾匡氏の『この経済政策が民主主義を救う』(大月書店、2016年)を紹介したことがある。旧民主党の「経済政策オンチ」、「事実上の新自由主義礼賛」に腹が立っていたころだったから、この本の主張する「積極財政論」は、砂漠に降る雨のようにすんなりと私の頭に浸み込んできた。そこで、読了後すぐに紹介文を「ちきゅう座」に投稿したわけである。
松尾氏は「4つの顔を持つ男」である。
第1の顔は、置塩・森嶋の「マルクスの基本定理」を発展・深化させた数理マルクス経済学者の顔。
第2の顔は、「流動性選好説」を核としてケインズ経済学(経済政策)を甦らそうとするケインジアンの顔。
第3の顔は、「疎外論」をマルクスの思想を貫く「赤い糸」と見なす社会思想史研究者の顔(廣松渉批判もおこなっている)。
では、第4の顔とは?
それは、アベノミクスに対置して「国民のための積極財政」を野党に呼びかける実践家の顔である。そして、その呼びかけは、ただただ「アベノミクスは日本経済を悪化させた」と唱えるだけの野党の幼児的「批判」とは異なる、理論的裏付けのある批判の声なのである。
その具体的な実践運動として、最近松尾氏は「薔薇マークキャンペーン」なる運動を開始した。党派を問わず、「反緊縮財政」(とくに消費税10%に反対する姿勢)をマニフェストとする参議院選候補・統一地方選候補を支援し、その候補に「薔薇のマーク」を進呈するというもので、極めてユニークで誰でも参加しやすい運動である。もちろん、私も賛同人の末席に座らせていただいた。
詳しくは、「薔薇マークキャンペーン」 https://rosemark.jp/ にアクセスしていただきたい。
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