吉田嘉明のヘイトコメントにDHC取引先7社が「遺憾の意」 ー「DHCスラップ訴訟」を許さない・第190弾
- 2021年 6月 2日
- 評論・紹介・意見
- DHCスラップ訴訟澤藤藤一郎
(2021年6月1日)
昨日付の共同通信配信で、「DHC取引先7社が『遺憾の意』 会長名での差別的文章掲載に」(表題は、毎日・大阪版)という記事。天下に隠れもないレイシスト、DHC・吉田嘉明のヘイトコメントに関して、「DHC取引先7社が『遺憾の意』を表明していた、というニュースである。
毎日新聞大阪版に掲載のデジタル記事を引用する。
「化粧品会社ディーエイチシー(DHC)のウェブサイトに吉田嘉明会長名で在日コリアンを差別する文章が掲載された問題で、取引先7社が「遺憾の意」を伝えるなどDHCに何らかの対応を取ったと大阪市の人権団体に回答したことが31日、分かった。
NPO法人「多民族共生人権教育センター」などが4月、DHCの主要取引先32社に対し、DHCに謝罪を要請して取引停止などを求める要望書を送付。うち22社から回答を得た。
同センターによると、「遺憾の意を伝えた」(JR西日本)「不適切で公式見解を求めた」(平和堂)など、7社が何らかの対応を取ったと回答。「社会性を著しく欠く」(キリン堂ホールディングス)などとして今後対応を検討すると答えた企業もあった。8社は「回答を差し控える」とした。
同センターの文公輝事務局長(52)は「人権擁護の重要性を理解してもらっていると感じた。より多くの企業に措置を取ってほしい」と話した。
DHCは競合他社について「CMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です」と記述し、自社について「すべてが純粋な日本企業」などとする文章を掲載していた。(共同)
多民族共生人権教育センターは、部落解放同盟大阪府連合会、部落解放大阪府民共闘会議と連名で、今年の4月5日付で悪質な人種差別言動を繰り返すDHCに対して抗議文を送付した。4月28日(水)までに誠意ある文書回答を求めていたが、DHCからは何の返答もなかったという。吉田嘉明の思想の偏頗はともかく、せめて堂々と自ら信ずるところを披瀝する態度の堅持あれば世人の見る目も異なってくるであろうに、法廷にも欠席したように、吉田嘉明には「堂々とした姿勢」を見ることができない。大物の風格の片鱗もないのだ。
「そのためやむを得ず」、人権教育センターらは、4月29日(木)付けで、DHCの主要取引先である、銀行、商品を販売している小売店・ドラッグストア、直営店が入店しているショッピングモール等を運営する32社に対して、DHCとの取引を継続していることによる人権に対する負の影響を軽減するための適切な措置をとるように求める要望書を送付したという。
32社の内の22社から回答があり、7社が何らかの対応を取ったという。もっとも、明確にDHC吉田嘉明のコメントを批判したのは、「JR西日本」「平和堂」「キリン堂」である。何らかの対応を取った7社の内の他の4社についても、「回答を差し控える」とした8社についても、報道がない。個別の企業名を特定して報道してもらわねば意味がない。
なお、要請書は以下のとおりである。
人種差別を繰り返すDHCに抗議します。
取引企業は適切な対応をとってください。
謹啓 時下ますますご清勝のこととお慶び申し上げます。
さて、私たちは、御社が株式会社ディーエイチシー(以下、DHC)と取引を継続することにより、⼈権に対して深刻な負の影響を及ぼしていることを憂慮しています。つきましては、下記の通り要望します。
なお、この要望については5⽉21⽇までに⽂書で回答することを求めます。御社の回答は、その有無を含めて公表することを予めご承知いただければ幸いです。
(要望の主旨)
1.DHCが会社としておこなった⼈種差別について公式に謝罪し、社内ルール策定等の再発防⽌策を実⾏することを要請してください
DHCに対しては、謝罪の⽅法について事態の深刻さに鑑み、公式ホームページでの謝罪⽂の掲載のみならず、DHC 直営店舗での謝罪⽂掲出、主要新聞紙⾯への謝罪広告の掲載、代表取締役会⻑・CEOの吉⽥嘉明⽒による謝罪記者会⾒によっておこなうことを要請してください
2.前記要請が聞き⼊れられなかった場合、DHC との取引停⽌を含めた厳しい措置をとってください
3.以上2点を踏まえて、DHCが⼈種差別を繰り返していることについて、主要な取引先である御社の認識を公表してください
申し入れ先の32社は、下記のとおりである。
1 りそな銀行
2 三菱UFJ銀行
3 みずほ銀行
4 三井住友銀行
5 セブン-イレブン(コンビニ)
6 ファミリーマート(コンビニ)
7 ローソン(コンビニ)
8 ミニストップ(コンビニ)
9 デイリーヤマザキ(コンビニ)
10 ハート・イン(コンビニ)
11 ポプラ(コンビニ)
12 コクミンドラッグ(ドラッグストア)
13 キリン堂(ドラッグストア)
14 ダイコク(ドラッグストア)
15 ココカラファイン(ドラッグストア)
16 ツルハドラッグ(ドラッグストア)
17 マツモトキヨシ(ドラッグストア)
18 コスモス(ドラッグストア)
19 ドラッグユタカ(ドラッグストア)
20 イズミヤ(量販店・大型スーパー)
21 イオン(量販店・大型スーパー)
22 平和堂(量販店・大型スーパー)
23 LOHACO(ネットショップ)
24 Rakuten(ネットショップ)
25 KIDDY LAND(バラエティショップ)
26 東急ハンズ(バラエティショップ)
27 LOFT(バラエティショップ)
28 R.O.U(バラエティショップ)
29 アリー(バラエティショップ)
30 ショップイン(バラエティショップ)
31 イオン株式会社(ミニストップの親会社)
32 西日本旅客鉄道株式会社(ハート・インの親会社)
このうち、回答あったのが22社、何らかの対応を取ったのが7社。この数は、多いとして喜ぶべきか、少ないとして嘆くべきか。意見さまざまではあろうが、ヘイト企業が糾弾されるだけでなく、漫然とヘイト企業と取引を継続することも、批判の対象となる新たな風潮を歓迎したい。
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《悪名高いヘイト企業DHC》への世論の指弾が厳しくなっています。
Change.orgの「DHC商品のコンビニからの撤去、および同社との取引中止を求めます」というネット署名キャンペーンの賛同者が5万筆を超えました。
6月3日には、DHC本社前のスタンディングも企画されているということです。
下記のURLから、ぜひ署名にご協力をお願いいたします。
また、この短縮URLの拡散もお願いいたします。
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2021.6.1より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=16974
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/〔opinion10961:210602〕
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