本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(299)
- 2021年 3月 16日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
金利と株価
現在、世界的な金利上昇が始まっているが、この点に関して興味深い現象は、「長期間にわたる超低金利状態により、ほとんどの人が、正常な思考状態から逸脱している可能性」とも言えるようである。つまり、日本においては、「1999年2月から、実質的なゼロ金利政策が実施されている状況」となっているために、「なぜ、現在、金利が上昇を始めているのか?」が理解できないだけではなく、「金利が上昇すれば、株価の暴落が発生する」というような「根拠のない悲観論」までもが囁かれているのである。
より具体的には、「実体経済」と「マネー経済」との区別ができず、また、「デジタル通貨の異常な大膨張」も認識されていない状況のために、「古典的な経済学的認識」である「金利上昇と株高は、好景気の証拠である」というような意見が聞かれる状況のことである。あるいは、「金利上昇が株式バブルの崩壊を導く可能性」を憂慮する人々も、数多く存在するようだが、実際には、「信用本位制のもとで大膨張したデジタル通貨」が認識できないかぎり、「今後、どのような展開が予想されるのか?」が理解できないものと感じている。
別の言葉では、「貨幣と商品との関係性」を理解すれば、「今後、人類史上、未曽有の規模で大インフレ(通貨価値の下落)が発生する可能性」が憂慮されるとともに、「金利と株価の急騰が同時に発生する事態」も、簡単に理解できるのである。つまり、「ギャロッピング・インフレからハイパーインフレへ」という「従来のインフレ理論」が働き始めている状況のことだが、この時に問題となるのが、「デリバティブ」という「金融商品」の存在とも言えるようである。
より詳しく申し上げると、現在の状況としては、「実体経済の約10倍という規模にまで大膨張したマネー経済」が破裂し始めるとともに、「大量の資金が、実物資産へ流入し始めている段階」とも言えるのである。つまり、今までは、「金融のコントロール」と「価格の抑え込み」により、「デフレの状態」が人為的に形成されてきたわけだが、今後は、「海中のビーチボール」のように、急激な価格上昇が、「株式や貴金属などの実物資産」で発生する可能性が高まっているのである。
より具体的には、「人類史上、最大規模の大インフレが、すでに始まっている可能性」のことであり、今後は、この点を理解した人が「投資における勝者」になるものと思われるが、より重大な懸念事項は、「お金があれば幸せになれる」と錯覚した人類が、「地球から淘汰されるとともに、お金が役に立たなくなる可能性」のようにも感じている。(2021.2.14)
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読書の醍醐味
現在の感想としては、「神の国」という著書を読むことにより「読書の醍醐味」を味わうことができたことだが、実際には、「時空を超えて、聖アウグスティヌスやプラトンなどの聖人と、意見の交換が可能に思えるも状況」のことである。つまり、「自分の意見」と「彼らの意見」を照らし合わせることだが、この時に考慮すべき点は、「後世の人間が持つ優位性」、すなわち、「歴史の検証により、真偽の判断が容易な事実」だと感じている。
より具体的には、「村山節氏の文明法則史学」などを参照しながら、「どのような時代に、どのような人々が、どのような考えを持っていたのか?」を考えることであり、この作業の積み重ねにより、「神の意図」が理解できるとともに、「未来予測」が容易になる可能性のことである。別の言葉では、「800年毎に西洋と東洋の文明が交代している事実」を認識しながら、「西洋文明の特徴である富」と「東洋文明の象徴である神や天」を、詳しく分析することである。
そして、この方法により、今回、気づかされた点は、「プラトン(紀元前427年-紀元前347年)」が「2400年前の東洋文明の終了期」に現れ、また、「聖アウグスティヌス(西暦354年-430年)」が「1600年前の西洋文明の終了期」に現れた事実である。つまり、「人類の歴史」については、「1000年単位での研究が必要ではないか?」という思いを抱いたわけだが、実際には、「お金の謎」と「心の謎」を解くためには、「4000年ほど前の歴史まで遡る必要性」が存在するようにも思われるのである。
より具体的に申し上げると、「西暦2000年前後」という「節目の時代」は、将来的に、「マネー大膨張のメカニズム」や「お金の謎」が理解されただけではなく、「心の謎」に関する研究が始まった時代であると認識される可能性が高まっているようにも感じられるのである。つまり、「神の計らい」としては、「大きな節目を与えることにより、人類の絶えざる進化と創造を目論んでいる可能性」でもあるが、今回は、「地球環境の破壊」が止められなければ「人類が淘汰される危機」までもが憂慮される状況とも言えるのである。
そのために、今後の「人類のフロンティア・スピリット」、すなわち、「未知の分野に挑戦する意欲」については、「1600年前」と同様に「目に見えない精神文明」に向かうものと想定されるのである。そして、この時に、大きな役割を果たすのが「AI(人工知能)」だと思われるが、この時の問題点は、やはり、「デジタル通貨の完全消滅」であり、また、「新たなマネー理論の構築」だと考えている。(2021.2.18)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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