SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】404 初日はのぼった!エジプトがモロッコ西サハラ領有権拒否
- 2021年 1月 5日
- 評論・紹介・意見
- エジプトサハラモロッコ平田伊都子西サハラ
新年早々、物騒な話ですみません。 昨年末から引きずっている、毒殺未遂されたロシア反体制指導者アレクセイ・ナワリヌイが、横領容疑で再逮捕。 アメリカ・ナッシュビルで、9・11テロ事件紛いのクリスマス・テロ爆破事件、イエメン・アデン空港で、新政権閣僚たちがタラップを降りた直後に爆破テロ、エチオピア内戦、、、などなど、昨年から引きずっている血なまぐさい事件は未解決のまま、新年を迎えました。 一番混乱しているのはアメリカです。 退陣寸前にトランプ氏が言った<モロッコ領有権承認>発言は、次期アメリカ政権が即刻廃棄処分しなければならない、大国際問題になってしまいました。
トランプ暴言はモロッコのメデイアでも反論を招き、反論を許さないモロッコ王室は粛清に取り掛かったようです
① MWN(モロッコ世界ニュース)が遠回しで王室外交に反論:
「誰もが満足しているわけではない」と、2020年12月29日、MWN(モロッコ世界ニ
ュース)がモロッコ国王に忖度しながら、モロッコ国王が「世紀の外交大勝利!」と自画自賛するQuido Pro Quo(交換取引)に水を差した。12月10日に、トランプ氏とモロッコ国王が電話で決めたQuido Pro Quo(交換取引)とは、実はパレスチナと西サハラの交換取引のことだった。モロッコ国王はトランプ氏から「モロッコの西サハラ領有権を承認する」という言質を取りたかった。モロッコ国王は西サハラを、何としてでも手に入れたかった。トランプ氏がパレスチナを手に入れたかったわけではない。ユダヤ人の娘婿クシュナーの野心である<アラブのイスラエル承認>を、モロッコ国王から獲得したかった。これまでクシュナーは、AUE(アラブ首長国連邦)、バハレーン、スーダンと、イスラエルとの二国間国交正常化を成し遂げ、アラブの絆を切り外してきた。モロッコとの二国間国交正常化は、ユダヤ社会に大きな外交成果をもたらし、クシュナーの地位はますます強固なものになった。そして、トランプ氏は<モロッコの西サハラ領有権>を承認し、モロッコ国王は<イスラエルとの国交正常化>を承認した。かくして、パレスチナはイスラエルに、西サハラはモロッコに売り飛ばされた。
CORCAS(モロッコ王立サハラ問題諮問評議会は、「EUも他の国もトランプ大統領を見習って、どんどんモロッコ領有権承認の声明を出すように」と、さかんに二国間外交攻勢をかけている。
そんな中でMWN(モロッコ世界ニュース)は、「経済効果があっても、モロッコとアメリカのトランプ氏が交わした約束を、アメリカの政治家たち全員が歓迎しているわけではない」と、モロッコ王室の「国王外交万々歳!」にケチをつけた。なにかと反論の多いMWN(モロッコ世界ニュース)は、何度も潰されそうになった。が、生き残っているのは、拠点をアメリカのワシントンに置いているからだろうか?
② モロッコのオピニオンリーダー、マーティ・モンジブ教授の逮捕:
2020年の末から、MWN(モロッコ世界ニュース)は、著名な歴史家でジャーリスト
・マーティ・モンジブ教授のマネーロンダリング事件逮捕を追いかけている。
2020年12月30日に、逮捕されたマーティ・モンジブ教授とその仲間に、モロッコ検察は第一審でマネーロンダリングに関して有罪判決を下した。教授は起訴内容を否定しているが、、MWN(モロッコ世界ニュース)によると、教授やジャーナリストなど7人の仲間たちは市民が記事を発信することができるスマホアプリの講座を開催していたそうだ。モロッコ王室の狙いはこのNGO団体SARIの撲滅で。既に2016年7月1日、この団体を起訴し、裁判にかけた。起訴の罪状は、国家の治安を脅かし、市民の義務である国と制度に対する忠誠を脅かしたことで、これはモロッコ刑法第206条で規定された犯罪となる。有罪なら、最高5年の実刑を受ける。教授たちは仮釈放されていたが、モロッコ領有権を巡るQuido Pro Quo(不正交換取引)をきっかけに、モロッコ王室は反体制勢力の言動を止めようと、教授たちをマネーロンダリングという別件で逮捕した。
2020年12月28日、SPS(サハラ・プレス・サービス)が、モロッコ人でアル・ジャジーラTVの研究員で、モハンマド・チェルカウィ・米国ジョージ・メイソン大学教授の個人ブログを紹介した。その中で、「この2、3週間、西サハラ領土問題に関するトランプ発言を巡る、私の表明に関して、私を抹殺しようとする刺客が送られてきた」と、教授がモロッコ諜報員の暗躍を暴露している。12月10日から12日にかけて、モハンマド教授の援護射撃を受けたアル・ジャジーラTVのベイス国連特派員が、<Quido Pro Quo(交換取引)>の言葉を連発して、モロッコ国王とトランプ氏の西サハラ取引を批判した。しかし、教授に対するモロッコ王室の粛清が明るみに出てから、ベイス記者の姿が国連記者会見室から消えた、、国連にも、モロッコ王室の手が伸びてきたようだ。
③ エジプトは、西サハラ支持!:
2021年1月4日、「エジプトはモロッコの西サハラ領有権を否定!」との大見出しで、MWN(モロッコ世界ニュース)とSPS(サハラ・プレス・ニュース)がエジプト外務省高官の声明を取り上げた。両者とも、1月3日のエジプト外務省高官ラカ・ハッサン がネット通信社<アル・モニター>のインタビューで語った言葉をそのまま取り上げている。ここでは、モロッコのMWN(モロッコ世界ニュース)の記事を紹介する。
「ラバト発―エジプト政府は、アラブやアフリカや他の国が南サハラに領事館を新設しているリストに載るのを拒否した。エジプト外務省高官ラカ・ハッサンは、アル・モニター通信社に、エジプトは西サハラに領事館を新設しないと、明言した。さらに、エジプトはこの領土(西サハラ)に関して、いかなる野心も持っていないと、言及した。そして、エジプト外務省高官は、エジプトは西サハラの人々自身が西サハラ独立かモロッコ帰属かを決めるREFERENDUM レファレンダム<国連西サハラ人民投票>を支持すると、強調した。このエジプト外務省高官は、エジプトの姿勢は変わらないし、これからも一夜にして変わるようなことは、ありえないないと、断言した。
エジプトが南モロッコ(西サハラ)に領事館を開設する意向だと、モロッコのネット通信<Le 360>は伝えていたのだが、、」(以上、2021年1月4日付けMWNモロッコ世界ニュースから)
2021年元旦、今年も近所の城山に登りました。 今年も初日の出を拝むことができました。 帰宅すると、西サハラ難民アスリートのサラーから新年のメールが届いていました。
「Safe & Healthy New Year ! (安全で健康な新年を)」とありました。
読者の皆様にも、「ハピー・ニュー・イヤー」に代わって、「セイフ&ヘルシー・ニュー・イヤー」で、新年の挨拶とさせていただきます。
フランスに住む西サハラ難民アスリート・サラーに
サラーの本が届いたという証拠写真
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年1月5日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10444:210105〕
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