今中哲二さん(京大原子炉実験所)の話に、今さらながらゾッとした
- 2011年 5月 25日
- 交流の広場
「東京新聞」5月24日の「こちら特報部」は素晴らしかった。というよりも、あらためて身近な危険にゾッとさせられた。今中さんと広大の研究者らによる調査チームは、3月28,29日に飯館村で調査をした。その結果は、「現実の世界とは思えなかった」と言う。もっとも汚染された地点では、3カ月後も、平常時の約400倍の放射線を出す恐れがあると分かる。政府が避難の目安としていた年間20ミリシーベルトを3ヶ月間で超える値になる。これは、「原子炉内の高線量区域に相当する値なのに、地元の人は何も知らずに暮らしていた。放射線汚染に対する準備は零だった」
明らかな情報隠しだ。これは「棄民」政策以外のものではなかろう。そして、我々一応「安全圏」にいると考えている者たちにとってもこのことは決して他人事ではないはずだ。何時このような非情にして破廉恥きわまりない決定が自分たちの上にふりかかるか知れないからだ。
まだ不確かではあるが、重要な情報がある。それは、「放射線計測機」を輸入しようとしても、税関で何故かストップされているらしいという情報だ。500台ほどが止められているともいわれる。その結果、国内の危険地域には、いまだに「計測機」は圧倒的に不足しているのである。あるボランティアグループは、このことを真剣に憂えて、金を集めて「計測機」を送ろうとしている。これはその人たちに聞いた話である。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。