本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(291)
- 2021年 1月 20日
- 評論・紹介・意見
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世界株の時価総額
12月20日付けの日経新聞によると、世界株の時価総額が、史上初めて100兆ドルを超えたとのことである。具体的には、12月18日時点で「100兆1872億ドル(約1京319兆円)」にまで増えているわけだが、この点については、決して、「GDPとの比較」で判断してはいけないものと考えている。つまり、「実体経済」を象徴する「GDP」には、「デリバティブなどの金融商品」が含まれていないために、「妥当な時価水準」を判断するためには役立たないものと想定されるのである。
そのために、私自身は、「約10京円」とも想定される「マネー経済との比較」を用いているが、この観点からは、「現在の株価上昇が、まだ序の口段階である」と言えるようにも感じている。つまり、現在は、「ギャロッピング・インフレ」という「実体経済の名目的な価格上昇」の初期段階にあり、そして、今後、この動きは、株価の上昇が「マネー経済の水準」に追いつく段階まで継続するものと考えられるのである。
具体的には、「世界株式の時価総額が約10京円にまで急増する事態」のことだが、この点については、「1923年のドイツ」や「1991年のソ連」、あるいは、「1945年の日本」などが参考になるものと考えている。つまり、「マネーの性質」から予想される現象は、「世界各国の中央銀行が、今後、大量の紙幣増刷に奔走する事態」であり、また、「大量の通貨が、紙幣の形で市中に出回る状況」とも言えるのである。
そして、このことが、本当の「インフレ(通貨価値の下落)」を意味しているが、実際には、「ケインズ」が指摘する通りに、「100万人に一人も気づかないうちに進展している状況」とも考えられるのである。つまり、ほとんどの人は、「ハイパーインフレ」という「物価や金利の上昇が10%台に到達し、その時から始まる劇的な通貨価値の暴落」に遭遇した時に、初めて、「インフレが発生している事態」に気付くものと思われるのである。
より具体的には、現在、「西洋の物質文明」から「東洋の精神文明」への移行が進展している事態に気付くことでもあるが、この点については、やはり、「神の計らい」とでも呼ぶべき展開が進行しているようにも感じている。つまり、「人類が、より一層の進化をするために、通貨が神から紙への変化をする必要性が存在する」、そして、「このような状況下で、人類の偉大な覚醒が始まる可能性」のことである。そして、このことが、「ヤスパース」が想定していた「第二の枢軸時代」とも思われるが、私自身としては、この点を理解するために、「空の思想」が根本的に見直される必要性があるようにも感じている。(2020.12.20)
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易とDNA
数十年前に「易とDNA」に関する本を読んで以来、この問題を考え続けてきたが、現在では、「受精卵の分割」、あるいは、「生命の誕生から死」までの推移を表していたようにも感じている。つまり、「易」と「DNA」が同じ構造をしているのは、きわめて当然のことであり、結局は、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉のとおりに、「易経による未来予測」については、きわめて難しい状況とも言えるのである。
ただし、一方では、「人間の一生」が、「幼少期」や「青年期」、そして、「熟年期」や「晩年」に仕分けられるように、「時間の経過とともに、生命が、どのような変化を見せるのか?」については、意味のある事のようにも感じている。つまり、この点を、文明法則史学に当てはめた時に、「西暦1200年から2000年までの西洋の時代が、どのような推移で変化を見せたのか?」が理解できるようにも思われるのである。
別の言葉では、「現在の大膨張したマネー経済が、どのようにして出来上がったのか?」を分析することでもあるが、基本的には、「人々の意識と行動が、どのような変化を見せたのか?」が、主な要因だったようにも考えている。つまり、「800年前の人々は、神に執着しすぎた結果として、自由な行動ができなくなっていた状況」だったようにも思われるが、その後、「宗教改革」や「啓蒙思想」などの時期を経て、「資本主義」の時代が始まったことも見て取れるのである。
しかし、現在では、「800年前とは反対に、世界中の人々が、マネー(お金)に執着しすぎた結果として、人類が住みづらくなるような地球環境までをも生み出した段階」とも言えるのである。より具体的には、「コンピューターの発展に伴って誕生したデジタル通貨」を獲得することが、「人類が抱く最大の価値観」となっているのだが、今後の注目点は、「竜宮城から持ち帰った浦島太郎の玉手箱」のように、「デジタル通貨が、一瞬にして、雲散霧消する可能性」だと考えている。
つまり、「日米欧の中央銀行が、現在、どのような行動を取っているのか?」を吟味すると、今までは、「デジタル通貨の信用を維持するために、国債の大量買い付けを実施し、超低金利状態を作り出した」という状況だったのである。しかし、現在では、徐々に、「紙幣の増刷」が始まっており、この点に気づいた人々が、貴金属や株式などの実物資産をかい始めた状況とも言えるが、このことは、「西洋文明の死」を意味しており、「人間の死」と同様に、ある日、突然に、命が失われる状況が当てはまるものと考えている。(2020.12.23)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10486:210120〕
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