東北へ~今回も短い旅ながら(1)はじめての秋保温泉
- 2020年 2月 6日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
東北へは高校の修学旅行以来、蔵王のスキー、ひとり旅、ゼミOB旅行、出張、家族旅行などで、何度か訪れているはずなのだが、何せ広いので、限られた日数の局地的な旅に終わっていた。今回も3泊という短い旅ながら、秋保温泉2泊、仙台1泊、連れ合いの仙台での講演が済んだら、すぐに秋保(あきう)に向かってのんびりしたいという私の希望がかなった。東北新幹線E5系はやぶさ22号は全席指定。東北新幹線からの富士山は久しぶりだった。
仙台の集会の前には、知人のSさんとお会いすることができた。私の短歌の師だった阿部静枝つながりで、ネットで知り合ったSさんは、短歌はなさらないが、静枝の遠縁にあたり、自分のルーツを探る中で、静枝の家系探索も始め、資料検索のみならず、存命の方には会いに出かけ、手紙を出すという行動力の成果によって、さまざまな情報を収集、これまでもいろいろ教えてもらっている。その努力の成果の一つ、阿部温知・静枝夫妻の家系図が出来上がりつつあると聞いている。メールや資料交換などを重ねていたので、初対面とは思えないほど話が弾んだ。今回の仙台行きで、私は東北大学のキャンパスで、訪ねたいところがあった。Sさんは、ながらく大学生協に勤められていたので、川内、片平キャンパスにも詳しく、いろいろ教えていたく。
連れ合いの仕事が終えるとすぐに、仙台駅前からホテルZの送迎バスに乗り込んだ。市街地を抜けると、トンネルに入るが、その長いこと、避難通路が何か所もあって、事故でもあったらと少し恐ろしくなる。青葉山トンネル、2200mもあるらしい。沿道の林は、裸木のためか、絡み合った細い枝、倒木が目立つどこにもある風景が続く。
11階もあるホテルだが、広いの部屋で、ゆったりと内湯と大浴場で身をほぐす。テレビも見ず、パソコンにも向かわない時間、少しばかり本を読んだり、スケッチを楽しんだりした。ただ、圧巻?は、朝夕のバイキング、若いカップル、学生グループ、家族連れ・・・が、料理の間の通路を右往左往、テーブルの上は、食べつくしたあとのお皿が積まれていく。久しぶりに目にした観光地の賑わいだった。二日目は、宿の裏手を流れる名取川の奇岩が続く「磊々(らいらい)峡」の遊歩道、最近できたらしい秋保・里センターとワイナリーに寄ってみる。大きなホテルが並ぶが、経営は大丈夫かなど余計な心配もする。私たちが泊まったホテルとまったく趣の異なるホテルが、後でわかったことだが同じ会社の経営と知った。日本の観光地のあちこちの倒産、破産したホテルを買収しているらしい。女将を廃し、バイキングに力を入れている由、なるほどと妙に納得するのだった。
「磊々峡」は、土井晩翠が名付けた由、県道の下の遊歩道は歩いて10分たらずだった。クマに注意の看板もあったが、ここで出会ったら逃げ道はない・・・。新しくできたらしい秋保・里センターとワイナリーも近い。
初出:「内野光子のブログ」2020.2.5より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://chikyuza.net/
〔opinion9426:200206〕
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