無策の〈長〉はいらない~コロナ対策をどうする?安倍首相、森田千葉県知事、西田佐倉市長
- 2020年 8月 13日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
安倍首相! 8月1日をもって、マスクを変えましたね。全閣僚が大きなマスクをしている中、よく頑張った、というか意地でもという数か月にみえました。アベノマスクの8000万枚の第二次配布の中止が決まった直後がタイミングと思ったのでしょうか。それよりも前に、知人の医師が勤務する病院に、厚労省から、「ご苦労さんマスク」として大量のマスクが届いたけれど、現場では使い物にならず、事務長が処理に困ったそうです。
行政の長たる者、「意地」を通すのは、いい加減やめてほしい。あまりの失策続きに記者会見も開けず、西村大臣と菅官房長官は、毎日のように登場するが、コロナ対策にしても、判で押したような決意表明ばかりが続きます。首相の広島と長崎での追悼式典での挨拶の文言の重なりが93%もあったと言います。確か8月15日の発言もほとんど前年のコピペに近いという指摘もありました。そして今年は。
本気度が見えない、ではなくて、本気ではないのでしょう。「スピード感」をもってという言葉も常套句ですが、「感」さえあればいいのでしょう。
森田知事!
この人の顔が見えません。千葉県のコロナウイルス感染者数の激増している中で、西村大臣との知事会議や首都圏知事の会議にも参加しているはずながら、どんな発言をしているのか、報道でも取り上げられることはありません。「Go to トラベル」が前倒しでスタートした折には「go to 千葉、どうぞいらっしゃい、千葉でのおもてなしは素晴らしい」みたいなことを言ってはしゃいでいましたのに。この人の無能ぶりは、昨年の台風災害対応でも明らかになって、千葉県民は気づいていますが、県の役人にとっては、処しやすい知事らしいのです。
2020年7月16日、千葉日報より
といって、毎日、記者会見を開き、ときには夜間に臨時記者会見までも開き、いかにも「やってます」パフォーマンス見え見えの小池都知事にもうんざりです。その日の感染者数をまるで「戦果」のように、フリップを片手に自在に操る姿は見たくもないです。マス・メデイアも一日、一日の感染者数ほかの数字や統計を、定時にペイパーやネットで発表することを、なぜ要求しないのでしょう。まるで振り回されている感じです。
佐倉市のコロナウィルス感染者状況
私の住む千葉県佐倉市は、新型コロナウィルス感染者が急増して、累積で8月10日現在112人となった。7月下旬に「昼カラオケ」での集団感染が報じられ、8月に入っても収まる気配もなく三ケタ桁の感染者になってしまった。かなりの間、感染者ゼロの日が続いていたのにと、佐倉市のホームページや新聞報道などで、少し調べてみた。
4月下旬に、市内のケアハウスで集団感染が発生し、聖隷佐倉市民病院では、救急搬送の患者から看護師3人の感染者が出たと報じられ、不安だった。下志津のケアハウス「くつろぎの里」は、20年ほど前、新設されたばかりの頃、私たち地域の女性で発行していたミニコミ誌の取材をしたことがある施設だった。聖隷は、私が2カ月に1回ほど通院していたので、二つとも身近なだけに不安であった。が、そのあとは、感染者ゼロの日が続いたのを覚えている。調べてみると、4月25日以降6月30日まで、この2か月以上のあいだ、2人の感染者の記録があり、7月に入ってからも下旬までは、1日0~2人ほどの感染者で、3月来の累計で40人には至っていなかった。東京都や県内の感染者が増加する中で、佐倉市では収束に向かっているのかと思っていた。
そんな矢先、7月27日、「昼カラオケ」の複数店に集団感染が発生したとの報道があり、合計38人にのぼった。7月26日から、他の場所での感染者も含めて、2週間余で合わせて73人の感染者を出したことになる。
なお、8月に入ってからは、西志津小学校で教頭2人、8月2日に間野台小学校児童1人、8月5日上志津小学校児童1人の感染が発表され、短日間の休校と消毒、濃厚接触者の検査と陰性結果が発表されている。
3月28日~4月24日 26人(0~4人/1日)
4月25日~6月30日 2人
7月1日~7月25日 9人(0~1人/1日)
7月26日~8月10日 73人
佐倉市の対策は?
市の防災放送からは、一日に何回か、手洗い・マスクの励行と三密の回避を流すけれど、この数か月、いつも同じ文言でしかない。現状はどうなのか、さらに具体的な感染防止はどうすべきなのかが聞こえてこない。集団感染への注意喚起や感染不安がある人の受診やPCR検査の受け方などの具体的な指示があってもいいのではないか。広報紙やホームページを見ても、即座に呑み込めない。「印旛健康福祉センター」に電話はなかなかつながらない。
小学校や中学校の情報にしても、数年前まで小学校の通学児童の見守りをやっていたころは、学校の様子も若干わかったが、いまは孫でもいない限りわからない。近くの中学校の構内の通路を近道として横切らせてもらうとき、出会った生徒や先生に思わず尋ねたりしてしまうことがある。かつては校門近くの掲示板に、毎月の予定表が張られていたのだが、いまでは、つい最近まで「入学おめでとう」のポスターが張られているのみだった。中学校の卒業式だけは、ふつうに行われていたようで、校庭では、生徒も父母たちのいつものような光景が繰り広げられていた。
臨時休校や夏休みはどうなっていたのだろう。
中学校:4月9日~5月6日(延期)~5月31日
小学校:4~10日~5月6日(延期)~5月31日
6月1日~再開、12日まで短縮
夏休み:8月8日~8月23日
なお、登校が再開されたころ、中学校内を横切るとき(ちなみに校舎とグランドを画す、正門と西門をつなぐ道路は市道)、ことさら大声で挨拶をしてくる先生に出会って「給食は大変でしょう」との話になると、「今は、簡易給食なんです。パンと牛乳とか・・・」との答えだった。そのとき時は、なんとなく聞いていたのだが、お孫さんのいる知人によると、びっくりするような「簡易給食」だったらしい。「パンと牛乳にジャムとパックの豆腐?」ということもあったそうだ。保護者のブーイングと市議たちの申し入れもあって、改善されたとか?臨時休校の余波、コロナ対策の不備は、後々の子どもたちの学力もさることながら、精神面や健康面にも大きな不安要素を残すのではないかと心配にもなる。
官邸の独断で、全国ほぼ一斉に臨時休校を余儀なくされたとき、働いている親の保育園児や学童はどうなるのだろうかと。テレワークだとか新しい働き方とか簡単に言うけれど、できない仕事の方が多いだろうと。その辺の想像力もなく、「どうしても休めない親」の場合のみ「預かる」ことにするとか、まさに「ドロナワ」対策だった。かつての子育て世代だったころの私たち夫婦は、いったいどうしていたのだろうか。
つぎに、佐倉市の感染予防対策は、防災放送以外に、たしかに、4月と7月に、月に2回の通常の広報紙のほかに、コロナ関連の臨時号を出していた。いま、新聞の読者自体は激減、その折み込みでは読む人も少ないだろうに。また、周辺を見ていると、70代以上の高齢者は、スマホやパソコンでネット情報を入手している人も意外に少ない。そんなな中で、電話などでの対応が大事なのではないか。薬の通販CMではないが、「オペレーターを増やして、お待ちしています」くらいの対応が必要なのではないか。といっても、その対応者がマニュアル通りの答えしかできないアルバイトというのも困ってしまう。
そうした中で、ようやく、印旛市郡医師会によってPCR検査センターが設置され、6月から稼働した。これには佐倉市も協力連携しているという。その実態は、検査車一台が管内を巡回、ウオークスルー方式で一日最大30件を目途にしているという。しかし、これとて、かかりつけ医か市の健康増進課を通してからというので、絞られてしまうのだろう。巡回の場所や日時も非公開で、これも実態が見えにくく、かえって不安が募ってしまう。
西田三十五市長、県議時代は、教育勅語復活みたいな過激な言動があった人、選挙に向けて、毎朝、駅頭での挨拶は欠かさなかったともいい、お年寄りに人気があったというが、いまこそ、年寄りを大事にしてくださいね。
我が家に、元気な犬が二匹いた頃、旅行などで家を空けるとき、当時西田市議の父親が、犬の散歩屋さんをやっていて、何度かお願いしたことがある。日替わりでタッパーに詰めた食事を渡ししても、いやな顔をせず、その都度解凍して温めて持参してくださっていた、律儀な方だったが。
初出:「内野光子のブログ」2020.8.12より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion10023:200813〕
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