SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】411 拷問地獄、占領下の西サハラ女性
- 2021年 2月 18日
- 評論・紹介・意見
- サハラモロッコ平田伊都子拷問西サハラ迫害
モロッコ占領地・西サハラの監獄では、女性も男性と同様の酷い拷問を受けます。 ある意味、男女平等です。 そして、モロッコ占領特別警察による女性犠牲者事件が明るみに出たのも、男性犠牲者たちと同様に家族自身からの発信があったからです。 西サハラ難民政府は遠く離れたアルジェリアの難民キャンプにあり、モロッコ占領地を調査することも、西サハラ住民と直接会うこともかないません。 占領地担当大臣や<収監された西サハラ被占領民を守る会>などを設置していますが、虐待に晒されている同胞の西サハラ女性を救うことなど、とうていできません。
① 女性を差別しないモロッコの拷問:
2021年2月13日、APS(アルジェリア通信社)にシディ・ブラヒム・ハヤ一家が、「娘のスルタナがモロッコ占領特別警察に襲われ重傷を負った」と、写真付きで訴えた。それを受けてアルジェリアの難民キャンプにあるSPS(サハラ通信社)も、同じ写真で同じ記事を流した。この一件でも、政治、軍事、外交、情報、と、全てにわたってアルジェリア大家さんにお伺いを立て、アルジェリア大家さんに指図されるまま動かなくてはならないという、西サハラ難民店子の実情が伺える。2021年2月27日を迎えると、西サハラ難民は45年間もアルジェリアに居候を続けていることになる。住、食、医、学、軍と、西サハラ難民はその全てを、アルジェリアに委ね、アルジェリアのおかげで命を繋いでいる。何でもかんでもアルジェリアの言うがままにならないといけないのだろうけど、、切ないものがありますね、、
「モロッコ占領特別警察に連行され暗黒監獄で拷問にあっている西サハラ市民の惨状は、計り知れないものがある。スルタナ・ハヤ一家は、何としてもモロッコ占領特別警察の手に娘を渡さないよう人権団体に働きかけている。モロッコ占領特別警察は、占領地に住む西サハラ人全員を脅迫し虐待している。モロッコ占領地・西サハラはまさに暗黒監獄と化した」と、SPS(サハラ通信社)は厳しくモロッコ占領当局を非難した。
② モロッコ占領地・西サハラ住人が明かすスルタナ拉致状況:
2月15日、スルタナ拉致事件を追うAPF (アルジェリア通信社)のインタビューに
答えて、占領首都ラユーンに住むアブダッラー・スイレムは、「モロッコ占領軍は日に日に
西サハラ被占領民に対する締め付けを、厳しくしている。いまやモロッコ軍は、西サハラ
平和活動家全員の家を包囲し、事件をでっち上げては活動家を拘束しようと企んでいる。
スルタナは平和活動家で、モロッコが停戦協定を破棄した令和2年11月13日以来、他
の活動家と同様に自宅軟禁されている。この日、2月13日に突然、私服の占領特別警官がハヤ一家を襲い、娘のスルタナを滅多打ちにし、拉致しようとした。ハヤ一家は失神した娘を庇い、駆け付けた隣人たちが警官に襲いかかった。この日の拉致は辛うじて免れたが、今晩にもまた、モロッコ占領特別警察が襲ってくるかもしれない、、モロッコ占領地に住む西サハラ人は安心して眠ることができない」と、モロッコ占領地・西サハラに住むアブダッラーは、事件当日の状況を語った。モロッコ占領当局による西サハラ被占領民に対する虐待はイスラエル占領当局によるパレスチナ被占領民に対する虐待に酷似している。
同じ2月15日、モロッコ占領首都ラユーンに住む他の西サハラ住人はAPS(アルジェリア通信社)に、「私服のモロッコ占領軍兵士たちが、二人の子供を誘拐し不明の場所に連行した。二人はザカリア・アル・リジビとアクラム・アル・ハナフィという名前で、誘拐犯は<アリ・ブフリ死刑執行人(モロッコ軍特殊部隊の仇名)>の一味だ」と、伝えてきた。モロッコ占領当局による誘拐・拉致・虐待は、老若男女平等に襲ってくる。
③ 西サハラ難民大統領がアルジェリア大統領に手術成功おめでとうの書簡:
2月14日、西サハラ難民大統領ブラヒム・ガリがアルジェリア大統領アブデル・マジド・テブンに、ドイツで受けた右足の手術に成功し、アルジェリアに帰国したことを祝福する手紙を送った。アルジェリア・ファーストの西サハラです。
2月16日になってやっと、西サハラ難民大統領ブラヒム・ガリは、国連安保理の英国国連大使2月議長と国連事務総長アントニオ・グテーレスに宛てて、2月13日の拷問事件を糾弾する書簡を送った。その中で西サハラ難民大統領は、「無防備な西サハラ住民に対するモロッコ占領軍の虐待と脅迫と虐殺は、人間としてあるまじき行為だ」と、厳しく非難した。さらに西サハラ難民大統領ブラヒム・ガリは、「モロッコの残虐な占領政策は、ますます激化し繰り返されている。2月13日に起こったスルタナ・ハヤ襲撃事件は今始まったことではない。国際社会がモロッコ植民地政策廃止を強要しないかぎり、モロッコ占領地・西サハラでの非人道的大惨事は続く一方だ」と、国際社会に西サハラの脱植民地化を訴えた。
一体、西サハラ難民大統領は、本気でスルタナを助けようとしているのでしょうか?
2月17日、占領首都ラユーンに住む西サハラ被占領民の平和活動家たちが、隣の町・ブジュドゥールのスルタナ・シディ・ブラヒム・ハヤ一家を励まそうと、ブジュドゥール・ゲートを車で通過しようとしました。 が、すぐにモロッコ兵がすっ飛んできて、一行は家族に会うどころか、ラユーンに追い返されてしまいました。
一体、誰が、モロッコ占領特別警察から、若い西サハラ女性・スルタナを守ることができるのでしょうか??
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年2月18日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10571:210218〕
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